ユンギボの日記

ネタバレなしの映画感想日記。

『スーサイド・スクワッド』

スーサイド・スクワッド』(吹き替え版)を昨日、イオン・シネマズ浦和美園で観賞して来ました。

アメコミ映画……それも悪役を集めたチームというアメコミ悪役版『エクスペンダブルズ』。
本作の監督はデヴィッド・エアー。『フェイクシティ』で汚職まみれの悪徳警官を、『エンド・オブ・ウォッチ』ではロサンゼルス市警を主人公に下町ギャングの現実をヴァイオレンスでエキサイティングに描いた監督。『フューリー』では1台のアメリカ軍の戦車チームをナチスの軍隊と戦わせた血も涙もないお方。自身もロサンゼルスのサウス地区で犯罪と隣り合わせな日常を全身で浴びながら育ち、海軍へ入隊していた過去もある映画監督にしてはデンジャラスすぎる経歴のオーナー。こんなにも本作に打ってつけの監督はいないと思わせるのに余りある人物なんです。期待値上がります!

所が、前半から悪役チームの各メンバーを30分も掛けてチンタラ紹介。チームを率いる政府の官僚がポンミスで魔女が復活させてしまい、いちいちキャラの濃いメンツを大した争いも無しに、使い捨てミッションへ送り込む。なんだ、このヘボい展開は。ゆるゆるです。挙げ句、大してそんなエピソードも無かったのに、血も涙もないはずの犯罪者集団の間には謎の友情が芽生えて、みんなで一致団結して魔女退治という穴だらけの後半。やれやれですよ。どーなってるんだ、エアー監督!!

エアー監督は第二次世界大戦を舞台に囚人たちの危険ミッションを描いた名作『特攻大作戦』を意識したとインタビューで答えています。確かに、設定は似てます。しかし、『特攻大作戦』はリー・マービン演じる行動が荒い事この上なく、何をしでかすか分ったもんじゃない上官の血も涙もないシゴキに耐える囚人たちの男泣き映画であり、その最も重要な要素が本作には欠落しているんですよ。
しかし、本作の男泣きはエアー監督のインタビューから。監督はインタビューで
「こういう映画を作る時は、スタジオ側はあれこれ口を出してくる。監督は色んなルールブックを渡されて、それに従って映画を作らされることになるんだ。そして、編集の段階になると、スタジオに作品を取り上げられてしまう。こうした映画の作り方が、今では当たり前になってしまっている。」
と答えてるんですね。
こ……これは、大のアメコミ・オタクのザック・スナイダー監督が『マン・オブ・スティール』をカタルシスの無いスーパーマン映画に改変された疑惑やジョン・ファブロー監督が『アイアンマン』&『アイアンマン2』の成功の後、『3』を蹴ってインディーズ映画に戻った問題を想起させます。エアー、ボロクソ言って、すまん! オイラが悪かった!!
悩みすぎるスーパーマンがだらだら自分探しをする『マン・オブ・スティール』。自己中ヒーロー同士の意味不明な対決を描いた『バットマンVSスーパーマン』に続き、DCコミックはまたもや駄作を世に送りましたよ!
キャラクター映画なのに、各キャラのバックボーンは描けば描く程、全体のバランスが悪くなり、ウィル・スミスは悪党役でもウィル・スミスだし、ハーレークイーンのキュートさにオンブにダッコ。ジョーカーはハーレイをどんな状況でも助けに来る王子様キャラに悪変されている始末。だが、魔女による理想の世界を幻として見せる謎の技が炸裂するシーンのハーレイの一途すぎる夢に涙。唯一、良かったのは、アレックス・ロスジョーカーとハーレイがダンスを踊るビジュアルを再現した映像がホントにグッときました!!

まぁ、結局の所、色んな意味で涙なしには見れないのが本作なのです。
くたばれ、DC!! 頑張れエアー!!

パンフレットは監督・キャストへのインタやシリーズおさらい、イントロダクションとそこそこ豊富な内容だが、作品の世界観を表現したカラフルなグラフィックが見事。それだけ見ていても飽きないです。

スーサイド・スクワッド
★☆☆☆☆
星1つ