ユンギボの日記

ネタバレなしの映画感想日記。

2017.03.11 『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20170530124958j:plain2017.03.11

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』を観賞。

アニメですけど知ってますか?
テレビ・シリーズ2期分を一気見。流れ込むよーに劇場へ。壮絶すぎたテレビ・シリーズからの続編という流れでの劇場版で、そのまま続きとして始まるストーリーと各キャラとの再会にまずテンション上がります。

テレビ・シリーズではヘルメットのような機械を頭に着けて、ゲームの世界に入るって設定だったんですよ。それで仮想現実(ゲームの世界)の中で友情を培ったり、恋愛したり、命懸けの戦いしたり……って「現実とどれだけ違いがあるんだ?!」って感じだったんです。
でも、本作では機械を着けて街を歩くと、機械越しに敵キャラが登場したり、生活している街並みがゲーム世界の風景に変わって見えたり……って設定なんです。今、流行りのVR(仮想現実)から更に進化したAR(拡張現実)の世界。VRが現実にあるだけにリアルな設定に感じました。そんなVRゲームで街を歩いてると敵キャラが出てきたりして……って、これポケモンGOじゃん!

さらに敵を倒すとマックやローソンで使えるポイントが貰える……っていう設定まで。協賛の会社が充実してます。怖いくらい現実に則したシチュエーションに思わずゾッとしましたね。

ゲーム内でレア・キャラとして登場する女の子は戦闘中、ボカロのように歌ってくれてて……って、これは初音ミク!?

そんな感じで、次々おこる謎の敵キャラの出現。新たなに仕組まれたゲーム世界の登場。それらのミステリー要素で引っ張りつつ、タイトル通りのソードバトルもてんこ盛り。確かに、ミステリー要素のオチとかはテレビ・シリーズに負けてはあるものの、バトル・アニメの皮を被りつつ、サブカルや次世代コンテンツを大量投入……という凄まじいアニメ作品なんです。


『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』
★★★☆☆
星3つ

2017.03.11 『ラ・ラ・ランド』

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2017.03.11

ラ・ラ・ランド』を観賞。

 アカデミー賞6部門受賞の大ヒット作品なので、もはやボクごときが(しかも今更)話す必要があるのかという……。

 ストーリーは、最悪の出会いをしたはずの男女が再会し、惹かれ合っていく切ない路線の恋愛模様を四季の中で描いていく……といった感じのロマンチックで歌と踊りとのカラフル・ミュージカル映画です。なもんで、見どころは主演のエマ・ストーンライアン・ゴズリングスの歌とダンスと演技。これが凄い!

 本作のライ・ゴズはジャズに拘りがあり過ぎて売れないピアニスト役。さすが演技派。その為に3か月かけてピアノを猛勉強。吹き替えなしの演奏を披露。エマの方も『キャバレー』でブロードウェイへのデビュー済。本作ではオーディションを受けまくる売れない女優役。そーなんです。本作のタイトル『ラ・ラ・ランド』とはロサンゼルス(主にハリウッド)の愛称。夢を追う者の都。夢(将来)と現実(恋愛)のドラマになっているんです。もう切ないですね。

 主役2人が踊るダンス・シーンの数々は本当に素敵なシーンばかりなんですが、実はそれらも過去のハリウッド製ミュージカル映画へのオマージュ。過去のグッとくるシーンの集大成的な構成なんです。これは強力ですね。普段、ミュージカル観ない人も思わずグッときてしまうのではないでしょうか?

