ユンギボの映画日記

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4/15『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』

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ヴァレリアン 千の惑星の救世主』を観賞。

今まで『レオン』や『フイフィス・エレメント』などジャンル無双なフィルモグラフィを作ってきたリュック・ベッソン監督の中二病爆発SF大作。
銀河パトロールの連邦捜査官である主人公=ヴァレリアンが悪党の謎な取引を追うミッションが中心。ではあるんですが、相棒であるヒロインとのラブ・ロマンスも描かれるワガママ仕様。
とにかく、主人公のキャラが良いんです。プライドが高く、ごう慢なプレイボーイ。捜査の最中もヒロインを口説き続けるも、なかなか相手にされない。ヒロインの前だと強がる。銀河規模のミッショッン中でも緊張感のないノーテンキなノリ。どこか既視感があるなと思ったら、『007 ムーンレイカー』のクオリティ高い版ですわ!
と言うのも、スゴ腕という設定で、確かに仕事っぷりはキレッキレなんですが、やたらと寄り道する展開が多いんです。所々、ストーリーと直接、関係ないシーンが出てくるんです。
冒頭から、美しい惑星で暮らす宇宙民族の平和な日常を描いてるんですが、やたら長い! そんな細かく描く必要ある?って程、長いんです。でも、それが晴れ渡った海を背景に、他の映画では観たことないオジリナリティ溢れる宇宙民族の風土を美しいパステル調の映像で描いてるんです。それを言葉なしで描き切る。まるで、アート系ショート・フィルムを観てるような。それがベッソン監督流なんです!
歌手のリアーナが演じる宇宙人のショータイムのシーンも、次々と衣装チェンジ。これまた長いんですが、まるでライヴ・パフォーマンスかPVのような仕上がり。それがクセになりそうな痛快さ。チョイチョイそーゆーシーンが出てくるんです。ミッショッンそっちのけで、ヒロインを追い掛けたり。もう圧倒的なヴィジュアルで蛇足シーンを面白く見せる熟練の技ですよ!

本作、ベッソン監督の会社であるヨーロッパ・コープって会社で作ってるんですよ。要は、やりたい放題なんです。ルーカスがルーカス・フィルムで『スター・ウォーズ』作ったノリです。「意味は無いけど、面白いだろ?! 何か文句あっか?!」っていうジャイアンイズムの中で作られてるんですわ!
オープニングの現代の地球が他の惑星の宇宙人たちと連合を築くまでのプロローグ・シーンにデヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」を使うオジさんセンスにグッときてしまいます。

パンフには、本作の細かいバークボーンや構想20年のあゆみ、スゴ過ぎるヴィジュアルの製作秘話など、やり過ぎな裏側は読み応え抜群でした。


ヴァレリアン 千の惑星の救世主
★★★★☆
星4つ