ユンギボの映画日記

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“カメ止め”監督のオムニバスは全てが伏線のエンタメ映画『イソップの思うツボ』(#63)

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2018年に大ヒットした低予算映画『カメラを止めるな!』。通称『カメ止め』の上田慎一郎 監督によるオリジナル脚本を自らも含め3名の監督が担当。『カメ止め』で助監督を担当していた中泉裕矢 監督(「カメラを止めるな!スピンオフ『ハリウッド大作戦!』」監督)&スチールを担当していた浅沼直也 監督とのトリプル監督。一応、オムニバス形式作品。

“一応”と付けたのは、3本のエピソードが繋がっており、最終話で全ての伏線が回収されるという構成だからです。

第一話は、冴えない女子大生の日常。友達のいない大学生活。タレントの両親を持ち、自分もタレントとして活動するクラスメイトや、そんな主人公の日常を知らない母と関係が描かれます。

主人公の女子大生役を演じるのは、近年、ドラマやCM、MVで見かける機会の増えた石川瑠華さん。第2回未完成映画予告大賞でグランプリを獲得した『猿楽町で会いましょう』では、ヒロインを体当たりで熱演。独特のセンスが光る和製ホラーを世に放つ藤井秀剛 監督の『闇國』にも出演。
本作でも、何重にも伏線を巡らされた役どころを飄々と演じているのが印象的。

現役女子大生タレントとして活躍しつつ、キャンパスの中心的な存在のもう一人のヒロインを井桁弘恵さんが演じています。11代目ゼクシィガールや「ZIP!」アシスタントのタレント、モデル業から女優としても数々の作品に出演。嫌味なんだか、天然なんだかな幅のあるキャラを愛嬌で演じています。

第二話では、金を貰い、他人をボコッて脅す娘と父の親子が登場。ヤクザからの依頼で誘拐を持ち掛けられます。

チーマー親子の娘を演じるのは、女優以外にもモデルとして活躍する紅甘さん。見た目のインパクトやチン蹴りなど、ヤンキーねーちゃん。だけど、実は夢を持っているという役どころ。

そして、第三話では、それらのエピソードが集約され、全ての事実が明らかに!!

あまり話すとネタバレになるという『カメ止め』よろしくな伏線まみれの本作。クライマックスは、少々、やり過ぎというか、急なハンドル捌きに冷めてしまいましたが、軽いポップなノリで観れます。

実写版「エコエコアザラク」世代としては、佐伯日菜子さんの出演にキュンキュンしながらも、母親役というポジションに時間を感じてしまいました。


星3つ
★★★☆☆