 たとえば、2人が街を一望できる丘の上で踊るダンス。これは『バンド・ワゴン』のフレッド・アステアの振り付けにソックリ。踊りながら空へ飛んでいく幻想的な演出はウディ・アレンの『世界中がアイ・ラブ・ユー』のクライマックスだし、その他にも『雨に唄えば』や『巴里のアメリカ人』のジーン・ケリーを思わせるダンスも。そんな過去の名優たちを意識したライ・ゴズの細身なスーツも素敵。今、タイトルを出した『バンド・ワゴン』が1953年公開の作品。『雨に唄えば』は1952年。『巴里のアメリカ人』が1951年。そう、この映画は50年代のミュージカル映画の総集編的な作品なんです。

 今作は今や珍しくなったシネマスコープ(1:2.52のワイドスクリーンという横長の画面比率)での上映。1950年代のハリウッド製ミュージカル映画は、全体で行われているダンスを引き画でも迫力ある構図で見せる為にこのシネマスコープで上映されていたのです。テレビが台頭する以前の華やかなだったハリウッド全盛の上映を追体験できるのも劇場で今作を見る恍惚ポイント。

 そこまでしてミュージカル映画を徹底的に復活させたデイミア・チャゼル監督は、このジャンルを選んだ事を以下のように語っています。

「僕にとって個人的なテーマを扱っている。人生と芸術、現実と夢をどう釣り合わせるか。また、特に芸術との関係と人間関係とをどう調和させたらいいのか。本作では音楽と歌と踊りを使って、そんな物語を語りたかった。ミュージカルは、夢と現実との間の綱渡りを表現するのに適したジャンルだと思うよ。」

 監督の語る通り、歌とダンスで華やかに演出された前半から中盤に掛けての夢見る2人。それもクライマックスに近づくにつれて、静かなトーンと暗い画作りになっていき、現実を受け止めた2人には号泣必至の切ないラストが待っているんですね。その構成も上手しです。

 パンフはカラー写真多めで映画の内容を思い出すには持って来いですが、個人的にはもっと写真集ばりに写真が欲しかったです。イントロダクションやインタビューなど製作背景の記事は多め。作品解説は少なめな初心者対応な印象。濃くも薄くもない内容。

ラ・ラ・ランド

★★★☆☆

星3つ

2017.03.05 『ナイスガイズ!』

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2017.03.05

『ナイスガイズ!』を観賞。

 本作はコメディタッチのミステリーアクション映画なんですが、脚本がゴチャゴチャしてて、映画の質は大して高くないと思いました。しかし、注目ポイントや楽しめる要素は結構ある作品なんですねー。

 本作は70年代を舞台にしたノワールなテイストたっぷりのバディムービーなんです。ライアン・ゴズリング演じるクズとしか言えない探偵。ラッセル・クロウ演じる力任せの脅迫まがいな示談屋。そんな2人が失踪したポルノ女優を追う……というお話。

 まず、70年代を舞台にしているから、まるで当時のアメリカにタイムスリップしたかのような時間旅行感を楽しめます。そのくらい再現度が高いんですね。ヒッピーカルチャーと流行りの音楽。衣装やセット、小道具などにレインボーモチーフやサイケデリックカラー大量投入。当時の雰囲気がたっぷり再現されてる面白さ。当時のザ・アメ車といった(今からだと)クラシックカーばかり注目してるだけで楽しめます。さらに、バックで流れてる音楽はアース・ウィンド・アンド・ファイアービー・ジーズ、キッス、ザ・テンプターズなどなど誰もが聴き覚えあるヒット曲のオンパレード(アース・ウィンド・アンド・ファイアーのソックリさんたちまで出てくる悪ノリ)。

 本作の監督は『リーサル・ウエポン』や『ラスト・アクション・ヒーロー』の脚本を書いたシェーン・ブラック。懐かしいですね! 製作者は『リーサル・ウエポン』や『ダイ・ハード』、『マトリックス』、最近だと『シャーロック・ホームズ』(ロバート・ダウニー・Jr.版)など、シリーズ作品のプロデューサーを多く担当してるジョエル・シルヴァー。つまり、1980年代に『ダイ・ハード』や『リーサル・ウエポン』などのシリーズ・アクション映画を作ってた人達が「次は1970年代を舞台にノワールものを現代に復活させてやる!」という意気込み抜群なのが本作なんですね。しかも、主人公の探偵が『ダイ・ハード』のマクレーン刑事を思い出させる「ついてない男」という設定。さらに2人で1人的なダメ男たちの設定も『リーサル・ウエポン』にソックリなんですよ! 過去作品を自らパロディにしているという悪ノリ感をタンマリ感じる事が出来ます。

