ユンギボの映画日記

ユンギボ(@yungibo)によるあらすじ紹介、ネタバレなしのレビュー、解説・考察をお届け‼

ウディ・アレンが描く大人の恋と名作映画オマージュのバランス『サン・セバスチャンへ、ようこそ』

やっと観て来ました!! ウディ・アレンの新作『サン・セバスチャンへ、ようこそ』。舞台は、スペイン北部の美しい街。だらしない大人たちの恋とか愛とか嫉妬とか。先行き不透明な恋の矢印を、名作映画オマージュでデコレーションした一本。 映画宣伝の仕事…

『シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎』「D坂の殺人事件」「心理試験」「屋根裏の散歩者」(#78)

NHK BSプレミアにて放送されていた本シリーズ。初回は2016年で、度々、再放送。その都度、観ていたのですが、今回は「楽屋トークSP」として、各話の間に主演の満島ひかり さんと監督やキャストとのトークが挿入されています。そもそも本シリーズは、“江戸川…

ジム・キャリーのノンストップ爆笑コメディ『ジム・キャリーのエースにおまかせ!』(#77)

ソフト版タイトル『エース・ベンチュラ2/ジム・キャリーのエースにおまかせ!』。1994年に公開された『エース・ベンチュラ』の続編。とは言え、ご安心ください。前作を観てなくても、ストーリー的な繋がりは激薄なので、全く問題なし。 前作でもハイテンショ…

「飛べば、見える。」世界一カッコイイ豚の空物語『紅の豚』(#76)

顔だけ豚の男が飛行艇(水面に着陸できる機体)で空を飛ぶだけで、もう面白いです。ボクは宮崎駿監督作品の中で、本作が一番好きです。その理由は、激シブかつユーモラスな主人公の魅力です。豚だと言う事が細かく追求されないミステリアスさ。 さらに、主人…

ムチムチなクリスティーナ・リッチの色気がムンムン『僕のニューヨークライフ』(#75)

公開当時、ボクの好きなクリスティーナ・リッチが、ボクの好きなウディ・アレンの作品に出る事自体が個人的大ニュースでした。 クリスティーナ・リッチと言えば、「アダムス・ファミリー」シリーズや『キャスパー』など子供から大人まで楽しめるキャラものエ…

デ・パルマ監督の日本未公開アート・ドキュメンタリー映画『ザ・レスポンシプ・アイ』(#74)

前回の『ウォートンズ・ウェイク』(#73)に続き、『スカーフェイス』や『アンタッチャブル』のブライアン・デ・パルマ監督、初期の日本未公開映画の紹介です。本作も、『愛のメモリー』Blu-rayの特典映像で観れるレア作品です。本作は、ニューヨーク近代美…

デ・パルマ監督の未公開初期短編映画は犯罪ミュージカル『ウォートンズ・ウェイク』(#73)

『スカーフェイス』や『アンタッチャブル』のブライアン・デ・パルマ監督、初期の日本未公開映画が本作。『愛のメモリー』Blu-rayの特典映像で入っています。こんなレアな作品が観れるのは、大変に嬉しいです。本作は、1962年の28分の短編映画。無声映画なん…

おバカなハイテンション!! ジム・キャリー伝説の始まり『エース・ベンチュラ』(#72)

本作以降、立て続けにヒット作を出すジム・キャリー。まさに本作からスタートしようなものなんです。タイトルにもなっている“エース・ベンチュラ”とは主人公の名前。ベンチュラはペット専門の私立探偵。動物探しを得意とし、何故かペット禁止のアパートで多…

どこかで見たような天才監督とコロンボが対決『新・刑事コロンボ 狂ったシナリオ』(#71)

今回のゲストキャラにして犯人は映画監督。しかも若きワンマン映画監督なんです。スタジオを我が物顔でかっぽ。 そこへ訪ねて来たのが同郷の幼馴染み。彼は落ち着かない様子で語り出します。それは、一つのフィルムを見つけた琴線。それは事故で死んだと思わ…

懐かしき、とにかく明るい頃のDC映画『バットマン オリジナル・ムービー』(#70)

