本日、川崎市民ミュージアムで『「描く!」マンガ展 ~名作を生む画技に迫る―描線・コマ・キャラ~』という企画展示を見てきました。
手塚治虫を始め、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、藤子不二雄A、水野英子、あずまきよひこ、さいとう・たかを、島本和彦、竹宮惠子、平野耕太、PEACH-PIT、陸奥A子、諸星大二郎などなどベテラン漫画家さんたちの原画をもう惜し気もなく展示。各漫画家さんたちが漫画界に与えた影響を解説しながら、漫画の歴史と主に絵のタッチの変化を辿っていく有意義極まりない展示でした。さらに、田中圭一先生による解説文章が細かい細かいで、ちゃんと読みながら&見ながらで回ったら、2時間でも足りないレベルでした!
開館から行ったのに、土曜日なんで人も多かったです。
もう1つ人の多かった理由が、今日は田中圭一先生と夏目房之助先生の「ものまねマンガ談義 線上の模倣者」というトークイベントがあったんですねー。こちらも満席。
夏目先生のアカデミックな漫画論と田中先生のパロってる間に発見した経験論が白熱。気がつけば
「手塚治虫の女性キャラはとにかくエロい」➡
「なぜ、手塚はエロいのに、直系の石ノ森章太郎の女性キャラはエロくない?」➡
「『ワンダースリー』のポッコ隊長がとにかくエロい。ウサギなのにエロい」➡
「ポージングがエロい」「いやいや、線がエロい」
という中学生みたいな居酒屋感あふれる会話を田中&夏目両先生が実際に単行本を見比べたり、描いてみたりして、談義するという夢のような雑談光景。会場内、大爆笑!
さすがの夏目先生。手塚治虫の過去発言やエピソードを交え、手塚の意識や心境の変化を考察していくんですね! 「こーゆー考え方をしてるのか!」と思わず膝を叩きましたよ!
夏目先生による60年代手塚タッチ&田中先生による70年代手塚タッチのコラボから始まり、手塚死後の2000年代以降のマンガの流行り絵あるある……と2人共、サクサク描ける人たちなんで、悪ノリがアカデミック!!
メチャクチャ勉強になりました。
余韻に浸りながら図録を読もうと思います。