 思い出して下さい! 80年代のアクション映画を! ほぼ例外なく低偏差値映画ばかりですよ! ノーテンキでアッパラパー。ストーリーらしいストーリーは思い出せないけど、何だか笑ったなー……くらいの感想だけが残る作品ばかり。ボクなんか何度も観てるはずなのに『リーサル・ウエポン3』なんて全く覚えてないですよ!

 そんな愛すべきバカ映画たちを楽しめたアナタなら、間違いなく本作も楽しめます。勢いだけはありますから。主人公たちが現れると、兎に角、よく物が壊れる。そして、謎の組織に追われる。主人公たちもバカだけど、追ってくる連中もバカという抜群の愛嬌。

 まさに、復活の低偏差値ムービーは、ワイワイやって楽しんで、午後のロードショー行きなんです!!

『ナイスガイズ!』

★★☆☆☆

星2つ

2017.02.27『ルパン三世 カリオストロの城』4DX版

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2017.02.27

誰もが認める名作『ルパン三世 カリオストロの城』が4DXで上映と聞いて、喜びいさんで観賞して来ました。

ご存じ『ルパン三世』劇場版第2作目にして、宮崎駿監督作品1作目。怪盗というより義賊化した善人=ルパン三世クラリス姫を守る為、王家に伝わる財宝を巡って戦う冒険活劇アニメ。(←我ながら上手く纏めた!)

そんな不朽の名作を4DX化! だから、座席が動くし、煙も出る。これは、宮崎駿によってドタバタ冒険活劇ナイズされた本作にはピッタンコカンカンな仕様ではないか!! ……っと思っていたら、そんな事なかった。やっぱり、制作時にそーゆーつもりで作ってないもんだから、不必要なタイミングでガンガン座席が動いて集中できない残念仕様。

確かに、最初こそ、飛んだり跳ねたりと動き回るキャラクターたちの動きに連動したアトラクションの数々はワクワクを盛り上げるのだけど、「アトラクションを楽しみたい気持ち」より「作品をじっくりみたい気持ち」の方が圧勝! 4DXにするには作品のクオリティーが高すぎたんですな。


でもですね、やっぱり、この名作をシネコンの大スクリーンで見れるのは格別で、スピーカーから流れる山田康雄や納谷悟郎、石田太郎など稀代の豪華声優陣の声は興奮しまくりです。みんな故人ですからね。そーでなくても小林清志井上真樹夫の若い張りのある声にはトキメキを隠せません!!

ラストの銭形の「いや、奴は飛んでもないものを盗んで行きました。……あなたの心です」というグッとくる名セリフが有名ですが、ボクはそこよりも、その前のルパンのセリフをグッときます。ルパンに着いていこうとするクラリスに対して
「バカな事を言うんじゃないよ。また闇ん中へ戻りたいのか? やっとお日様の下に出られたんじゃないか。なっ? お前さんの人生はこれから始まるんだぜ? オレのように薄汚れちゃいけないんだよ。 ……あっ、そうだ! 困った事があったらね、いつでも言いな! おじさんが地球の裏側からだって、すーぐに飛んできてやるからなぁ~!」
このアウトローなおじさん感! 要はベテラン感ですよ!

宮崎駿のキャラクターがよく動きまくる作画やシンプルな冒険活劇的なワクワク感。やはり、映画館で観るのと、テレビで観るのは全然、違いますね!!