マーベル・スタジオの映画とは裏腹に『マン・オブ・スティール』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』、『ジョーカー』など暗い映画がてテンコ盛り。まだ明るい方だった『スーサイド・スクワッド』も大コケ。『ワンダーウーマン 1984』…

死んだ妻と瓜二つの女性が誘うサスペンス・ミステリー映画『愛のメモリー』(#69)

本作がどのくらい知名度があるのか、よく解りませんが、他の人と話していて話題に出た記憶がないですね。 『スカーフェイス』や『アンタッチャブル』、『ミッション・インポッシブル』のブライアン・デ・パルマの初期のサスペンス・ミステリー。“ヒッチコキ…

昔の恋人は今なにを?初老の男の人生を見つめ直す旅『ブロークン・フラワーズ』(#68)

ジム・ジャームッシュ監督の作品で1番好きな作品です。そもそも、ジャームッシュ映画って、起承転結が曖昧であまり好みではないのですが、本作に限っては数年おきに観返してしまいます。唯一、持っているジャームッシュ作品です。若い頃は幾人もの女性と浮…

ノリノリ音楽で送るドラマスカスカ音楽映画『ピッチ・パーフェクト』(#67)

とりあえずノリノリな音楽を流しておけ!!とばかりに畳み掛ける選曲センス。なんですが、ストーリーは驚く程スカスカ!!大学へ入学してきた主人公。音楽プロデューサーになる為、一人で音楽のサンプリングをする日々。しかし、入学した大学の教授をしてい…

スパイ映画の“あるある”集大成『007 ロシアより愛をこめて(007 危機一発)』(#66)

本作は、映画「007」シリーズの第二作。本作でジェームス・ボンドを演じているのは、初代ボンドことショーン・コネリー。吹替えファンにとって、コネリーと言えば若山弦蔵さん。なんですが、今回は若山さんの吹替え前に収録された1975年のTBS「月曜ロード…

あまり語られない泣けるマフィア映画『バラキ』(#65)

ボクはマフィア好きというワケではないのですが、「ゴッドファーザー」シリーズや「仁義なき戦い」シリーズなどが大好きです。家族や一族間の葛藤。血縁関係は無くとも、擬似的な家族モノ、兄弟モノでもあります。任侠です。仁義です。バディものでもありま…

名匠デ・パルマ監督の幻の初期作品『青春のマンハッタン』(ビデオ題『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタン/BLUE MANHATAN2・黄昏のニューヨーク』)(#64)

本作は、『キャリー』や『スカーフェイス』、『アンタッチャブル』、『ミッション・インポッシブル』のブライアン・デ・パルマ監督の初期作品。『青春のマンハッタン』というのは、DVDになった際のタイトルで、ビデオタイトルは『ロバート・デ・ニーロのブル…

“カメ止め”監督のオムニバスは全てが伏線のエンタメ映画『イソップの思うツボ』(#63)

2018年に大ヒットした低予算映画『カメラを止めるな!』。通称『カメ止め』の上田慎一郎 監督によるオリジナル脚本を自らも含め3名の監督が担当。『カメ止め』で助監督を担当していた中泉裕矢 監督(「カメラを止めるな!スピンオフ『ハリウッド大作戦!』…

名刑事VS超能力者『刑事コロンボ 汚れた超能力』(#62)

旧シリーズから10年近くの時を経て、初老を迎えたコロンボによる新シリーズ『新・刑事コロンボ』の第一話。再スタートから意表を突く“超能力”がモチーフ。超能力を軍事利用する為の政府の施設。そこで超能力を証明しようとする男。しかし、彼はイカサマをし…

「スター・ウォーズ」シリーズの脚本家が監督した西部劇『シルバラード』(#61)

1985年という、もう西部劇もあまり作られなくなった頃の西部劇。これが、まぁ、懐かしいくらいオーソドックスな西部劇映画でした。西部でアウトローとしてしか生きていけない男たち。偶然の出会いによって知り合います。同じ価値観の4人は、共に人助けをし…

まだまだオタクの生態解剖『続・おたくのビデオ』第2話「1985 続・おたくのビデオ」(#60)

もはや、冒頭からガレージキットの販売を決意する主人公。王道!! オモチャ会社を作り、トントン拍子に業績を伸ばして行きます。その中で、新たな企画や商品化、大手企業との対立が描かれていきます。と同時に前話同様、オタクたちのインタビューが挿入され…

