2017.04.29
『バンコクナイツ』を観賞して来ました。
3時間がとにかく長い!! そして、登場人物が多い!! でも、有名な役者が出てないから、誰が誰だか。話の脈略も無いから、話も追えない。辛かった!! 正直、ドラマとかで観たかった。
でも、そんなの関係ないのが本作の魅力。ストーリーとかどーでもいー訳ですよ。
タイトル通り、舞台はバンコクの日本人専門の歓楽街。タイ人娼婦とタイに暮らす日本人の恋愛というか腐れ縁のような関係をベースにタイの人々の日常や風習がシチュエーション的に描かれていくんです。そこにはタイに移り住んだ日本人たちの金や性への私利私欲が渦巻いてるんです。だけど、押し付けがましくは見せません。なんとなーくで、嫌ぁーな感じでチラ見せ。逆に重たいっていう。
本作の富田克也監督は製作のキッカケを
「“タイ”をたぐりよせることによって得た、「アジアの中の日本」という視点から始まった」
と語っており、これはとても面白いですね!
日本人って隣の人が自分の事をどのように思っているかは気にするのに、隣の国の人がどう思っているかは気にしませんもんね! そーゆー意味でも『バンコクナイツ』は見る価値のある映画なんですね。
さらに心に刺さるのは映像の美しさ。何気ない日常が美しい。夜の歓楽街。畑の続く道。場末感のあるバー。そんな風景が美しいんですね。
本作は準備期間は4年。監督は脚本を書いてる段階から、ちょこちょこバンコクへ取材に行き、撮影に入る1年前にはもうバンコクに移り住んでいたというからトンデモない映画ですよ。そのお陰で土着の匂いがプンプン感じられます。それだけあって、本当にタイの色んな顔を映し出しているんですよ。
しかも、劇中に登場するタイの人々は本当にそこで生活する人々(要は素人さん)にほぼ本人役みたいなキャラを演じさせているから、もはやドキュメンタリーのようでもあるんですね。さらに、音楽も現地のミュージシャンの曲や歌を使用。これは旅行にいった気分になれますね。
さらに驚いたのは本作のパンフレット!! 「本編に出てきたっけ?」というようなタイの歴史や風習、習慣について細かく触れられているんです。「ちょっとした観光ガイド本かな?」ってくらいの充実の内容。写真も豊富で劇中の美しい場面のスチールも収録されています。これは久々に凄いパンフでした!!
『バンコクナイツ』
★☆☆☆☆
星1つ