監督が主人公?! 現実と虚像が入り交じる!! 日本インディーズ映画界の日常をユーモラス描いた映画『普通は走り出す』
日本インディーズ映画界の日常もユーモラスでありながら、リアルに描いた映画『普通は走り出す』。本作は、MOOSIC LABの一本として製作。吉田靖直率いるロックバンド「トリプルファイヤー」とのコラボ作品になります。
現在、アップリンク吉祥寺にて開催中の「普通は走り出す+異能・渡辺紘文監督特集」として公開中。
ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
本作の異質なのは、監督自らの日常を綴る事で監督の思想や考えが訴えられていく所。つまり、本作の主人公は、本作の監督や脚本、編集、製作を兼任する渡辺紘文監督。坊主に髭で小太りな男。それが本作の主人公・渡辺監督。
祖母と二人暮らし。日々を暇潰しのように生きている日常が描かれます。新作の準備中と言いつつ、毎日、同じ喫茶店に籠り、長電話。雑談トークを展開。脚本執筆はスランプと前置きして、ゲームに熱中した話やワールドカップトークを語り倒します。
唯一の友人は、苺農家で働く幼馴染み。彼に運転させ、ロケハンという名のドライブへ。車内のトークは、最近、観たスピルバーグ映画の話。クラウドファンディング批判。映画評論家批判。 脚本を書く為に図書館籠りしてるはずが、『男はつらいよ』のDVDを観て爆笑。図書館スタッフに情けないほど怒られる始末。人間ドックを受ける為に訪れた病院でも、日頃の不摂生を鬼注意されます。
次々と溢れ出るリアルでコミカルな日常の数々!!
予告編動画
評価・考察
本作には、監督の思いの詰まったトークが満載!!
アホみたいな描写&トークが連発される割りに、全編、モノクロのインテリジェンスな映像。作品を批判する手紙がインサートされたりと自由自在な作風がスパーク。
自分本意で、一見、ワガママとも思える監督の発言の数々。所が、時たまドキッとするような生々しい意見も飛び出します。それが、日本映画の監督に対する扱い。フランスと日本の映画監督への扱いの違いを「アリとキリギリス」の寓話に例えたりして、ハッとさせられます。その降り幅のように、アホみたいなシーンも連発されます。
神社にマシンガントークでのお願いの数々が最高!! 下手に出ながら言ってる事は「カンヌでパルム・ドールを獲りたい」「他の監督の仕事が欲しい」など、なかなか飛んでもない願いばかり。市長へ映画製作資金の相談に行くシーンも、全く話が噛み合わず笑ってしまいます!!
そんな日常は、どんどん現実と虚構が曖昧に変化していく、まさに渡辺監督版『8 1/2』的な作品になっています!!
さらに、松本まりか、萩原みのり、古賀哉子らフレッシュな女優陣が脇を固めているのも本作の注目ポイント!!
渡辺紘文監督とは?
本作は、映画監督の渡辺紘文と映画音楽家の渡辺雄司の兄弟によって旗揚げされ、故郷の栃木県大田原市を拠点に創作活動を展開する映画制作集団「大田原愚豚舎」の5作目となる長編作品。吉田靖直率いるロックバンド「トリプルファイヤー」の楽曲から着想を得て、作られたのが、本作『普通は走り出す』なんです!!
劇中には歌詞を意識したであろうシーンも登場!!
MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)とは?