カリオストロの城

(作品には)★★★★☆星4つ

(4DXには)★★☆☆☆星2つ

【2016年ベスト&ワースト映画ランキング】

もう4月なんですけど、去年、観た映画でランキング作りました。例の如く、2016年日本で公開された映画で作ってます。

【ベスト・ランキング】
1位:『残穢
ホラーでありながらミステリーとしても良く出来ている近年稀に見る傑作な脚本!! 監督の過去作『呪いのビデオ』シリーズや実在の人物をモデルにしたメタフィクションの世界観が現実と虚像を翻弄させる!!

2位:『ヘイトフル・エイト
タランティーノの悪ノリ映画、ここに極まり!! 映画の方程式さえ崩壊させる力業があっぱれ……と言うか唖然のレベル!! サスペンスであり、ミステリーであり、人間ドラマでもあり、キャラ映画でありつつ、西部劇でもある!!

3位:『帰ってきたヒトラー
現代ドイツにヒトラー復活というブラックコメディは毒が効きすぎる破天荒な傑作!!

4位:『団地』
主演はなんと岸部一徳!! 内容はユーモラスでオフビートな団地コメディ。笑える上に懐かしさもある破天荒な傑作!! 岸部一徳がこんなに可愛いなんて!!

5位:『ブリッジ・オブ・スパイ
さすがのスピルバーグ!! シンプルな撮影テクニックをこれでもかとブチ込んで、冷戦時のスパイ攻防戦をシリアスにストーリーテリング!!

6位:『二度殺された妻』
韓国映画の新機軸!! タイムパラドックスを巧みに使い、過去と現在の殺人事件をドッキング!! 全く気の抜けない怒濤の展開へスピーディーに誘う!!

7位:『ピンクとグレー』
作中劇と回想シーン、現在進行形のエピソードとを怪奇な構成でまとめ上げたオンリーワンな作品!! 2人の若者の成功と挫折を語り倒す抜群のセンス!!

8位:『ゾンビ・スクール』
ゾンビ映画は飽きた」「ゾンビ苦手」そんな人にもオススメできるブラックコメディ満載のゾンビ映画!! ちびっこゾンビたちとバカな大人たちのユーモラスな戦いは抱腹絶倒!!

9位:『フェイク』
ドコまでが真実でドコからがヤラセなの? なんて疑問も下らなく思えてくるドキュメンタリーで見せる人間の面白さ!!

10位:『青春100キロ』
AV女優とハメ撮りしたいという夢を叶える為、戦うボンクラ男にまさかの涙する。悪ノリする監督。純粋すぎるボンクラ。待ち構える女神はAV女優。こんなドキュメンタリー観たことない!!

ちなみにの11位以降:『ヒメアノール』『この世界の片隅に』『ヤクザと憲法』『シン・ゴジラ』『イット・フォローズ』『ドロメ 男子篇』&『女子篇』『極秘捜査』『さらば あぶない刑事』『クリーピー』『神様メール』


【ワースト・ランキング】
1位:『スーサイド・スクワット』
2位:『黒崎くんの言いなりになんてならない
3位:『僕だけがいない街
4位:『ミケランジェロ・プロジェクト』
5位:『ライチ☆光クラブ
6位:『女が眠る時』
7位:『少女椿
8位:『キャロル』
9位:『ダーティ・コップ』
10位:『バイバイ、おっぱい』

