ジョン・トラボルタがテロリスト役を好演『ソード・フィッシュ』(#58)
公開当時は久々のジョン・トラボルタ出演に、スタイリッシュな映像で話題に上がった本作。今では、語る人も少ない忘れられた作品でもあります。
天才ハッカーながら、仮出所中の主人公。離婚した奥さんとたまに会える娘。真っ当に生きようとするも貧乏生活。
そこへ現れた謎のテロリスト。ヤバい計画を打診され、金の為、娘の為と引き受ける事に。
同時進行で描かれるFBI捜査官たち。そこから誰を信じて良いのか解らないサスペンス。派手なカーアクション。そんな、ザ・エンターテイメントという作風。
冒頭、テロリスト役のジョン・トラボルタとFBI捜査官役のドン・チードルの会話シーンからスタート。優雅なコーヒータイムだったのが、実は人質を取っての立て籠もり中と発覚。このオープニングだけで、グッと引き込まれます。
被写体をグルッと囲む600台のカメラを同時に撮影する事で、360度回転しているようなバレットタイム撮影。それを爆破シーンで使用。圧巻の映像表現にグッときたものでした。
同じ手法が『マトリックス』でも使用されており、とても話題になりました。本作の公開当時も『マトリックス』風の緑色の文字の羅列、ハッカーの活躍など、やたら類似点を上げて各雑誌に掲載されていました。
その後、バレットタイム撮影ブームみたいなのが一瞬あり、映画『ドリヴン』やPV、ゲームのオープニング映像などでやたら使われてました。
また、ジョン・トラボルタの映画『狼たちの午後』の主人公は正しいかor正しくないか論争や人間の思い込みに関する長台詞もクエンティン・タランティーノ映画と比較されてた記憶があります。
本作の話に戻ると、追い詰められた主人公をヘナチョコに演じるビュー・ジャックマン。FBI捜査官役のドン・チードル。
ハル・ベリーがアカデミー賞を受賞間もない公開だったのも話題になって、豪華キャスト共演という感じでした。
何もかも見透かしたようで、何を考えているのか解らないジョン・トラボルタ。信用していいのか解らないヒロインのハル・ベリー。なかなか全貌の見えてこない計画の概要。
あまりにも複雑なストーリー展開に、途中で興味を失ってしまいました。
今、観るとジャックマンとベリーの『X-MEN』コンビに『アイアンマン』のドン・チードルと夢の共演感がありますね。
星1つ
★☆☆☆☆