ユンギボの映画日記

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2017.05.06 『フリー・ファイヤー』

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2017.05.06

フリー・ファイヤー』を観賞して来ました。

 これは久々に頭の悪い映画でした! 全編銃撃戦! だけど密室劇! 訳わかんないですよね?

 1978年のボストンを舞台。チンピラ系ギャングと武器商人の組織が廃工場でライフルのお取引。そーなんです。この映画、全編、この廃工場から誰も出ません。映画が終わるまで出れません。回想シーンもありません。どーです? 潔いでしょ?

 で、もの凄いピリピリしてんですよ。大体、危ないお取引はピリピリしますよね? そもそも危ないんだから。でも、本作は最初っから、すぐ揉めそうになるんですよ。やれ「なんだ、お前のそのダサい服は?」ですよ。挨拶代わりですよ。「揉めるかな?」と思わせて、ギリギリで落ち着いたタイミングで次の火種が……。挙げ句、「M16を頼んだのに、これはAR70じゃねーか?!」ですよ。性能も弾も同じなんだから、どっちだっていーじゃん!! すぐ怒鳴り合い。

 「そこでか!!」という理由で全員強制参加の銃撃戦へ発展!! ブラジル帰還兵やブラックパンサー党員やらキャラの濃いメンツがひたすら銃撃戦!!

バカたちが子供のケンカのように撃ち合います。バカバカしいけど、バカしかいないから次の展開が読めない!!

ユーモラスな中で、最後まで誰が生き残るのか解らないサスペンス要素も追加。

 この映画、『ハイ・ランド』を撮ったベン・ウィートリー監督なんです。とても同じ人の作品とは思えませんね。インタビューで本作を作るキッカケは80年代にマイアミで起きた事件のCIAの報告書。そこには約40分間の銃撃戦の記載を見つけたそーな。

「ハリウッドで作られるアクション映画が、いかにリアリティーがないかってことを知ったんだ。40分も銃撃戦をやってれば弾が当たらないこともあるし、ミスって仲間を撃つこともある。」との事。

 確かにそんな映画でした。中味が銃撃戦しかない。ベン・ウィートリー監督の目指したのは『仁義なき戦い』のアクション・シーンらしいです。深作欣二、スゲー。

フリー・ファイヤー

★★☆☆☆

星2つ