ユンギボの映画日記

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2017.03.05 『ナイスガイズ!』

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2017.03.05

『ナイスガイズ!』を観賞。

 本作はコメディタッチのミステリーアクション映画なんですが、脚本がゴチャゴチャしてて、映画の質は大して高くないと思いました。しかし、注目ポイントや楽しめる要素は結構ある作品なんですねー。

 本作は70年代を舞台にしたノワールなテイストたっぷりのバディムービーなんです。ライアン・ゴズリング演じるクズとしか言えない探偵。ラッセル・クロウ演じる力任せの脅迫まがいな示談屋。そんな2人が失踪したポルノ女優を追う……というお話。

 まず、70年代を舞台にしているから、まるで当時のアメリカにタイムスリップしたかのような時間旅行感を楽しめます。そのくらい再現度が高いんですね。ヒッピーカルチャーと流行りの音楽。衣装やセット、小道具などにレインボーモチーフやサイケデリックカラー大量投入。当時の雰囲気がたっぷり再現されてる面白さ。当時のザ・アメ車といった(今からだと)クラシックカーばかり注目してるだけで楽しめます。さらに、バックで流れてる音楽はアース・ウィンド・アンド・ファイアービー・ジーズ、キッス、ザ・テンプターズなどなど誰もが聴き覚えあるヒット曲のオンパレード(アース・ウィンド・アンド・ファイアーのソックリさんたちまで出てくる悪ノリ)。

 本作の監督は『リーサル・ウエポン』や『ラスト・アクション・ヒーロー』の脚本を書いたシェーン・ブラック。懐かしいですね! 製作者は『リーサル・ウエポン』や『ダイ・ハード』、『マトリックス』、最近だと『シャーロック・ホームズ』(ロバート・ダウニー・Jr.版)など、シリーズ作品のプロデューサーを多く担当してるジョエル・シルヴァー。つまり、1980年代に『ダイ・ハード』や『リーサル・ウエポン』などのシリーズ・アクション映画を作ってた人達が「次は1970年代を舞台にノワールものを現代に復活させてやる!」という意気込み抜群なのが本作なんですね。しかも、主人公の探偵が『ダイ・ハード』のマクレーン刑事を思い出させる「ついてない男」という設定。さらに2人で1人的なダメ男たちの設定も『リーサル・ウエポン』にソックリなんですよ! 過去作品を自らパロディにしているという悪ノリ感をタンマリ感じる事が出来ます。

 思い出して下さい! 80年代のアクション映画を! ほぼ例外なく低偏差値映画ばかりですよ! ノーテンキでアッパラパー。ストーリーらしいストーリーは思い出せないけど、何だか笑ったなー……くらいの感想だけが残る作品ばかり。ボクなんか何度も観てるはずなのに『リーサル・ウエポン3』なんて全く覚えてないですよ!

 そんな愛すべきバカ映画たちを楽しめたアナタなら、間違いなく本作も楽しめます。勢いだけはありますから。主人公たちが現れると、兎に角、よく物が壊れる。そして、謎の組織に追われる。主人公たちもバカだけど、追ってくる連中もバカという抜群の愛嬌。

 まさに、復活の低偏差値ムービーは、ワイワイやって楽しんで、午後のロードショー行きなんです!!

『ナイスガイズ!』

★★☆☆☆

星2つ