ユンギボの映画日記

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時空を超えたロマンス映画『ある日どこかで』(#50)

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ある日どこかで

今回、『ある日どこかで』がBSテレ東にて新録吹き替え版で放送されると知り、喜び勇んで録画観賞。

本作は、劇作家の男が、老舗ホテルで1910年代に活躍した女優の写真に一目惚れ。過去へとタイムスリップし、その女優への思いを語るロマンティック・ラブ・ストーリー
この「過去へ」というクダリ(と設定)が、ハチャメチャではあるのですが、それをロマンスと映像美で黙らせる所が魅力的。

また、まだ学生時代の主人公の元に謎の老婆が時計を渡す冒頭。この老婆のお陰で「あれは誰だったんだ?」という些細なミステリー要素も追加。
あまり細かく考えず(または突っ込まず)、過去へ。ここら辺の展開を飲み込めるかで、観た方の評価が分かれると思います。

カルチャーショックでユーモラスな時代を面白可笑しく描写。やっと出会えた、まだ若い女優。積極的にアタックするも、彼女に付きまとうマネージャーの影。物事はなかなか上手く進みません。

本作を語る際に上げられる、もう一点の要素が映像美。とりわけ、現在のシーンと過去のシーンは違うメーカーのフィルムで使い分ける手の混みよう。過去のシーンの映像は淡い画作りになっており、アンティークな風合いです。それがよりロマンティックを盛り上げます。

さて、今回の新録吹き替え版についてです。主人公を演じるクリストファー・リーヴをフィックス声優の ささきいさお さん。「スーパーマン」シリーズのリーヴも ささきさんが担当。往年のファンからは、しっくりしまくりの安定キャスティング。そうでなくとも、力強く、すーっと通る声は愚直な主人公とマッチ。好感度も高く、主人公への感情移入を助けます。さらに、昔と変わりない声にはビックリしました。

また、女優のマネージャーをクリストファー・プラマーが演じています。今回はベテランの羽佐間道夫さんが担当。女優を守る役ところと羽佐間さんの重厚な声で鉄壁ガード増々。

ランボー」シリーズでシルベスター・スタローンを演じる ささきさんと「ランボー」シリーズでスタローンを演じる羽佐間さん。二人のヤリトリは、Wスタローン、夢の共演という感じで、映画ファン的にはウキウキしてしまいます。

女優役の甲斐田裕子さんの芯の強さや、ホテルの従業員の茶風林さんのお茶目さなど、本作の魅力をアップロードさせてくれてます。

作品的には、ラストの展開や伏線回収が唐突な印象。ストーリーよりも作風の魅力重視と考えれば、まぁまぁの納得。


星3つ
★★★☆☆

【関連動画】

ある日どこかで Somewhere in Time テーマ曲と名場面


1980年製作
SOMEWHERE IN TIME
製作国:アメリカ上映時間:103分
監督
ジュノー・シュウォーク
脚本
リチャード・マシスン
出演者
クリストファー・リーヴジェーン・シーモアテレサ・ライトスーザン・フレンチクリストファー・プラマービル・エルウィンジョージ・ヴォスコヴェックジョン・アルヴィンエドラ・ゲイルオードリー・ベネット