リアルなオタクの生態を描いたアニメ『おたくのビデオ』第1話「1982 おたくのビデオ」(#59)

『エヴァンゲリオン』のガイナックスが『ふしぎの海のナディア』の後、オタクの生態について作ったアニメとモキュメンタリーで構成された1991年のOVA。オタクと距離をとっているつもりで、隠れオタク的な青年が主人公。そんな主人公が様々なオタクと出会って…

ジョン・トラボルタがテロリスト役を好演『ソード・フィッシュ』(#58)

公開当時は久々のジョン・トラボルタ出演に、スタイリッシュな映像で話題に上がった本作。今では、語る人も少ない忘れられた作品でもあります。天才ハッカーながら、仮出所中の主人公。離婚した奥さんとたまに会える娘。真っ当に生きようとするも貧乏生活。 …

動物愛護団体がキレた、犬の呪いの陰鬱な映画『犬神の悪霊』(#57)

『犬神の悪霊』ポスター日本の経済発展に向けた開発と昔からの村の言い伝えがミックス。独特の雰囲気を持った怪奇ホラー映画。犬への虐待描写が満載なので、ワンちゃん好きはご遠慮ください。動物愛護団体からの猛クレームのお墨付き。 今回はチャンネルNECO…

エノケンと柳家金語楼のハチャメチャコメディ『初笑い底抜け旅日記』(#56)

『初笑い底抜け旅日記』ポスター日本の喜劇人の代表エノケンこと榎本健一のコメディ映画。冒頭から旅人役のエノケンが陽気歌って登場。旅先の村人との年貢の取立ての話を歌のみで紹介するミュージカル仕立て。 それでいて、エノケンが誘拐され、外を自由に出…

【未DVD化】アイドル映画の皮をかぶったトンデモ映画『ザ・オーディション』(#55)

『ザ・オーディション』ポスター往年のアイドルグループ=セイントフォーによるサクセスストーリー映画『ザ・オーディション』。なんですが、これが芸能界のウラ側を暴露したようなヘビーな映画なんです。本作は、セイントフォーがデビューした1984年11月公…

ハリウッドスケールでゴジラとキングギドラがガチンコ対決『ゴジラ キング・オブ・モンスター』(#54)

『ゴジラ キング・オブ・モンスター』ポスター世界観を共有するモンスターバースシリーズの第三弾。ちなみに、第一作目は『ゴジラ』。第二作目は『キングコング 髑髏島の巨神』。第三作目の本作で、新たなフェーズへ突入していきます。前作で世界の前に姿を…

アカデミー賞を獲ったサスペンス監督の処女作はブラック・ユーモア映画『ほえる犬は噛まない』(#53)

『ほえる犬は噛まない』ポスター『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督デビュー作。サスペンス監督のイメージがあるものの、処女作はコメディ。大学教授の職に就きたいものの全く上手くいかない青年。団…

逮捕までの24時間を描いた実録ドラマ『恐怖の二十四時間 連続殺人鬼西口彰の最期』(#52)

『恐怖の二十四時間 連続殺人鬼西口彰の最期』VHSジャケット5人を殺害、日本中を逃亡していた実在の殺人鬼=西口彰を描いた本作。西口彰事件と言えば、佐々木隆三さんの書いたルポを原作とし、今村昌平 監督が作った映画『復讐するは我にあり』が有名です。…

今では難しい豪華声優陣が勢揃い『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環 ~ラインの黄金~』(#51)

『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環』「銀河鉄道999」や「キャプテン・ハーロック」、「クイーン・エメラルダス」、「宇宙戦艦ヤマト」など、宇宙SFマンガを大量に描いてきた松本零士先生。驚くべき事に、そんな松本先生の各マンガ作品は世界観を共…

時空を超えたロマンス映画『ある日どこかで』(#50)

『ある日どこかで』今回、『ある日どこかで』がBSテレ東にて新録吹き替え版で放送されると知り、喜び勇んで録画観賞。本作は、劇作家の男が、老舗ホテルで1910年代に活躍した女優の写真に一目惚れ。過去へとタイムスリップし、その女優への思いを語るロマン…