ちなみに他の観賞作品:
『解夢―ゲム―』
『エヴォリューション』
ヒッチコック/トリュフォー
ローグ・ワン
ドント・ブリーズ
『ミュージアム』
『ソーセージ・パーティー』
『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』
ホドロフスキーの虹泥棒』
『スクープ』
『平成ジレンマ』
『ケンとカズ』
『無垢の祈り』
ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK』
『君の名は』
「大畑創監督映画祭」
『ブリーダー』
『貞子vs伽椰子』
『A2完全版』
『教授のおかしな妄想殺人』
デッドプール
キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』
『SHARING (ロングバージョン)』
『SHARING (アナザーバージョン)』
『怪談 せむし男』
『マジカル・ガール』
バットマンVSスーパーマン
『マッドマックス(4DX版)』
『尾崎支配人が泣いた夜』
サウルの息子
『オデッセイ』
ボクソール★ライドショー恐怖の廃校脱出!』
『グリード』
エクス・マキナ
『日本で一番悪い奴ら』
『華魂 幻影』
『レヴェナント』
『64 -ロクヨン- 前編』
『64 -ロクヨン- 後編』
『鬼はさまよう』
『コップ・カー』
『香港、華麗なるオフィス・ライフ』
『ヤング・アダルト・ニューヨーク』
『ライト/オフ』
ズートピア
『マン・アップ』
ジャングル・ブック
エスコバル
『「僕の戦争」を探して』
『アイ・アム・ヒーロー』
『10クローバーフィールド・レーン』
『ボーダーライン』
『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影 ―シャドウズ―』
『秘密』
マネーモンスター
『ペット』
『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』
『罪とバス』
『父の結婚』
『はなくじらちち』
『樹海』
『下衆の愛』
『風に濡れた女』
ジムノペティに乱れる』
『リップヴァンウインクルの花嫁』
『白鯨との闘い』
『独裁者と小さな孫』
『ディーン 君がいた瞬間』
『少女は悪魔を待ちわびて』
『グッドナイト・マミー』
『ファンハウス』
アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』
アイヒマン・ショー』
ヘイル、シーザー!
『ノック ノック』
『ロック・ザ・カスバ』
『ディア ダニー 君へのうた』
『ズーランダーNo.2』
『殺されたミンジュ』
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
『ファング一家の奇想天外な秘密』
『素敵なウソの恋まじない』
『禁断のケミストリー』
『ヴィジット 消された過去』
コンフェッション ある振付師の過ち』
『ウーマン・イン・ブラック2 死の天使』
『脱脱脱脱17』
『孤高の遠吠』
Dream Theater
『数多の波に埋もれる声』
『美女捨山』
『狂犬』
『親切ですね』
『いろんなにおいのワカモノだ』
『Dance!Dance!Dance!』
『金の鍵』
『MAX THE MOVIE』
『恐怖!セミ男』
『お墓参り』
『怪獣の日』
『お母さん、ありがとう』
アルビノの木』
キリマンジャロは遠く』
『彦とベガ』
次男と次女の物語』
『いいにおいのする映画』
『THORN』
『ACTOR』
『フールジャパン 鉄ドンへの道』
『ひつじものがたり』
『若者よ』
『雲の屑』
『ゴーストフラワーズ』
ちはやふる(上・下)』
『レジェンド』
『日本で一番悪い奴ら』
シェル・コレクター
『Mr.ホームズ』
『スパイ』
『スポットライト 世紀のスクープ』

『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK』

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK』を10月1日、MOVEXさいたまで観賞して来ました。

本作はビートルズのツアー時代を描いたドキュメンタリー映画になります。でもね、ただのドキュメンタリーではないんですよ。本作はビートルズの46年ぶりの公式映画。この「46年ぶり」というのがどーゆー事なのか? そもそも「ツアー時代」という言い方が不思議じゃないですか?
実は、ビートルズは13年間の活動期間の中の1963年~1966年までの3年間しかライブ活動をしてないんです。この3年間の間に世界中を回ってるんですけど66年には完全にライブを止めちゃうんです。それは何故なのか? メンバーたちにとって、ライブとは何だったのか? ……って所に焦点を当てた作品になっております。

過去のライブ映像の素材とインタビュー映像を組み合わせた構成で、勿論、ポールとリンゴへのインタビューは新緑。ジョンやジョージなど故人は過去素材を流用してるんですが、これはほとんど『ザ・ビートルズ アンソロジー』の流用。『アンソロジー』というのはビートルズ解散後の1995年から発売された8巻構成でメンバーの誕生から解散までを丁寧に追った総尺7時間以上のドキュメンタリー! もっと言えば、細かいインタビューで一会場づつ振り返る『アンソロジー』の方がツアー時代を振り返るにしても、内容的にも構成的にも濃いですよ!
そいじゃあ、本作はツアー時代を短く纏めただけの『アンソロジー』ショート版なのか? 新緑インタ以外、『アンソロジー』を見た人間には見る価値なしなのか?
勿論、そんな事はありません!

