演劇コムレイドプロデュース公演「神の子」を観劇。
大森南朋、田中哲司、でんでん等、映画界で活躍する演技派キャストが舞台で集結。さらに、ヒロインには、長澤まさみ。江口のりこ、石橋静河とまさに、シネフィル系映画を生で観てしまったような衝撃！！ どのキャストも一流とあって、舞台と映画の間のような独特な世界観を構築。
本作の演出を担当するのは、近年、映画『その夜の侍』や『葛城事件』など、映画監督としても活躍する、劇作家で演出家、役者でもある赤堀雅秋。本作「神の子」は、赤堀による作・演出作品なんです。そもそも、本公演のキッカケは、田中哲司が光石研と「舞台をやりたい、誰と何をやったら面白いか」という居酒屋トークからスタート。結果的には、かねてから親交のあった田中、大森、赤堀が集結。"真摯に物作りをできる場所を求めて演劇ユニット"を結成。2016年２月には、光石が主演、麻生久美子など豪華な顔合せが揃った舞台「同じ夢」を上演。その後、今回の公演為、田中哲司、大森南朋、赤堀雅秋が４年振りに再集合。さらに、「ダメだろうな」と思って送ったというオファーに答えた長澤まさみが参加。それが、今回の「神の子」の上演なんです。
【ストーリー・あらすじ（ネタバレなし）】
物語は、冬の工事現場からスタート。警備員として働く池田（大森南朋）、五十嵐（田中哲司）、土井（でんでん）の３人。この３人、同じスナックへ通い、休日は揃ってパチンコへ行く仲。境遇が似ているせいか、いい年こいて、ちょっと気持ち悪いくらい仲がいいんです。３人共、独身。借金まみれで貧乏。
つまり、"どん詰まりオッサン"たちなんです！！そんなある日、池田は、若くて美人な田畑（長澤まさみ）が参加する街頭でのゴミ拾いボランティアに参加。秒で田畑に好意を持つ池田。池田の変化を感じ取った五十嵐。オッサンたちの日常が予想外の展開を見せていきます！！
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【評価・感想・考察】
警備員に突っ掛かってくる酔っぱらい。休憩中にカップラーメンを食べながら、パチンコ屋の新装開店トークを長々と口論。行きつけスナックのママへ過剰に言い寄りストーカー扱い。公園で寂しさ紛れの独り言を聞かれてしまう。タバコのポイ捨てサラリーマンとの言い合い。登場人物たちのやりきれない日常の連続。虚無感の中、シュールなショートコントのようなユーモアが蓄積。一見、オムニバスのようなシーンの数々。その中で徐々に各登場人物たちの背景が判明。それは、みんなの抱える挫折や孤独、寂しさ。それら全てが表舞台へ出た時に、本作のタイトルである「神の子」の意味も明らかになる仕掛けに驚愕！！抽象的なセットは回転。公園や３人の行き付けのスナックへ変身。暗転時に流れる意外な選曲の歌謡曲がシュールに拍車をかけます。どの登場人物も近所にいたら面倒臭いタイプ。総じて人付き合いの苦手な登場人物たち。不器用な人々を舞台下から観察しつつ、哀愁と好感を感じさせる応援歌な作劇。
出演は大森南朋、田中哲司、赤堀雅秋に加え、ヒロインに長澤まさみ。更に、でんでん、江口のりこ、石橋静河、永岡佑、川畑和雄、飯田あさとと、映画界＆演劇界で活躍するメンツが揃い踏み。東京公演を皮切りに、地方６か所で上演予定です。
作・演出：赤堀雅秋出演：大森南朋 長澤まさみ でんでん 江口のりこ 石橋静河 ／
永岡佑 川畑和雄 飯田あさと ／
赤堀雅秋・田中哲司
公演情報
【東京】
2019年12月15日(日)～30日(月)会場 本多劇場発売日
2019年10月12日(土)料金 8,500円 ／ U-25席 4,000円お問合せ
プラグマックス＆エンタテイメント03-6276-8443(平日11時～17時)
【名古屋】
2020年1月7日(火)～9日(木)会場 ウインクあいち
【福岡】
2020年1月13日(月・祝)会場 福岡国際会議場
【広島】
2020年1月16日(木)会場 JMSアステールプラザ 大ホール
【大阪】
2020年1月18日(土)・19日(日)会場 サンケイホールブリーゼ
【長野】
2020年1月23日(木)会場 サントミューゼ
【静岡】
2020年1月25日(土)・26日(日)会場 浜松市浜北文化センター
