ユンギボの映画日記

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となりのオバケ映画『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のネタバレなしレビュー

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本気かギャグか分からないポスター

今、ネット界隈で話題になっている映画を紹介。それが、公開中の映画 『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』。本作がなぜ話題になっているのか?しかも、本来ならホラーが苦手なはずの女性にファンが多い様子。そうなんです。『ア・ゴースト・ストーリー』と言うタイトルの割りには、ホラーが苦手な女性にも本作なら大丈夫なんです!! すぐに映画デートへ誘って下さい!!

あらすじ・ストーリー・感想・評価

古めかしいながらも趣のある一軒家に住んでいる夫婦の静かな生活。

……と思ってたら、いきなり事故現場!!物語も始まって早々に、突然、夫が交通事故で死んでしまうんです!! 安置所で遺体に被せてあるシーツが起き上がるんです。見ると、シーツを被って、目の所だけ穴が空いてるんです。幽霊になったんですよ!! 貞子スタイルかゾンビ顔スタイルが幽霊のオーソドックスになった昨今、シーツを被った幽霊(というかオバケって感じ)は逆に新鮮!! で、オバケになった夫はトコトコ歩いて家へ帰るんです。勿論、奥さんには見えません。

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興ざめする渋谷のハロウィン・コスプレよりシュールな一場面

ただ、様子を見てるだけ。奥さんは夫の突然の死にノイローゼ状態。でも夫のオバケはただ見てるだけ。何もしてあげられないんですよ!! 死んじゃってるから!!もう見てるだけで切ない!! 本作は、まさかのオバケが主人公の映画なんです!! この後は、オバケの目線で物語が進んでいきます!!

窓から隣の家を見ると、同じようなシーツ被ったオバケがいるんですよ。

夫のオバケは、彼に「何してるの?」と聞くと「待ってる。でも何を待ってるか忘れちゃった」っ返すんですよ。恐らく、隣の家のオバケは誰か大事な人が帰って来ると思い込んで待ってる間に途方もない時間が経過してしまったんですね。これから主人公が経験する事態を示唆しています。しかし、2人のオバケのヤリトリはとにかくユーモラス!!

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ほぼヤラセの心霊写真のよう

そのうち、奥さんが知らない男と帰って来るようになって、挙げ句、家を引っ越して行っちゃうんです。でも、夫のオバケはこの家に居続けるんです。その後、不動産屋が新しい入居者を案内してきます。ヒスパニック系の家族が入居。さらに時間が経ち、若者たちが入居。そんな感じで次々と新しい入居者がやって来ます。夫のオバケは基本、見てるだけなんですが、気になるのは妻の残したメモ。何が書かれているか解らないこのメモ。妻が引っ越す際に、壁にできた隙間に入れていったんです。夫のオバケは何とか取り出したいんですけど、上からペンキで塗り固めてあるから、なかなか出せない。

さらに、時間が経って、もうSFな時代になっていくんです。

挙げ句、時間を旅するという、こちらの歩み寄りが必要な壮大な展開になっていきます。果たして、夫のオバケは未来の世界で何を見るのか?!そして、妻の残したメモには何の意味があったのか?! 作品内では、どのくらい時間が経ったか明確に説明はないんですけど、何十年も時間が経過してるんです。淡々と、でもテンポ良く。だから、ついつい観ちゃうんです!! お気づきでしょうか? そうなんです!! 全然、ホラー映画じゃないんです!! もう切ないファンタジーなんですよ!!

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大ヒット中!『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』日本版予告

スタッフ・キャスト

メガホンを取ったのは、39歳のアメリカ人監督のデヴィッド・ロウリー。 このロウリー監督、監督作品はまだ多くないものの、なかなかキレ者。ディズニー製作&配給のドラゴンと少年の友情を描いた映画『ピートと秘密の友達』から、1970年代の強盗カップルのクライム・アクション映画『セインツ -約束の果て-』まで撮ってしまう職人監督。さらに、その評価も高く、2013年の『セインツ』ではカンヌ国際映画祭の批評家週間部門にて特別上映されてるんです。

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幽霊だから未来にも行けちゃう

本作の夫婦役には『セインツ』でもタッグを組んだオスカー俳優のケイシー・アフレックカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したルーニー・マーラ。このとき、意気投合して、3~4年に1本ペースで作品作りを約束したとの事。ちなみに本作も、シッチェス カタロニア国際映画祭で撮影賞を受賞。サンダンス映画祭では観客賞にノミネート。アフレックはほぼ全編シーツを被りっぱなし。マーラはパイを4分間、勢いよく食べ続ける1カット長回しシーンにチャレンジ。さすがの演技力です!!

星)★★★★☆5つ星

映画 『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』

スタッフ・キャスト

監督:デビッド・ロウリー
製作:トビー・ハルブルックス ジェームズ・M・ジョンストン アダム・ドナギー
製作総指揮:デビッド・マドックス
脚本:デビッド・ロウリー
撮影:アンドリュー・D・パレルモ
美術:ジェイド・ヒーリー トム・ウォーカー
衣装:アンネル・ブローダー
編集:デビッド・ロウリー
音楽:ダニエル・ハート

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「お母さん、ヘンな人が家に入って来たよぉ~」
キャスト・出演

ケイシー・アフレック
ルーニー・マーラ