ユンギボの映画日記

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『グリード チャンプを継ぐ男』感想

2016年1月29日(金)、ユナイテッド・シネマズ浦和で『クリード チャンプを継ぐ男』を観賞。

先月、劇場で予告編を観て号泣した『ロッキー』シリーズのスピンオフ作品です。
『ロッキー』シリーズを観てなくても楽しめる作品かと思ってたら、ガッツリ続編でちょっと引きました。シリーズ観てないと解らないお話です。
最近のスピンオフ映画とか続編映画って前作を観てるのが前提条件なんですね(『007』しかり『スター・ウォーズ』しかり)。
『ロッキー』1作目で主人公=ロッキーが挑むチャンピオンのアポロ・クリード。2作目で再戦。3作目では友情が芽生え、ロッキーはアポロに練習法を学び、闘いに挑むのです。
で、本作の主人公は、そのアポロの愛人の隠し子=ジョンソンなんですね。そんな彼がチャンピオンだった父と同じようにボクシングを始めて、登り詰めていく……という話なんですよ。そーなんです。つまんなそーなんですよ。
案の定、前半は、お約束のパターン展開で、ガッカリしました。アポロの奥さんってのが凄く良い人で、孤児だった主人公を引き取り、学校へ通わせ、今や主人公は立派な勤め人なんですよ。出世もして順風満帆そうなんですけど、冒頭で急に辞めちゃうんですよ。辞めて、ボクサーになると決意するんですね。なんで?
その理由は一貫して「父の、チャンピオンの血がそうさせる」とサイヤ人みたいな事を言うんですね。母親には「ボクシングをやるなら、この家から出ていって」と言われ、ちょっとウジウジしてるけど、あまり悩まない。そこまでしてやる事か感が拭えなかったですねー。
小さな部屋を借りて、ロッキーに弟子入り志願。コツコツ練習を積むも、隠していた「父親がチャンピオン」という事実が露呈。七光りレッテルを貼られ、暴行事件で対戦相手を探していた現役チャンピオンの噛ませ犬に抜擢されるんです。
「いやいや、大抵、予想通りの展開ですけど。」と思いながら観てました。
所が、本作では、さすがにチョイ役かと思っていたロッキーに重大事件が発生。急にのっぴきならない展開へ流れ込んでいくんですね。
登場するなり、もうおじいちゃんなロッキーは、もう何年もジムへは足を運んでないんですね。で、レストラン経営で生計を立てながら、亡くなった奥さんの墓に話しかけるのを楽しみな老人ですよ。しかも、ただ死ぬのを待つ老人で、人生の終わった人なんですね。ロッキーを演じるシルベスタ・スタローンもヨボヨボで「『エクスペンダブルズ』って10年くらい前の映画だっけ?」と思いましたよ。そんなロッキーが主人公に練習法を教え、特訓に付き合っている内に、生きる気力を見つけていくドラマも展開。主人公のエピソードとコラボ技に発展。涙のラストへ流れ込んでいく事になります。
主人公のアパートで、ご都合主義的な偶然で知り合う歌手の女の子とのラブ・ストーリー要素もプラス。
結構、練習シーンが少なく、彼女とケンカしたり、ロッキーと揉めたりと、練習そっちのけな印象なんですけど、その分、ドラマはてんこ盛りです。クライマックスの試合のシーンに結実。もう号泣です。
スター・ウォーズ』もそうでしたが、もう「『ロッキー』の新作を観に行くんだ!」というお祭りとして楽しむ映画だと思いますね。
あと、羽佐間道夫の吹き替え版で劇場公開してほしかったですね。そーなったら、主人公の声はタレント(EXILEとか)使うんでしょーけどね。クソですね!!


クリード チャンプを継ぐ男
★★☆☆☆
星2つ