ユンギボの映画日記

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デ・ニーロ×スコセッシのコラボ作映画『アイリッシュマン』ネタバレなしレビュー

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映画『アイリッシュマン』
映画『アイリッシュマン』を都内の公開劇場・シネリーブル池袋と迷って、吉祥寺アップリンクで観賞。レビュー記事を書いていきます。本作は、『タクシードライバーレイジング・ブル』など、数々の実話ギャングの名作を生み出してきた巨匠マーティン・スコセッシ&名優ロバート・デ・ニーロの名作製造コンビによる久々のコラボ作品なんです。なんと『カジノ』以来、22年振り9度目のタッグ作品になります。しかもこのコンビ、過去にマフィアの歴史を丹念かつスピーディーに描いた『グッドフェローズ』。マフィアのカジノ・ビジネス誕生秘話『カジノ』などを作ってきました。今回は、第二次世界大戦後のアメリカ裏社会を殺し屋の目線で描いたアメリカ近代史になっております。ポスターだけでもテンション上がりますが、これは期待値上がる一方。やっと日本公開です。早くもツイッターや5chの口コミ情報も増えてますね!!
 

ストーリー・あらすじ・内容(ネタバレなし)

主人公は、トラック運転手の フランク・ アイリッシュマン ・シーラン。現在では、おじいちゃんになっているフランクが老人ホームで、過去を回想する構成で物語スタート。
まだトラック運転手になりたての頃、マフィアのオッさんと知り合い、闇運搬職へ華麗に転職。そんな事をやっている内に、全米トラック運転組合(チームスター)の委員長であるジミー・ホッファと知り合います。ホッファは、アメリカ全土の運送業を取り仕切る"大統領の次に権力のある男"と言われる超大物。
初日から、倉庫のタクシーを爆破しまくって、その大胆かつ冷静な仕事っぷりを気に入ったホッファさん。そこから、ボディーガード兼ヒットマンに昇格。いつからか、闇仕事のなんでも屋へ。右腕的なポジションで、ホッファと癒着のあるブファリーノ・ファミリーの下請け犯罪行為をこなしていきます。それはもう殺し、暴行、放火……と、ありとあらゆる事を。
所が、時代はケネディ政権。ジョン・F・ケネディと弟で司法長官のロバート・ケネディが、ホッファの組合の巨額年金の行方や裏社会との繋がりを調査してきます。追い詰められつつも暴走気味のホッファ。勿論、フランクも巻き込まれていく事に。

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映画『アイリッシュマン』

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概要

原作
本作は、1999年にフランクが告白した暴露本が原作(フランクは2003年に死去。原作本は2004年に出版)。その中で衝撃的だったのが、「ホッファを殺したのはオレだ」宣言。それまで、1974年に失踪し、行方不明扱いになっていたホッファ。最晩年のフランクが回想という形を取りながら、ホッファ暗殺の真実や労働運動とマフィアの結びつき、裏社会に生きた者の悲哀を語った内容になっています。ちなみに、原作は早川書房から発売中です。
アイリッシュマン(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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製作費・公開劇場
本作の製作はNetflixとトライベッカ・フィルムズという主演のロバート・デ・ニーロの映画製作会社。配給はNetflix。なもんで、本作はNetflixで2019年11月27日から配信予定。アメリカでは、ニューヨーク映画祭でも上映され、アカデミー賞の呼び声も。もし本当に受賞したら、昨年の『ローマ』に続くネトフリ作品の受賞になります。

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映画『アイリッシュマン』
日本では、第32回東京国際映画祭のクロージング作品としても上映。配信に先立つ11月15日から、関東だと渋谷や横浜、関西ですと、大阪や京都、他県ですと、札幌、名古屋、福岡、一部イオンシネマやTOHOシネマズなどの公開館にて劇場公開。 
制作費は1億5,900万ドル。日本円にして約172億4千800万円です。ネットフリックス様、大盤振る舞いですね!! 
 

キャスト・スタッフ

フランク・“アイリッシュマン”・シーランを演じるのは、ロバート・デ・ニーロ。30代からのフランクを若返りメイクで、80代は年寄りメイクで演じており、デニーロ・アプローチは健在。
アメリカの大物=ジミー・ホッファ役にはアル・パチーノ流石は名優。カリスマ性たっぷりに熱演!!
デ・ニーロとパチーノの共演作は過去に3本。若い頃の二人の演技力を堪能できるものの共演シーンの無かった『ゴッドファーザー PARTⅡ』。中年期に入って脂ぎった演技合戦が凄すぎる『ヒート』。初老に入って過去になくガッツリ共演したサスペンス『ボーダー』。本作は、4本目の共演作品になります。

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映画『アイリッシュマン』
また、伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノ役はジョー・ペシ。『ホーム・アローンの泥棒役などコミカルな演技にも定評ありますが、おじさん世代には、スコセッシ監督作にしてデ・ニーロ共演の『グッドフェローズ』や『カジノ』。本作では久々のデ・ニーロとのツーショットにテンション上がります。もうハリウッドのレジェンド級俳優が豪華共演なんです。

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映画『アイリッシュマン』

脚本は『シンドラーのリスト』『ギャング・オブ・ニューヨークのスティーブン・ザイリアン。
音楽はカナダのロックバンド"ザ・バンド"の元メンバーのロビー・ロバートソン。スコセッシ監督の『レイジング・ブル』でも音楽を担当。本作では、繰り返し使われるヴァイオリンの不穏なテーマ曲が印象的です。
 

評価・感想・考察

年寄りデ・ニーロのナレーションを全編に挿入。車が前を横切り過去の回想へのジャンプ・カット。当時のヒットチャートと共にアメリカ近代の裏歴史が語られていきます。ただ、テンポが悪いです。とても『グッドフェローズを作った人とは思えません!! 意味不明です!! 特に前半は退屈です。
ただ、ホッファ絶頂期の前半から、どんどんやり過ぎて追い込まれていく中盤、主人公の心情に寄り添いホッファ殺しまでを描いていく後半と見応えはあります。
冷静沈着な主人公のプロフェッショナルっぷりは『カジノ』のデ・ニーロを思い出させます。そして、何よりデ・ニーロとパチーノの共演が夢のよう。特に2人が乗った車をフロントガラス越しに撮ったカットにはテンション上がりました。
あと新鮮と言えば、登場するなり、キャラクターの名前と死に方をテロップで説明するのが面白かったです。

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映画『アイリッシュマン』

シリアスなシーンの続く本作ですが、ユーモラスなシーンも多数あり。中でも、「イタ公」とバカにして遺恨の残るマフィアが会談に遅刻してくるシーンのケンカがとにかく笑えます。「お前、イタ公って言ったろ?!」「そんな事より遅刻してきた事を謝罪しろ!!」ってヤリトリを結構、長めに構成しています。
パンフレットは販売なし。そもそもパンフの製作自体がないみたいです。上映劇場や前売りチケットは、公式Twitterなどでチェック!!
吹き替えファンのボクとしては、デ・ニーロは津嘉山正種さん、パチーノは山路和弘さん、ジョー・ペシは多田野曜平さんにお願いしたいですね。果たして、ネトフリに吹き替え版、配信になるのか気になって仕方ないです。
 
【公開日】 2019年11月15日
アメリカタイトル】 The Irishman(ジアイリッヒュマン)
【年齢制限】 PG12
【上映時間】 209分
【配信日】2019年11月27日

 

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