ユンギボの映画日記

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【過去作品】『怪談 せむし男』感想

2016年5月2日(月)、ラピュタ阿佐ヶ谷で開催されている「OIZUMI 東映現代劇の潮流」というプログラムで1963年のモノクロ映画『怪談 せむし男』が上映されていたので、行ってきました。

この映画、前々から見たかったんですよ! なぜなら、今作で主演の西村晃が好きだから!!
まぁ、西村晃と言えば一般的には『水戸黄門』のイメージかもしれませんけど、実は黒澤明深作欣二今村昌平などの作品にもバンバン出ている名優ですよ!
所が何故か時々、『散歩する霊柩車』とか『怪談 蛇女』とか『怪談 片目の男』とかB級ホラー映画に出演してたりするんですよ。そして、ほとんどがことごとく未ソフト化作品。そんな西村晃の本作の役所はタイトルの「せむし男」役です。
バッチしホラーメイク(むしろドラキュラ風味)して、背中に入れ物して、腰を丸めて、「これは仮装か?」と言う、もはや悪ふざけなワンマンショー。もう芝居も上手いんだかフザけてるんだか分かりません。それ所かストーリーも、複雑な話なのか分かりにくいだけなんだかも分からないくらい、あって無いよーなモノ。
未亡人が変死した旦那の死の真相を探る為、愛人との浮気用に隠れて使っていたという別荘へやって来る所から始まるのですが、ドアを開けると既にそこには、せむしの西村晃が!!
しかも、下からライトを当てたお化け風照明!
「キャー!!」
「お待ちしておりました、奥様。どーぞコチラへ」
という、お約束のパターンで中へ招き入れて、未亡人が振り返ると居ない!
「あれ?!」
突如、屋敷の上の階から西村せむし晃の高笑い「ケッケケケケケ!!」
だから、何なんだよ! 怖がらせたいのか、笑わせたいのか?!
未亡人を襲うカラス(部屋の中なのに)。
グチャッ!!
カラスを鷲掴みにしてる西村せむし晃!
怖い!!(けど笑いそう。)
クライマックスには、看護婦の服を破り脱がし、ポッチャリ美人な未亡人の服を破り脱がすという破天荒すぎるキテレツ・シーンが待ってます!
なんで、そんな事をしたのか設定的には意味が分かりませんが、何か、あの顔で迫ってくると怖いです!
終始、こんな感じで、全然、話が頭に入ってこなかったですよ。 まぁ、そーゆー予想以上に中身の無い映画なんです。
西洋館、ロウソク、カラス、十字架、地下の独房、入り口入ってすぐドーンと置いてある巨大な雪男風な怪物の彫刻……とヨーロピアンなアイテム&モチーフを大量投入。「怪談」というよりは「ゴシック・ホラー」な作風で、ハマー・フィルムとかロジャー・コーマン的な楽しみ方です。


『怪談 せむし男』
★★☆☆☆
星2つ