2012年から始まった音楽と映画をコラボさせるプロジェクト。それらの作品をコンペ形式・対バン形式で上映する異色の映画祭。新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクトであり、企画段階から映画作家とミュージシャン、映画と音楽との化学反応を意識的に制作。今では、新進気鋭の監督たちの登竜門的プロジェクトとなっています。
2012年の開催初年度は当時まだインディーズだった大森靖子がベストミュージシャン賞、BiS主演映画が観客賞を受賞。今やメジャー映画を次々と撮っている今泉力哉監督(『愛がなんだ』『アイネクライネ・ナハトムジーク』他)がグランプリを受賞した。
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2013年は後に『溺れるナイフ』で鮮烈なメジャーデビューを果たすことになる山戸結希監督『おとぎ話みたい』がグランプリ。準グランプリには演劇界のプリンス・三浦直之(ロロ主宰)の『ダンスナンバー 時をかける少女』。近年、海外映画祭で大ブレイクした『枝葉のこと』の二ノ宮隆太郎も監督で参加。
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2014年には、準グランプリとなった主演:森川葵×加藤綾佳×ふぇのたす『おんなのこきらい』が単独公開されロングランヒット。
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2015年は酒井麻衣監督『いいにおいのする映画』が6冠、単独公開。
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2016年、弱冠17歳の女子高生監督・松本花奈監督がthe peggiesとのタッグで撮った『脱脱脱脱17』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞&観客賞を受賞する快挙を達成。
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2017年は、グランプリにしてプチョン国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞も受賞した岩切一空監督『聖なるもの』、準グランプリの首藤凜監督『なっちゃんはまだ新宿』、観客賞の枝優花監督『少女邂逅』3作品がそれぞれ単独公開。
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2018年の長編部門は現役OL監督・穐山茉由×徳永えり主演『月極オトコトモダチ』がグランプリほか4冠、東京国際映画祭に選出。準グランプリの阿部はりか監督『暁闇』が韓国・全州映画祭にてインターナショナル・プレミア上映。
「普通は走り出す+異能・渡辺紘文監督特集」
https://joji.uplink.co.jp/movie/2019/3411
日時:10月25日(金)~11月14日(木) ※20:00台を予定
上映作品:普通は走り出す/八月の軽い豚/そして泥船はゆく/七日/プールサイドマン/地球はお祭り騒ぎ(全6作品)
劇場:アップリンク吉祥寺
料金:一般¥1,500/ユース(22歳以下)¥1,100/アンダー18(18歳以下)¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000
■10月29日(火)Dプロ「七日」上映後トークショーゲスト:宇賀那健一(映画監督)、渡辺紘文(本作監督)
■10月30日(水)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:松本まりか(女優)、山内ケンジ(映画監督)、渡辺紘文(本作監督)
■11月3日(日)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:吉田靖直(トリプルファイヤー)、渡辺紘文(本作監督)
■11月6日(水)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:萩原みのり(女優)、渡辺紘文(本作監督)
■11月11日(月)Eプロ「プールサイドマン」上映後トークショーゲスト:矢田部吉彦(東京国際映画祭D)、渡辺紘文(本作監督)
■11月14日(木)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:今泉力哉(映画監督)、渡辺紘文(本作監督)
監督・脚本:渡辺紘文
出演:渡辺紘文、萩原みのり、古賀哉子、加藤才紀子、ほのか、黒崎宇則、永井ちひろ、久次璃子、平山ミサオ、松本まりか
劇中歌・主題歌:トリプルファイヤー
撮影監督:方又玹
音楽監督:渡辺雄司
企画:直井卓俊
(C)2018 FOOLISH PIGGIES FILMS
教師が授業中に自殺!から思わぬ展開へ!! 優等生な生徒たちが新任教師を追い込んでいく学園ミステリーホラー映画『スクールズ・アウト』
学園ミステリーホラー映画『スクールズ・アウト』が明日から公開となります。
ヴェネチア国際映画祭やロンドン映画祭、マカオ国際映画祭、タリン・ブラックナイト映画祭、ファンタスティックフェス、シッチェス・カタロニア国際映画祭などなど、もう各国の映画祭で上映でも絶賛されている本作。日本でも今年6月に行われたフランス映画祭2019横浜でも上映された本作。今回、「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」(19年10月11日~/東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか)のプログラム上映で、いよいよ一般公開となります。
ストーリー(ネタバレなし)
冒頭から、突然、授業中に教師が自殺。一体、何がなんだか。そこへ代わりに赴任してきたのが、本作の主人公ピエール。
ピエールが受け持つのは、12人の優等生だけで編成されたクラス。何を考えているのか分からない子供たち。
そんなクラスでは、次々に謎の事件が起きます。ある日、顔を腫らして登校してきた男の子。問い詰めても理由は言いません。ピエールはイジメを疑う訳ですが、そんなストレートな展開ではありません。
休日にサイクリングをしてると、自転車に乗った子供たちが目の前を通過。早速、尾行。着いた先は廃墟になっている採掘場。そこで、彼らが行っていた事は……。
考察・評価
赴任してきた学校で唐突に語られる音楽教師の恋人の死の話。前任者の自殺。学校で行われるテロ対策の訓練。耳に残るサイレント。そして、子供たちの死を意識した遊び。全編に漂う死の臭いがクライマックスに向け収束されていきます。
危険な遊びに夢中になる子供たち。そんな子供たちが隠し、共有する映像ディスク。それらの行動に何の意味があるのか? というミステリーで観客の興味を牽引。
さらには、主人公の身にも不吉な現象が連発。電灯の点滅、蛇口から出る茶色い水、謎の無言電話。それらが一体、何なのか? 主人公はどうなってしまうのか?
