ユンギボの映画日記

ユンギボ(@yungibo)によるあらすじ紹介、ネタバレなしのレビュー、解説・考察をお届け‼

「スター・ウォーズ」シリーズの脚本家が監督した西部劇『シルバラード』(#61)

f:id:stanley-chaplin-gibo:20210220094538j:plain
1985年という、もう西部劇もあまり作られなくなった頃の西部劇。これが、まぁ、懐かしいくらいオーソドックスな西部劇映画でした。

西部でアウトローとしてしか生きていけない男たち。偶然の出会いによって知り合います。同じ価値観の4人は、共に人助けをし、また別の街へと別れていきます。
ある者は、酒場の用心棒となり、ある者は黒人であるが故、不当な扱いを受け、ある者は家族の為に闘うのです。
そんな4人は、ラスボスと闘う為、再度、共闘。再会を果たすのです。

行き場を無くした無法者、家族や恋人の為の復讐、早撃ちの名手、未亡人、昔のならず者が保安官になっている……などなど西部劇あるある満載。4人のキャラの群像劇にする事で、そのエッセンスを散りばめています。

監督は、トーレンス・カスダン。『スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』、『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還(復讐)』や『レイダース/失われたアーク』といったジョージ・ルーカス作品の脚本を書いた人です。本作も含め、何本かの作品では監督もしています。1992年の『わが街』ではベルリン映画祭で金獅子賞も受賞しています。余程、西部劇に思い入れがあると見えて、1994年にも『ワイアット・アープ』という西部劇を作っています。また、「スター・ウォーズ」シリーズにも西部劇の影響があるのは有名な話です。
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開になった際、西部劇風の物語に映画ファンたちが熱狂してました。実は、『ハン・ソロ』でも脚本に参加しているのです。
考えてみれば、カスダンさんが脚本を書き、ヒットした『ボディ・ガード』も現代版の西部劇という風に受け取れなくもないですね。

今回は、ザ・シネマにてフジテレビ(ゴールデン洋画劇場)の吹替え版にて観賞。くたびれた風合いのケヴィン・クライン菅生隆之さんが脱力かっこ良く演じています。スコット・グレンをクールに演じる大塚明夫さん。ダニー・グローヴァーをフィックスの麦人さんが安定提供。津嘉山正種さんのイメージがあるケビン・コスナーですが、今作の頃はまだ若く、西部劇の定番でもあるヤンチャな若い奴ポジションなんで、家中宏さんがナウに演じています。

映画自体は、唐突な銃撃戦から始まる冒頭も意表を着いてきます。4人の男たちのエピーソードを同時進行で見せる群像劇風。確かに、西部劇には珍しい構成なんですが、ちょっとかったるい。テンポが悪い印象。
西部劇好きにはたまらない一本だとは思います。


星3つ
★★★☆☆