ユンギボの映画日記

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今では難しい豪華声優陣が勢揃い『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環 ~ラインの黄金~』(#51)

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ハーロック・サーガ ニーベルングの指環

銀河鉄道999」や「キャプテン・ハーロック」、「クイーン・エメラルダス」、「宇宙戦艦ヤマト」など、宇宙SFマンガを大量に描いてきた松本零士先生。驚くべき事に、そんな松本先生の各マンガ作品は世界観を共有してるんです。つまり、「キャプテン・ハーロック」に「クイーン・エメラルダス」のエメラルダスが出てきたり。「宇宙戦艦ヤマト」に「キャプテン・ハーロック」のハーロックが出てきたり。トチローというキャラは「銀河鉄道999」や「キャプテン・ハーロック」、「クイーン・エメラルダス」など、キャラが各作品を行き来したりするんです。
今だと「アベンジャーズ」シリーズなどのマーベル・スタジオ映画みたいなものですね。

そんなクロスオーバーしてた各作品のキャラたちが集合させ、ワーグナーの楽劇を下敷きに描いたマンガ「ニーベルングの指環」。今回、ご紹介するのは、そのマンガを原作とし1999年に製作されたOVA作品『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環』(全6話)です。

そんな世界観なもんで、松本零士マンガに親しみのある方以外は全く楽しめないと思います。逆に、松本零士ファンは大興奮のお話です。

行方不明になったミーメを探すハーロックとエメラルダスとトチロー。そこでミーメが属するニーベルング族とワルハラ族の対決を知ります。その裏には、“全宇宙を支配する”と言われるラインの黄金を手にする謎の男が暗躍。それを阻止しようとするハーロックたちですが……。

もうこの「あらすじ」たけで、松本零士マンガを読んだ事ない方は「?」でしょう。しかも、原作の第一部のみのアニメ化なので、ラストは尻切れトンボ感。

もう舞台が全宇宙というスケール感で、ワルハラ族というのも北欧神話の神であり、もう人間からすると“神の世界”という世界観なんです。その中をハーロック、トチロー、エメラルダス、メーテル、ミーメなど人気キャラたちが右往左往するんです。これは松本零士ファンにはたまらんのです!!

さらにテンション上がるのは、豪華キャラに相応しい豪華声優陣なんです。ハーロックとトチローを一人で演じるのは、山寺宏一さん。もはや、観てて何の違和感もない役柄の使い分けで演じる芸達者っぷりを披露。これ、本当に凄いです!!
往年のアニメ版では、ハーロック井上真樹夫さん、トチローを富山敬さんでしたが、そのお二人のイメージを全く崩してないのが素晴らしいです。
その後に発売されたゲーム「コスモウォーリアー零」でも続投しています。
エメラルダスは昔のアニメ版では田島令子さんでしたが、本作では勝生真沙子へバトンタッチ。優しさを纏いつつ、冷静沈着な印象でエメラルダスを演じています。
テンション上がると言えば、メーテルメーテルと言えば「この人しか考えられない」池田昌子さんが!! 他の人のメーテルを想像する事も出来ません!!
また、敵役やワルハラ族など他の役も豪華。を石田太郎さん、安原義人さん、関俊彦さん、上田みゆきさん、子安武人さん、三木眞一郎さん等、とにかく凄いメンツ!!
特に嬉しかったのは、ヤッタラン副長を演じる千葉繁さん。いーかげんな関西弁でシリアスな本作でのコミカルシーンを盛り上げています。

声優陣の演技合戦やキャラのヤリトリを観てる(聴いてる)だけでも楽しい作品になっています。

星2つ
★★☆☆☆

関連動画

HARLOCK SAGA EPISODE 1 english dub
製作年: 1999年
メーカー: バンダイナムコアーツ
松本零士(原作、総設定),竹内啓雄(監督),本橋秀之(キャラクターデザイン),山寺宏一ハーロック、大山トチロー),勝生真沙子(エメラルダス),池田昌子メーテル),関俊彦(台場正),千葉繁(ヤッタラン副長)