どんどん追い込まれていく主人公。後半では、精神的にも様子がおかしくなっていくサイコスリラー要素も追加。
インサートされる映像もインパクト大。海に捨てられた大量のゴミ。商品として殺されていく動物たち。災害の映像。そして、原発。鹿や走り去っていく猫たち。主人公の家を徘徊するゴキブリ。
監督
監督と脚本を務めるのは、フランス人のセバスチャン・マルニエ。
応用美術と映画を学び、「Mimi(ミミ)」(11)や「Qu4tre(キャトル)」(13)、「Une vie de patits fours」(13)と3冊の小説を上梓。その後、漫画出版社であるデルクールから出版されたグラフィック・ノベルがフランスのアルテ局で放映されたアニメシリーズ「Salaire net et monde de brutes broadcast」となり、アニメの脚本も共同執筆。映画監督としては、3本の短編映画を監督後、2016年に初の長編映画『欲しがる女』でデビュー。主演を務めたマリナ・フォイスは、本作でセザール賞の主演女優賞にノミネートされました。
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キャスト
本作の翻弄されていく主人公を演じるのは、フランスのローラン・ラフィット。史実入り交じった大人のファンタジー映画『天国でまた会おう』やオランダの巨匠ポール・バーホーベンの復讐劇『エル ELLE』で印象的な芝居を披露。2016年のカンヌ国際映画祭では、開会式と閉会式のホストを務めた実力派。
まとめ・感想
冒頭の自殺シーンからインパクト大。主人公が、前任者と同じ境遇に陥っていくミステリーの大道パターン。まさに"前任者ミステリー"な展開で観客の興味を巧みに引っ張ります。
さらに子供たちの謎の行動が小出しで登場。断片的なヒントを便りに状況把握。
後半では、主人公も追い込まれ、妄想にとりつかれていくサイコスリラー設定も追加。どんどんカオスな状況へ。ストーリーテリングの巧みさとマッチして、全く飽きさせません。
それでいて、壮大なテーマ性が明らかになるクライマックスは圧巻!! 後味は決して良いとは言えませんが、良質の映画を観た気分は存分に味わえます。
公開
映画『スクールズ・アウト』は、東京のヒューマントラストシネマ渋谷、大阪のシネ・リーブル梅田、名古屋のシネマスコーレにて、「シッチェス映画祭2019」プログラムとして上映されます。
邦題:スクールズ・アウト
原題:L'Heure de la sortie
監督・脚本:セバスチャン・マルニエ
キャスト:ロラン・ラフィット、エマニュエル・ベルコ、グランジ、グレゴリー・モンテル
製作年:2018
製作国:フランス
言語:フランス語
画角:2.39 Scope / 5.1ch
時間:103分
PG-12
配給:ブラウニー
©️Avenue B Productions - 2L Productions
2018年ヴェネチア国際映画祭SCONFINI部門出品
ロンドン映画祭出品
マカオ国際映画祭出品
タリン・ブラックナイト映画祭出品
ファンタスティックフェス スペシャル・メンション受賞
シッチェス・カタロニア国際映画祭 スペシャル・メンション
Festival International du Film Francophone de Namur "Prix du Jury Junior"受賞
『スクールズ・アウト』セバスチャン・マルニエ監督インタビュー
過去の「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」作品
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映画初主演の杉咲花が見せる色気と“ささやきヴォイス”に胸キュン!! 映画『パーフェクト ワールド 君といる奇跡』のネタバレなしレビュー
『パーフェクト ワールド 君といる奇跡』
あらすじ(ネタバレなし)
インテリアコーディネーターとして働く川奈つぐみ(杉咲花)。仕事で、高校時代の初恋の先輩・鮎川樹(岩田剛典)に久しぶりに再会。しかし、彼は大学生の時に事故にあった事から車イスに乗る生活を送っていた。最初こそ、戸惑うつぐみ。それでも、建築士として前向きに生きる樹とふれあっていく内に、彼への想いを再びつのらせていきます。
「私は、先輩が好きなんだ。今でも……」
そんなつぐみの、ひたむきでまっすぐな想いに、「一生、一人で生きていくって決めたんだ。」と頑なだった樹も心を開いていく。
一緒にいる幸せをみつけた2人だったが、やがてある事件が起き……。
