ユンギボの映画日記

ユンギボ(@yungibo)によるあらすじ紹介、ネタバレなしのレビュー、解説・考察をお届け‼

4/9『ウインストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20180414175022j:plain
『ウインストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』を観賞。

本作は冒頭から、「世界一の嫌われ者」と言われていたウインストン・チャーチルがイギリス首相に就任。所が、時代は1940年の第二次世界大戦の真っ只中。戦況は、もうすでに絶体絶命のピンチ! さぁ、どーするチャーチル?! ……といった実話ベースな内容。
この映画で描かれているのは、首相就任前日から27日間の出来事。その間、悩み苦しむチャーチル。すぐ周りにブチキレるチャーチル。奥さんにデレデレなチャーチルジョークを飛ばすユーモラスなチャーチル。そして、イケイケだった頃のヒトラーにケンカを売るまでが描かれます。
本作でアカデミー賞を受賞した辻一弘が6ヶ月も研究に費やして完成させた超絶リアルな特殊メイク。それを受け、元祖カメレオン俳優=ゲイリー・オールドマンが本人完コピ芝居で演じてます。もう素晴らし過ぎます!!
さらに、衣装は実際にチャーチルの衣装を仕立てていたブランド。セットの戦時作戦室も忠実に再現し、チャーチルが動き回る国会議事堂は、本物のウェストミンスター宮殿で撮影。壮大な規模のエキストラもノーCG……という書き出したら常気を逸したレベルのこだわりよう。この本物志向と監督であるジョー・ライトによるエッジ効いた、白く靄がかった映像センスが見事にコラボ。寓話的美しさの中で人間=チャーチルが浮き彫りになっており、クライマックスの感動を煽り立ててます!
ジョー・ライト監督いわく、「この映画はある意味で国民と距離の離れたところにいた彼(チャーチル) が、庶民の声を代表するようになるまで、その声を発見する旅を追う映画なんだよ」との事。
短期間のエピソードに集約した脚本なので、予備知識が無くとも解りやすいですが、フランスのダンケルクに追い詰められ、絶体絶命のイギリス軍のエピソードは、去年、クリストファー・ノーランが『ダンケルク』という映画化済み。本作に登場するキーマン=国王ジョージ6世はコリン・ファースアカデミー賞を受賞した『英国王のスピーチ』の主人公。そこら辺の映画を予習していくと、さらに作品の世界観に入りやすいかもしれません。

パンフレットは、キャストや監督のインタビュー、作品の時代背景など、基本情報を網羅。お勉強にもなる一冊でした。



『ウインストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
★★★★★
満点5つ星