ユンギボの映画日記

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ゾンビより恐ろしいのは人間という答えホラー『死霊のえじき』(#27)

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Makuakeでのクラウドファンディングにて《配役交換》版の日本語吹替えは観賞していたのですが、今回、やっとソフト版の吹き替え版で再観賞。

世界中にゾンビが満ち溢れた世界。生き残った数少ない人間たち。地下のシェルターで細々と生活している軍人や科学者、技術者。

本作の魅力は、この閉じられた世界での、濃いキャラたちの人間ドラマ。

どーしよーもない程、下品な軍人たち。ゾンビを解剖して楽しんでいるイカれた科学者。自己中で気分屋な大尉。閉鎖空間でどんどん状況は悪化。

博士は、ゾンビを飼い慣らす研究をしています。その研究室で飼われているゾンビのバブ。どんどん学習していくバブ。博士に怒鳴られてションボリするバブ。ゾンビのバブが一番、まともに見えてくる不思議。意図的にそーゆー演出をしてるんです。

中盤はゾンビそっちのけで、ひたすら追い詰められた人間たちのドラマなんです!!

クライマックスは、追い詰められた兵士がテンパりを発揮!! 捕まえた研究用ゾンビを逃してしまいます。そのゾンビが他の兵士に噛みつきます。もうシェルター内はパニック!!

自らの体をエサにシェルター内へ大量のゾンビたちを呼び込む“ゾンビ・テロ”は圧巻!! 効果的な物量作戦が効果的!!

今回、ポニーキャニオンから販売されたBlu-rayにて、初めて吹き替え版が作られました。主人公のロリー・カーディルを本田貴子さん。イカれ博士を演じたリチャード・リバティ役を大塚芳忠さん。イカれ大尉を演じたジョセフ・ピラトー役を山路和弘さん。無線技師を演じるジャーラス・コンロイ役を千葉繁さん。もう安定の豪華メンツでした。
ワンシチュエーションな本作。豪華声優陣による演劇を観ているような楽しみ方も出来て満足!!

本作は、ゾンビの産みの親=ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ三部作の3作目。ゾンビなるニュー・モンスターのデビュー作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』。その続編で、ゾンビで消費社会を表現し、ショッピング・モールに逃げおおせた人々を描く『ゾンビ』。その流れで作られたのが本作。継続性は無いものの、初めて観た時は、3作目で「こう来たか!!」と唸らされました。

世間的にもゾンビファン的にも、あまり1位に上げる人は聞かないですけど、ロメロ監督のゾンビ映画では一番好きな作品です。ちなみに、2位は『ランド・オブ・ザ・デッド』なんですけど、こちらもあまりベストに上げる人と出会えないですねぇ。

星5つ
★★★★★
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