大切な人と出会い、いくつもの壁を乗り越えながら、絆を深めていく2人が辿り着いた結末とは……。
スタッフ・キャスト
杉咲花
当初は梶浦花の名義で活動。その後、事務所移籍を機に杉咲花に改名。以降、TVドラマ「ドン★キホーテ」に続き、「桜蘭高校ホスト部」のドラマ版&劇場版へ出演。ドラマ「妖怪人間ベム」にレギュラー出演。その後『映画 妖怪人間ベム』に参加。
TVドラマ「家族のうた」「黒の女教師」にレギュラー出演。味の素のCMで“回鍋肉の子”として注目を集め、TVドラマ「夜行観覧車」でも好演。スペシャルドラマ「こうのとりのゆりかご」や連ドラ「MOZU」シリーズ、映画『ナゾトキネマ マダム・マーマレードの異常な謎 解答編』などに出演。
その他、『イン・ザ・ヒーロー』、『繕い裁つ人』『愛を積むひと」などなど映画出演が相次ぎます。
杉咲にとって本作は映画初主演作!! 2016年公開の『湯を沸かすほどの熱い愛』では、
……って、そんな事よりも、彼女の魅力は、
岩田剛典
大学在学中に芸能界入り。2010年、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」のパフォーマーとしてデビュー。14年に「EXILE」に加入。同グループのメンバーとして活躍する一方、13年に舞台「あたっくNO.1」の出演以降、俳優活動を本格化させ、『クローズEXPLODE』で映画デビュー。15年からは「EXILE TRIBE」がマルチプラットフォーム展開する総合エンタテインメントプロジェクト「HiGH&LOW」シリーズに参加。
さらに恋愛映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で共演の高畑充希とともに映画初主演。同作で、日本アカデミー賞新人俳優賞・話題賞などを受賞。俳優としてもブレイク。18年には、本作と共に、単独初主演作『去年の冬、きみと別れ』の2作で主演。
今後は、河瀬直美監督、ジュリエット・ビノシュ主演の『Vision』にも出演。TVドラマの出演作に「ディア・シスター」、「ワイルド・ヒーローズ」、「砂の塔 知りすぎた隣人」とまさに俳優としてもブレイク中なんです!!
大政絢
スカウトをきっかけに芸能界に入り。06年には、女優デビュー。07年からはティーン雑誌「セブンティーン」の専属モデルへ。同世代から圧倒的な人気を誇る。
同年、映画『TOPLESS』で映画デビュー。続く映画『ニュータイプ ただ、愛のために』で主演を務める。人気コミック「パラダイス・キス」の実写映画化作品『パラダイス・キス』で実和子役に抜擢。その他、映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』にも主演。
解説・考察
縮まる2人の距離さすがにもうちょっと説明しますね!
ヒロインの高校時代の憧れの先輩を演じるのは、三代目J Soul BrothersとEXILEのメンバーでもある文句なしのイケ
そんな久々の再会を果たした2人が急ピッチで近づくキッカケが到
怒濤の急展開ラッシュ!!
運命的な再会とロマンス展開のコラボ技で、
作品概要
タイトル:パーフェクトワールド 君といる奇跡
原作:有賀リエ『パーフェクトワールド』(講談社「Kiss」連載)
監督:柴山健次
脚本:鹿目けい子
音楽:羽毛田丈史
主題歌:E-girls「Perfect World」(rhythm zone)
出演:岩田剛典、杉咲花
須賀健太 芦名星 マギー 大政絢
伊藤かずえ 小市慢太郎 / 財前直見配給:松竹 LDH PICTURES
制作プロダクション:ホリプロ
©2018「パーフェクトワールド」製作委員会
【観劇】Voyantroupe第4.5回本公演『Paranoia Papers ~偏執狂短編集ⅣΣ~』【橡(つるばみ)の章】&【橡(つるばみ)の章】
本日、Voyantroupe第4.5回本公演『Paranoia Papers ~偏執狂短編集ⅣΣ~』の「橡(つるばみ)の章」&「橡(つるばみ)の章」をサンモールスタジオで観劇。
誰に頼まれた訳でも、誰かに許可をもらった訳でもないのですが、ストーリー的なネタバレはしないように覚書を残します。
【橡(つるばみ)の章】
①「こちら側の世界―Sabbath―」
1本目からパンチが効いてます。何故なら、本作が裸祭りだからです。何かの儀式という事は解るのですが、それが何の儀式やら明確な説明はありません。もはや、ここまで説明ないと、あーだこーだ言う事さえ不粋な気がします。何なんですかね、これは?
