ユンギボの映画日記

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『ライチ☆光クラブ』感想

2016年3月1日(火)、池袋で『ライチ☆光クラブ』を観賞して来ました。

原作は腐女子バイブル的マンガだけあって、劇場はサブカル女子だらけでしたねー。場所も池袋だし。原作マンガは読んでないんですが、映画本編を観てみて納得。BLあり、エロあり、グロあり。奴らの餌じゃないですか。「早く帰ってラノベ以外の本を読め」と思いましたけど。
面白いのが、これ、ボクの好きなB級映画のテイストって話ですよ。
工場跡地をアジトにして、6人くらいの中学生たちが自分たちのルールと言うか規律を守る「光クラブ」なる組織を作っており、「体の成長は罪じゃない。大人になるまで生きてるのが罪なのだ。」とか言ってるんですよね。
冒頭で、アジトに潜入して来た女教師を縛り上げ、「どーやって殺すか」ってのを相談してるんですよ。「いやいや、オレの考えた方法の方がエグいぜ!」みたいな。結局、腹をかっ捌いて殺したんですけど。
ボクは思いましたねー。「とんでもねー奴らだなー」って。
そいつらがロボットを作って、「女を捕まえて来い!」って外に放ったら、間違って酔っ払いとか連れて来ちゃう。そこら辺から「なんだ、この映画は?」と。笑って観てたんですけど、どー観てもシリアスな演出なんですよ。まぁ、だから笑えたんですけど。「これ、ロジャー・コーマン(B級映画の帝王)の映画かなー」と思ってたら、このロボット、ホントに激カワ女学生を連れ去って来るんですよ。そっからが話の本題。
とりまイスに縛りつけて「だれも、この女に触んじゃねーぞ!」となるんですよ。でも、当たり前田のクラッカーで、みんな興味津々で仲間の間に亀裂やら暗躍やらテンヤワンヤ。
アメリカにはエクスプロイテーション・フィルムってジャンルがありますけど、エクスプロイテーションって日本語で搾取(奪い取るとかの搾取ネ)って意味なんです。黒人を観客に見据えたブラックスプロイテーション。ポルノ映画はセックスプロイテーション。みたいな事です。観客を呼ぶ為だから芸術性や話の質はどーでも良いって作品なんです。だから、大抵の作品は見終わった後、何も残らないんですね。
そーゆー考えでいくと、本作はサブカル女子スプロイテーションですよ。
男同士のフェラ・シーンとか奴らしか喜ばねー。ユリ映画『キャロル』とか観てコーフンしてる女が楽しむ作品ですね。
まぁ、ノンケは楽しめないかと言うと、決して、そんな事はないですよ。
その後、少女と見張り役のデクノ坊のロボットとの交流が描かれていき、予想をフライングした反乱のクライマックへと流れ込んでいきます。「この先、どーなるの?」な興味がラストまで集中力を持続させた展開で、この架空のアングラな世界観へ引き込まれました。架空の話ながら、現代の日本では「無い!」と断言できないテーマの濃さ!
それにエクスプロイテーションって文化ですからね。サブカル女子がどーゆーのが好きかというのを観て、「なるほど」となるんですよ。アメリカのB級映画を「意味わかんなーい」「チープでダサ~い」「キモ~い」とか言ってるコミュ障たちが同じようなストーリーなのに、マンガ原作という事でこぞって劇場に足を伸ばしてるんですよ。良い事です。

★★★☆☆
星3つ