ユンギボの映画日記

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4/21『レディ・プレイヤー1』

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『レディ・プレイヤー1』を観賞。

本作は巨匠スティーヴン・スピールバーグのやりたい放題が暴走した一本! 果たして、映画好き以外、楽しめるのか?疑問な作品でもありました。
2045年の未来世界。エネルギー危機、地球温暖化、飢餓、病気の蔓延……とバード過ぎる現実。人々はゲームの世界へ現実逃避。なんで、舞台は仮想現実の世界であるVR(バーチャルリアリティ)ワールド。妄想を自由に具現化できる夢の世界なんです! 自分の姿をお好みにカスタマイズ! 好きな映画やアニメ、ゲームのキャラに変身できるんです!

そんな自由のブレーキが壊れた設定がゆえ、冒頭のカーレース・シーンから主人公は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムマシン・カー=デロリアンに乗ってたり、 競争相手は『AKIRA』の金田バイクだし、『マッドマックス』のインターセプターまで走ってるんです! しかも、コースを妨害してくるのは、キングコングや『ジュラシック・パーク』のティラノサウルス!! その他、通行人たちもよく見るとバットマンジョーカー、キティちゃんに、『エルム街の悪夢』のフレディなどなど。挙げ句、ガンダムメカゴジラ、『シャイニング』の世界を完全再現……と、巨匠の常気を逸したワガママが炸裂。全シーンに、様々な映画やゲームのキャラが追えないスピードでゲスト出演。「ソフトになったら、また買ってね」とスピバのドヤ顔が見え隠れ。そりゃあ、スピバがやるって言ってんだから、止められる人間はいないですよね。

物語の冒頭、VRの創設者が死亡。VR世界内に隠された3つの謎を説いた者に全財産56兆円&オアシスの後継者の権利をプレゼントという太っ腹な遺言を残した事により、争奪戦勃発。スーパーオタクな主人公はVRゲームの中でゲーム内の仲間たちと協力。3つの謎解きミッションにチャレンジ。その中で、金にモノを言わせる大企業の妨害を受け、VRの世界でも、現実の世界でも追われるというスピバらしいサスペンスの追加オプションにヒヤヒヤしてしまいます。まさに、テーマパークのアトラクションのような観てる間は楽しいけど、何も残らない作品に仕上がってます!!

本作には『ゲーム・ウォーズ』という原作小説があります。小説版では、80年代カルチャーを浴びるように育った原作者による、さらに酷いレベルでのオタクなオマージュ作品が続々登場との事。なんで、まだマシな方なのかもしれませんが、それにしても映画好き以外を置き去りにしてる感があります。
スピバ曰く、
「僕が初めて脚本を読んだとき、『オッケー。これは馬鹿げている。彼は僕のことを、僕が1980年代に手掛けたものを、10ページごとに登場させている』と思った。『他の誰かが監督をやる必要がある』と言ったんだ。でも、もし誰か他の人がこの映画を作って、僕の作品を入れすぎたら、僕は恥ずかしく思うだろう。それで、『やっぱり僕が監督するべきだ。そうすれば僕の作品をそんなに入れないで済む』と思ったんだ。」
との事。
まぁ、一応、「ゲームの世界で現実逃避してないで、現実の世界でちゃんと生きろ!」というテーマがあるんですが、スピルバーグ、お前が言うな!!

パンフレットは、イントロダクション他、ギンティ小林さんによるオマージュ作品の解説が楽しい一冊になっていました!


『レディ・プレイヤー1』
★★☆☆☆
星2つ