ただ、もうビジュアルの演劇といった印象。映像だとキスシーンや濡れ場シーンを観ても、大したインパクトは無いですよね。それが、演劇となると違います。目の前で生身の人間がキスをする、裸になる……って、思った以上の破壊力があります。
それを受けて、映像だとパンチ不足でも、世の中には、そういった性質を活用した様々な演劇があります。寺山修司みたいに文章的セリフの妙を見せる演劇。セリフ回しと舞台装置が役者の熱量とコラボする唐十郎。圧倒的な芝居圧力とビジュアルの絢爛さで見せる蜷川幸雄。或いは、役者の動きや言葉遊びでテーマをメタファーでコーティングした野田秀樹。
それで言うと、本作はビジュアルの演劇なんです。モチーフやセットなどのビジュアル力。その中で役者が、まさに丸裸になる生々しさ。これぞ、演劇力という見ちゃいけないものを見てしまった感。映画『アイズ・ワイド・シャット』の儀式のシーンを生で観たようでした。
②「アーサーシャウクロスは戦いたい」
本作は、ベトナム帰還兵でPTSDを患い、連続娼婦殺しを犯したアーサーさんのお話。物語は子供時代のアーサー少年の話からスタート。叔母さんからの虐待&母親の愛の喪失。それらが、大人になったアーサーにどのように影響を及ぼすのか?
時間は一気に飛んで、戦時下のベトナム。ベトナムの女性たちをレイプするアメリカ兵たちは完全に道徳観念を崩壊させています。
そんなベトナムでの地獄絵図と帰還後のテレビでの討論番組が交互に描かれ、ベトナムでの帰還兵たちの行いをジャッジしていく訳です。ウーマンリヴ活動家たちに責められる帰還兵たち。
討論番組シーンはプロジェクターにより投影されている映像演出で見せていくんですが、この映像がとにかく雑。最初は、投影番組という設定さえ飲み込めませんでした。本公演で一番、不満が残る箇所でもあります。
アーサー役は男優なんですが、アーサー少年役に女優をキャスティングしてるのが絶妙。子供時代をファンタジックに描き、そのギャップでベトナム時代を生々しく感じられます。また、夢うつつなシーンでアーサーとアーサー少年が語り合う事も可能にしており、自問自答と迷走を表現。
何やらメタっぽい描写も多々あるのですが、正直、全ては理解できませんでした。さらに、意図的かもしれないのですが、ダレ場が多く、集中力が切れてしまいました。
演劇なので、舞台セットには限界があるはずなのに、逆に創造力を刺激。映画『7月4日に生まれて』や『キリング・フィールド』辺りの泥臭い路線のベトナム戦争がフラッシュバック。脳内合成されながら見てました。
③「 日本に置き換えております<ナポリの豊年祭のこと<「悪徳の栄え」より<マルキ・ド・サド著 」
マルキ・ド・サドの「悪徳の栄え」が原作という事で観ながら、あぁ、そう言えばそーゆー話だったな……と思いながら観劇。
完全に集中力が切れて中で始まったのが本作。
話はとうとう満州ときた。ヨーロッパ的ビジュアル、ベトナムとアメリカを描き、3本目で満州というビジュアルチェンジはオムニバスだから楽しめる良さ。集中力もやや回復。
貴族たちによる、残虐遊びとそれに巻き込まれた人々は、一周してユーモラス。
中でも、普段は清楚なお嬢様キャラだけど、人が残虐な目にあってるとエクスタシーを感じるという、このジャンルを好きな人間なら大好物の人物が登場。エクスタシーが残虐描写が共にエスカレートしていくコラボ技にテンション上がりまくります。それだけでも大分、滑稽でコミカルなんですが、さらに周りの人間も巻き込まれていく不条理な笑い。誰も笑ってなかったけど、ボクだけ吹き出し笑い連発。不謹慎かもしれませんが、あまりにも勢いのありすぎる悲劇は喜劇的に見えるもので、突然、バタバタ人が死んでいく本作に、思わず笑ってしまいました。
その中で人間の道徳心や残虐性みたいなものを問うような物語だったはずなんですけど、流石に脳ミソの許容範囲がオーバー。疲れてしまい、ほとんど忘れました。ごめんなさい。
【聴(ゆるし)の章】
①「千年狐狸精蘇妲己凌遅演義」
一本目から豪華絢爛な圧倒的ビジュアル。優美なモチーフと不条理なストーリー。見ているだけで、思わずウキウキしてしまいます。
本作は中国王朝。王と王妃は残忍夫婦。そこへ父を捕虜に捕られた別国の兄弟が父の奪還へ現れるんです。さらに、兄弟の弟の想い人である女性は王妃のオモチャ同様の扱いを受けているという最悪な状況。
誰がどこまでを裏読みしているのか解らない人間不信ドラマ。王妃の残酷趣味がどこまで行くものなのか予測不能なスリリングさも追加!!