そんな事ないポイント①
本作制作の為、ネットで世界中の人々に「ビートルズのライブ映像あったら教えて」と呼びかけ、過去最大のアーカイブ映像を収集。要は当時、観客が隠し撮りしていた映像までも掻き集めたという事です。それにより、テープが擦り切れるほど見ていたライブ映像でも、別アングル(しかも客席からの)が追加されているんです!

そんな事ないポイント②
最新の技術で映像と音をクリーンアップ!
映像は当たり前だの4K化! さらに今作の為、新たに整音技術を開発。素人が当時のカメラで撮影した映像を元に、新たに音を加える事なく演奏や歌声が聞こえるようにしたそうです!  ビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンの息子=ジャイルズ・マーティンいわく「正直に言ってしまうと、当時のライブ会場にいて聴くよりも、この映画で聴いた方がちゃんと聞こえるというレベル」だそうです。スゴ技過ぎて理屈が解りませんが、凄い! つまり、ビートルズのライブを疑似体験できるんですよ! 凄くない?!

そんな事ないポイント③
様々な人たちへの追加インタビュー!
エルヴィス・コステロビートルズ映画(『ビートルズがやって来る! ヤァ!ヤァ!ヤァ!』『ヘルプ! 4人はアイドル』)のリチャード・レスター監督。伝説の日本武道館コンサートの際、ビートルズに密着したカメラマン=浅井慎平のインタビュー(日本公開版のみ日本公演のシーンが長めに収録されているサービス仕様だそうです)!
挙句にライブ会場で泣き叫ぶ映像が発見されたシガニー・ウィーヴャーが当時を振り返ったり、ウーピー・ゴールドバーグが母と行ったライブの貧困時代の泣けるエピソードを披露したりとメンツが豪華!

そんな事ないポイント④
ビートルズVSアメリカという構図!
アメリカに憧れてやってきた若いビートルズと真実のアメリカの姿。中でも、座席が人種ごとに別けられた南部の会場でのメンバーによるコンサート拒否事件が衝撃的。
さらに、ジョンの「ビートルズはキリストよりに有名になった」発言やブッチャー・カヴァー騒動など、ビートルズがツアーに嫌気がさすまでの当時の彼らの心境とケネディ大統領、キング牧師暗殺やベトナム戦争といったアメリカの時代背景がミックスして描かれているんですね。

そんな事ないポイント(おまけ)
本編終了後、1966年のシェイ・スタジオ公演が30分以上のノーカット版で特別上映!
しかも、本編同様、4Kで音もクリーンアップされて。正直、本編よりも興奮しました!
もはや、何年も前の映像なのに、ライブビューイング状態でしたよ!

確かに、『アンソロジー』ほど濃くないし、グッとくるポイントも低めですが、綺麗すぎる上に今まで見た事ないライブ映像を大スクリーンで観れる機会は超レア!! まさに、ビートルズ・ライブへタイム・スリップしたかのような映像体験。 劇場観賞必見作品!!

