ユンギボの映画日記

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デ・パルマ監督の日本未公開アート・ドキュメンタリー映画『ザ・レスポンシプ・アイ』(#74)

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前回の『ウォートンズ・ウェイク』(#73)に続き、『スカーフェイス』や『アンタッチャブル』のブライアン・デ・パルマ監督、初期の日本未公開映画の紹介です。本作も、『愛のメモリーBlu-rayの特典映像で観れるレア作品です。

本作は、ニューヨーク近代美術館で開催されたアート展覧会の様子を捉えた1966年のドキュメンタリー映画。原題は、『The Responsive Eye』。本作の中では「応答する眼」展と翻訳されています。

視覚や目の錯覚を利用したアート作品が多数、展示されています。
影の方向によって立体感の変わる円。幾重にも同じ方向へ並ぶ直線。幾何学模様によって構成された絵。見る人間の位置によって線が動いているように感じる平面などなど。
今で言うトリックアートのもっとシンプルな物でしょうか。

映像も凄くシンプルです。会場に展示された作品たち。会場での、キュレーターたちや観覧客たち、観覧に訪れた画家や彫刻家といったアーティストたち、研究者たちへのインタビュー。

また素材がストレートなだけに、編集がとても面白いです。インタビューが入り乱れた構成。アート作品のインサート。これらが興味を引きつつ、分かりやすいのです。一つ一つのアート作品もじっくり見せています。

その主役とも言えるアート作品は、色彩豊からしいのですが、モノクロなのでサッパリ解りませんでした。ただ、影によって、球体の立体感が変わる説明や作品の魅力など、多面的な見方が出来て、興味深かったです。

ラストのエンドクレジットでは、テロップ映像に、「面白かった」「つまらない」「意味不明」などの観客たちの賛否両論の意見を音声のみ流していく編集が新鮮でした。


星3つ
★★★☆☆
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