王と王妃のチャラチャラした喋り方と堅苦しい他のキャラたちとのギャップはコミカル。それが後半には狂気へと早変わりする演出の巧みさ。
舞台背景ムシでファンタジーとしても楽しめる一本です!!
②「魔女狩り処刑人PL」
タイトルの物々しさとは裏腹に演劇らしからぬオフビートなセリフ回しでスタート。まるでアドリブのようなノリがリアル。
ただ、そこで行われているのは魔女狩りの審問。もはや我慢不可な拷問を繰り返し、「魔女かどうか」を問うゲンナリ描写。しかも、拷問はエスカレートしていき、その中での人間ドラマが描かれていきます。
お役所仕事のように審問を進める審問スタッフたち。受ける方の魔女容疑者たちは、勿論、命に関わるので絶叫。当たり前のように本作でも舞台は血だらけ。血を出すシーンを集めてるのではないかと思うレベル。そんな中、富豪の娘がワガママ放題。尋問官たちがそれに翻弄されるのが笑えます。
とは言え、ここまで観劇してると、もうビジュアルのインパクトが薄く感じてしまいました。もう目が慣れてきてるとしか考えられないですよ。
③「向こう側の世界―Missa―」
【橡(つるばみ)の章】での「こちら側の世界―Sabbath―」の姉妹編的な本作。何故なら、登場人物が「こちら側~」での儀式を壁に空いた穴から覗いているという設定(ただ何故か、役者は地面に目をやっているのですが)だからです。
穴を覗く彼氏を止めようとする彼女の、本公演では一番、短いオマケ的な作品でした。
舞台に投影されるプロジェクター映像で隣の部屋の説明をしているんですが、これまた主人公の主観のはずなのに、カメラアングルが俯瞰だったり、横位置だったり、アップで切り出されたりと、バラつきが気になり過ぎて、ほぼ全くといっていい程、頭に入ってきませんでした。すいません。
全作品に共通した話。とにかく、本公演はボリューミーで、残忍とビジュアル力のつるべ落とし的公演。こんな趣味が極端に分かれそうな演劇をここまで全力でやってる公演はあまりないと思うので、演劇初心者から演劇ファンまで、是非とも観劇して欲しい作品ばかりです。いや、もはや体験というレベルのアトラクション感さえあります。これを何回もやってる役者さんたちには頭が上がりませんよ。
ただ、プロジェクター映像と芝居で見せる描写の使い分けが解りませんでした。これを何故、映像で見せるの?という疑問が払えません。
あと、端の席は完全なハズレでした!! ボクの席は上手前方だったのですが、役者さんの立ち位置と被ってしまい、プロジェクターの映像や中央の芝居がほぼ完全に見えなかったです。それだけ役者の動きが少ないという事でしょうか。かなりのシーンを見逃してしまいました。チケット代に見合わないし、ちゃんと見たかったし、結構、ストレスなので下手か中央がオススメです。これから行く人は注意してください!!
文句も書きましたが、やはり結論は「観に行って良かった」と思えましたし、オススメの公演です。
医学療法士の真実を描いた映画『栞』のネタバレなしのレビュー
世の中に多数ある職業映画。様々な職業を題材にした作品が作られてきましたが、10月26日から公開の映画『栞』は医学療法士という職業。仕事に勤しむ日常を丹念に描いた作品です。
細かいニュアンスや描写の数々がとにかくリアルそのもの。本作のメガホンをとった榊原有佑監督は、実は元医学療法士。監督が自身の経験を元に医療現場を映画化したのが本作。
理学療法士とは?