パンフは厚みも内容も薄かったですけど、寄稿メンツのナイス解説は読みごたえあります。あと、レコードサイズなのがカッコイイです。

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK』
★★★☆☆
星3つ

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『スーサイド・スクワッド』

スーサイド・スクワッド』(吹き替え版)を昨日、イオン・シネマズ浦和美園で観賞して来ました。

アメコミ映画……それも悪役を集めたチームというアメコミ悪役版『エクスペンダブルズ』。
本作の監督はデヴィッド・エアー。『フェイクシティ』で汚職まみれの悪徳警官を、『エンド・オブ・ウォッチ』ではロサンゼルス市警を主人公に下町ギャングの現実をヴァイオレンスでエキサイティングに描いた監督。『フューリー』では1台のアメリカ軍の戦車チームをナチスの軍隊と戦わせた血も涙もないお方。自身もロサンゼルスのサウス地区で犯罪と隣り合わせな日常を全身で浴びながら育ち、海軍へ入隊していた過去もある映画監督にしてはデンジャラスすぎる経歴のオーナー。こんなにも本作に打ってつけの監督はいないと思わせるのに余りある人物なんです。期待値上がります!

所が、前半から悪役チームの各メンバーを30分も掛けてチンタラ紹介。チームを率いる政府の官僚がポンミスで魔女が復活させてしまい、いちいちキャラの濃いメンツを大した争いも無しに、使い捨てミッションへ送り込む。なんだ、このヘボい展開は。ゆるゆるです。挙げ句、大してそんなエピソードも無かったのに、血も涙もないはずの犯罪者集団の間には謎の友情が芽生えて、みんなで一致団結して魔女退治という穴だらけの後半。やれやれですよ。どーなってるんだ、エアー監督!!

エアー監督は第二次世界大戦を舞台に囚人たちの危険ミッションを描いた名作『特攻大作戦』を意識したとインタビューで答えています。確かに、設定は似てます。しかし、『特攻大作戦』はリー・マービン演じる行動が荒い事この上なく、何をしでかすか分ったもんじゃない上官の血も涙もないシゴキに耐える囚人たちの男泣き映画であり、その最も重要な要素が本作には欠落しているんですよ。
しかし、本作の男泣きはエアー監督のインタビューから。監督はインタビューで
「こういう映画を作る時は、スタジオ側はあれこれ口を出してくる。監督は色んなルールブックを渡されて、それに従って映画を作らされることになるんだ。そして、編集の段階になると、スタジオに作品を取り上げられてしまう。こうした映画の作り方が、今では当たり前になってしまっている。」
と答えてるんですね。
こ……これは、大のアメコミ・オタクのザック・スナイダー監督が『マン・オブ・スティール』をカタルシスの無いスーパーマン映画に改変された疑惑やジョン・ファブロー監督が『アイアンマン』&『アイアンマン2』の成功の後、『3』を蹴ってインディーズ映画に戻った問題を想起させます。エアー、ボロクソ言って、すまん! オイラが悪かった!!
悩みすぎるスーパーマンがだらだら自分探しをする『マン・オブ・スティール』。自己中ヒーロー同士の意味不明な対決を描いた『バットマンVSスーパーマン』に続き、DCコミックはまたもや駄作を世に送りましたよ!
キャラクター映画なのに、各キャラのバックボーンは描けば描く程、全体のバランスが悪くなり、ウィル・スミスは悪党役でもウィル・スミスだし、ハーレークイーンのキュートさにオンブにダッコ。ジョーカーはハーレイをどんな状況でも助けに来る王子様キャラに悪変されている始末。だが、魔女による理想の世界を幻として見せる謎の技が炸裂するシーンのハーレイの一途すぎる夢に涙。唯一、良かったのは、アレックス・ロスジョーカーとハーレイがダンスを踊るビジュアルを再現した映像がホントにグッときました!!

まぁ、結局の所、色んな意味で涙なしには見れないのが本作なのです。
くたばれ、DC!! 頑張れエアー!!

パンフレットは監督・キャストへのインタやシリーズおさらい、イントロダクションとそこそこ豊富な内容だが、作品の世界観を表現したカラフルなグラフィックが見事。それだけ見ていても飽きないです。

スーサイド・スクワッド
★☆☆☆☆
星1つ