カリフォルニア州に実在するお化け屋敷がまさかの映画化『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』
『家』や『たたり』を始め、『ホーンテッドマンション』、『クリムゾン・ピーク』『アザーズ』『回転』『悪魔の住む家』などなど、世の中にあまたあるお化け屋敷ムービーの数々。そんな中、現在公開中のホラー映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』。本作の元ネタは、カリフォルニア州に現存する幽霊屋敷が舞台になっています。今では観光地として見学もできたり、映画の撮影のロケも行われています。「ゴーストハント」やテレビ番組「仰天ニュース」「アンビリーバボー」でも取り扱われ、図面なども紹介されていました。知っている方もいるかもしれません。とは言え、本作はドキュメンタリー映画ではありません。口コミで観客が増えているという本作。どのように映画にしているのでしょうか?
試写会へ行けなかったので、劇場で観て来たレビューになります。
実在の呪われた屋敷=ウィンチェスターハウスとは?
実在するウィンチェスター・ハウスの説明
そもそも「ウィンチェスター」とは銃のメーカーの名前。連射可能という当時の最新型で、ウィンチェスターライフルは殺傷力バツグン!! アメリカ南北戦争では活躍。多くの兵士の命を奪いました。
所がその後、創業者のウィンチェスターさんは病死。産まれて間もない娘までも、立て続けに亡くした持ち主のウィンチェスター夫人。これは何かヤバイと確信。霊媒師に相談。すると、「一族に起きた不幸は全てウィンチェスター銃で命を落とした亡霊たちの仕業。彼らを閉じ込める屋敷を拡大し続けよ!」とのハード過ぎるお告げを頂くんです。それを素直にしっかりと受け止めた夫人。巨額の財産をフル活用。ウィンチェスターハウスを建設したのです。内部の内装なども夫人によるデザイン。
増築を繰り返していくウィンチェスター・ハウス
夫人が生きてる頃から……。つまり38年間、24時間体制で増築を繰り返しました。1906年のサンフランシスコ大地震により一部倒壊。ちょっと小さくなったものの、最盛期には7階建て、500部屋、東京ドーム14個分に拡大。そんなけデカい上に、狂った間取りなんで、これがまた怖いんです。
「どこにも行き着かない階段」、「床に向かって開く窓」、「迷路のようなホール」、「隠し部屋」、「秘密の通路」、「天井に届く階段」などなど。無計画な増築を繰り返した結果、常人には理解できない摩訶不思議な構造に。迷子は必至。夫人は残りの生涯を喪服で過ごし、霊の供養に努めました。が、屋敷での幽霊の目撃談や怪現象は後を断たず……。
あらすじ・ストーリー(ネタバレなし)
どう考えても、どうかしている夫人ですが、そこが本作のキーとなります。
ウィンチェスター社の経営陣は夫人の精神不安定を理由に経営権を奪おうと計画。本作の主人公である精神科医の男へ精神鑑定を依頼。要は、主人公に「夫人は気がふれている」と診断書を出して欲しい訳です。そこで、半ばムリヤリ屋敷へ連れて来られる主人公。ただ、この主人公の精神科医にも問題が。奥さんを亡くした過去があり、現在は絶賛アヘン中毒。さらに、「幽霊なんて非化学的」とオカルトを全く信じていないお方。ゆえに、好奇心で「ダメ」と言われてる事を次々に実行!! 人としては、どうかしてるけど、ホラー映画の主人公としては合格な男だったんです。挙げ句、怪現象や幽霊が出ても「ヤバッ!! アヘンやり過ぎちゃった!!」と死亡フラグに気づかない始末。
こうして、ウィンチェスター夫人の精神鑑定ミッションに取り掛かりながら、うっかり様々な屋敷の秘密も見つけつつ、悪霊に殺されそうになる……というメチャクチャ忙しい最恐お化け屋敷ムービーが完成しました。一体、なぜ、怪現象が起きるのか?!
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評価・考察・感想
冒頭から、謎の屋敷へ強制訪問。信用度ゼロに近い夫人の登場。ミステリー要素満載で作品の世界観に引っ張られていきます。その上、アヘン中毒の主人公までも信用できないという人間不信設計。次から次へと起こる怪現象!! それらが怖がらせる仕掛けでありながら、謎のヒントを小出しにしている構成も上手いです!! 中盤は中だるみしている感があります。ここで集中力が切れたら、つまらない映画になってしまいそうですが、ラストは大スペクタルへ転じていくので、結末も含め、満足感は高めでした。怖い話も詰め込まれています。
監督・出演者
本作のメガホンを取ったのは、『ソウ』シリーズの新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』や『プリデスティネーション』を監督した双子のマイケル&ピーター・スピエリッグ監督。サスペンスフルなSFアクションを作ってきた兄弟が、アクションを封印。怪現象を緊迫感たっぷりに描いています。
キャストも芸達者が揃っています。主人公の精神科医エリック役に『ターミネーター:新起動 ジェニシス』や『エベレスト 3D』のジェイソン・クラーク。ウィンチェスター夫人を演じるのは、『クイーン』でアカデミー賞を受賞したヘレン・ミレン。怪しいけどマトモなのかイカれてるのか解らない絶妙な芝居で好演してます。謎の男:ベン役には『チェインド』のエイモン・ファーレン。
最後に
ちなみに本作、一部シーンでは本物のウィンチェスターハウスでロケ撮影。撮影中にも怪現象を幾人のスタッフが目撃。しかし、心霊スポットで心霊映画を撮るというのは、どんな気持ちなんでしょう?
特別暑いと言われる2018年の夏を本作で乗り切るのも逸興。6月29日より、上映劇場は東京だとTOHOシネマズシャンテ、ヒューマントラスト有楽町&日比谷、神奈川はブルク13、大阪ステーションシネマほか全国公開中となります。パンフレットやグッズも販売中。上映映画館や前売り券・ムビチケ、上映期間に関しては、公式ホームページか公式ツイッターをチェック!! 過去の幽霊屋敷ムービーのDVDをレンタルして観に行くのも良いかもしれませんね!!
概要
【監督】マイケル・スピエリッグ&ピーター・スピエリッグ
【出演】ヘレン・ミレン/ジェイソン・クラーク/セーラ・スヌーク
【提供】ポニーキャニオン/REGENTS 【配給】REGENTS/ポニーキャニオン
【宣伝】REGENTS 【字幕翻訳】栗原とみ子
2018/オーストラリア、アメリカ/英語/99 分スコープ/5.1ch/原題:Winchester/G
© 2018 Winchester Film Holdings Pty Ltd, Eclipse Pictures, Inc.,
Screen Australia and Screen Queensland Pty Ltd. All Rights Reserved.
おすすめお化け屋敷ムービー紹介
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