理学療法士とは、病院や福祉施設、介護施設、さらにはスポーツ関連施設など様々な分野で活躍している運動のスペシャリスト。本作の主人公も、珍しい症例の病気で入院する子供や試合で下半身の麻痺してしまったラグビー選手の患者を担当します。
あらすじ・ストーリー
幼いときに母を亡くし、長らく実家にも帰っていなかった主人公。患者さんたちの悩みを自分の事のように受けとめ、メンタル疲労気味。そんなタイミングで重い病気にかかった父親が入院して来ます。どんどん弱っていく父親。それでも、なかなか埋められない父親との溝。そんな中、必死にリハビリをする下半身麻痺のラグビー選手の患者の姿を見て、元気を貰っていく主人公。
まるで、ドキュメンタリーのように手持ちカメラで主人公の日常を切り取っていく演出は静かながらも力強し。
感想・評価
実際のメニューが垣間見えるリハビリシーンや、患者が亡くなったのをパソコン上で知るシーンなど、他の作品ではあまり観た記憶のない描写がリアル。その辺の描写も元理学療法士である榊原監督の実体験が参考になっているのでしょう。
ただストーリー展開は単調で退屈。
元理学療法士である監督
実は、本作の榊原有佑監督は、元理学療法士というだけでなく、CM、MusicVideo、TV、企業VP、ドキュメンタリーなどジャンルを問わず、様々な映像分野で撮影、編集、VFXなども自ら行い、腕を磨いてきたお方。本作でも、原案・脚本・監督・編集を兼任。ストイックな映画作りを続けています。
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キャスト
主人公で、理学療法士という仕事に真実味を与えるのは、自身もスポーツ健康科学部を卒業した三浦貴大。近年は『キッズ・リターン 再会の時』、『永遠の0』、『サムライフ』、『ローリング』、『怒り』、『追憶』など、様々な映画に出演し、イイ味を出しています。さらに、今年だけでも、『ばぁちゃんロード』、『四月の永い夢』、『のみとり侍』、『3D彼女 リアルガール』に出演と、ハイペースでフィルモグラフィを埋めていく人気者。
本作でも、リアルな仕事っぷりと、静かながらもちゃんと感情の伝わってくる安定の演技力で観客の感情移入をリード。安心して観れます。
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ドキュメンタリー風味のお仕事映画『栞』!!
確かにエンタメ映画とは言いにくいですが、経験者は語るな職業映画で、見聞を広げたい方には、オススメの一本になっております。
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染谷俊之×中村優一のイケメン2人が事件に巻き込まれる隣人トラブル・ホラー『黒蝶の秘密』
ホラーレベルの隣人トラブルが社会問題になっている昨今。とうとう隣人トラブル・ホラーが登場です!! それが、27日から公開『黒蝶の秘密』!!
まさかの隣人トラブルが恐ろしいスピードでヒートアップ!! 全く先の読めない展開に発展していくミステリー・ホラー作品です!!
ストーリー・内容
不動産屋で知り合った男に「うちのアパート、君の探している条件に合うと思うよ」と紹介される主人公。行ってみると、確かに安くて好条件。早速、入居を決意。
所が、入居してみると早々に、部屋を紹介してくれた男が謎の死を。謎解きミッションが発生!! 事件を調べていく主人公。そのうち、自分の部屋に住んでいた住人たちも謎の失踪を遂げている事が発覚!! さらに、胡散臭い大家夫婦、ミステリアスに主人公を監視している謎の女など、変な住人が続々登場してきます!! さらには、"呪われたアパート"と呼ばれているという噂まで発覚!!
一体、このアパートに住んでいる人々はどこへ行ったのか?! アパートで何が行われていたのか?!
感想・まとめ
何かを隠しているのは間違いないが、発言のどこまでが真実か? どこからが嘘なのか? さっぱり信用できないアパートの住人たち。悪夢にうなされ、睡眠不足。仕事もおぼつかなくなっていく主人公。その様はサイコスリラー。
職場の同僚も事件に首を突っ込んできて、状況は悪化の一途!! そして、実は前半の何気ない会話の中に隠されていたヒントの数々!! もう全く先が読めないスリリングな展開には、作品の世界観に強制参加!!
キャスト
仕事は出来るが社交性のない主人公を、映画『羊をかぞえる。』シリーズのほか、ミュージカル「テニスの王子様」、舞台『弱虫ペダル』、『銀河鉄道999 GALAXY OPERA』など、映画&舞台で活躍する染谷俊之。
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イケメンたちが翻弄される姿にグッとくる!! 先の読めない展開の映画が好き!! 訳の解らない隣人トラブルに巻き込まれてみたい!! そんな方々にオススメの一本です!!
女性助監督が見た!! 若かりし頃の伝説のピンク映画監督=若松孝二を映画化!! 映画『止められるか、俺たちを』
皆さんは、ピンク映画界の巨匠=若松孝二をご存知ですか?
