ユンギボの映画日記

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第二次大戦で原爆を運んだ米軍の船の実録映画『パシフィック・ウォー』(#42)

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広島、長崎へ落とされた原爆を運んだ“インディアナポリスの悲劇”を描いた実録戦争映画。

第二次世界大戦の末期。巡洋艦インディアナポリスに極秘任務が下ります。それは、日本軍の潜水艦がウヨウヨいる海域を抜けて、謎の積み荷を届ける特別ミッション。
人命を引き換えに敵機を追い掛けてくる日本軍のリーサルウェポン=回天。そんな回天の攻撃により、沈没させられたインディアナポリス。冬の海に放り出された乗組員。限りある食料や救命ボートを巡って争うサバイバル。そこへ集まってくる大漁のサメ。息絶えていく生き残った乗組員たち。近くで監視を続ける日本軍の潜水艦。果たして、彼らは生きてアメリカへ戻れるのだろうか。。。。

監督を務めるのは、『ニュー・ジャック・シティ』や『黒豹のバラード』、『パンサー 黒豹の銃弾』など国人のアイデンティティ映画を量産してきたマリオ・ヴァン・ピープルズ。今回は、雇われ監督に徹しているのかと思いきや、乗組員間の黒人と白人の対立を追加。ピリリッと効いた隠し味に。

冒頭は、陸ではしゃぐ乗組員たちの群像劇。彼らのバックボーンを紹介し、ミッション参加へ。状況が絶望的になればなる程、グッとくるポイントは急上昇。
沈みゆく船から命からがら脱出した乗組員たち。一息つく暇もなく襲ってくるサメの群れ。テンポの良い演出に緊張感はマックス。ハラドキ全開で心臓に激ワル!!

話はそこで終わりません。帰国後の責任軍事裁判まで見せ切る圧倒的ボリューム。そこで登場するかつての敵であった日本軍兵士との見えない絆にグッときてしまいました。

オレたちの心の映画『ジョーズ』。その劇中にて、お互いの体に残る傷を見せ合う一番、アットホームなシーン。サメ取り名人役のロバート・ショウが語る“インディアナポリスの悲劇”がまさに本作の出来事。本作を観た後に、『ジョーズ』を観直すとサメへの敵対心がダイレクトに伝わること請合いです!!


星4つ
★★★★☆