"ピンク映画の黒澤明"と言われるほど、ピンク映画の枠には収まりきらない傑作映画を量産。若松孝二監督が亡くなったのは、2012年10月17日。そんな若松孝二監督の若かりし頃のエピソードと若松プロダクションの人々を描いた青春映画『止められるか、俺たちを』です。
ストーリー・あらすじ
舞台は1969年。若松プロダクションの門を叩いた少女。右も左も解らないまま、ピンク映画の世界へ。そこにいたのは、もうイケイケの頃の若松孝二監督。当時30代。元ヤクザで、映画を作り出したキッカケも「映画の中なら警官を倒せる」と語る発想から行動まで全てがアクティブすぎる天才監督。
最初こそ、若松監督に「カス! タコ! 俺の視界に入るな!!」と怒鳴られる主人公。しかし、メキメキの仕事を覚えていき、助監督として活躍していきます。そのうち、将来の自分へ漠然とした不安を覚え始めます。「一体、自分は何者なのか?」「このままでいいのか?」という時代を超えて、若者特有の悩みにぶち当たる主人公。
そんなタイミングで、いよいよ念願の映画監督デビューのチャンスが巡ってきます。果たして、主人公はどんな未来を選ぶのか?
キャスト
主人公の目から見た若松監督は、行動力があり、天才ながらも、理不尽で、怒鳴ってばかり。それでも、愛くるしいトボけた愛嬌で、周りに友人の多い愛されキャラ。「若松孝二にはイケメン過ぎる」と思っていた井浦新がクリソツに熱演。当時の若松孝二が見事に甦ってるのが素晴らしいです!!
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主人公の若松プロの助監督をする少女を演じるのは、門脇麦!!
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監督
今やレジェンド級のメンツの若かりし頃のエピソードに急な親近感!! 当時の映画の再現シーンのクオリティの高さ!! まるで、当時の若松プロのメイキング映像を観ているかのような興奮!! そして随所から感じられる"若松監督への愛"!!
この映画好きのハートに火をつける本作。メガホンをとったのは白石和彌監督。自身も若松プロダクション出身。『凶悪』で第 37 回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)など、いまや日本映画界を牽引する俊英。師匠・若松孝二が時代と共に駆け抜ける姿を見事、作品に凝縮!!
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白石監督自ら「映画を武器に戦ってきた若松さんの声をもう一度聞きたい」と本作を企画。若松監督が亡くなった後、活動の滞っていた若松プロダクションの記念すべき映画製作再始動第一弾となりました!!
金塊強盗たちバイオレンスが交差‼ アート系として現代に蘇ったマカロニ・ウエスタン『デス・バレット』
「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2018」で10月19日から公開が始まるのは、 金塊強盗たちバイオレンスを繰り広げる映画『デス・バレット』。今作は、アート系のテイストで現代に蘇ったマカロニ・ウエスタンなんです!!
ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
3人組の金塊強盗。隠れ家へ戻る途中、メチャクチャ訳ありそうな子連れの親子を発見。行き掛かりで同乗させてしまいます。これが後半で大事な要素になってきます。
行先の隠れ家は、画家の家。美しいエーゲ海が一望できる遺跡風の隠れ家。そこへ、彼らを追って2名の白バイ警官が現れたものだから、勿論、戦慄の銃撃戦が展開!! 子連れの親子を巻き込んで徹夜のバイオレンス・アクションへ!! 隠れ家へ乗り込んだが最後、強盗犯たちに建物を包囲される警官!! 画家と子連れ親子を人質に立て籠り!!
そこへ、強盗犯たち同士のスタンドプレーも連動!! 緊張感満載の全く先の読めないシリアスな密室バイオレンスが完成!!
動画予告編
考察・評価
ただの密室バイオレンス映画かと思いきや……本作の魅力は、その作風。シンプルなストーリーの中で、手元や目元のアップを多用。それにより緊張感とテンポを上手いこと作り込んでいます。その作風こそ、マカロニ・ウエスタンの父=セルジオ・レオーネの作品を彷彿とさせます。
セルジオ・レオーネといえば、1960年代に『荒野の用心棒』を始めとするイタリア製西部劇をヒットさせ、世界中でマカロニ・ウェスタンブームを巻き起こした名監督。レオーネは、イタリアで公開された黒澤明の『用心棒』(1961年)に深い感銘を受け、早くもその3年後である1964年には『用心棒』を西部劇風に翻案した『荒野の用心棒』を監督。
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『荒野の用心棒』をヒットさせてレオーネは、立て続けに1965年製作の『夕陽のガンマン』、1966年に20万ドルの予算を費やして大作『続・夕陽のガンマン』を製作。このクリント・イーストウッド主演の三作品は、「ドル箱三部作」と呼ばれています。その後も、1968年にパラマウントで『ウエスタン』、1971年にはロッド・スタイガー、ジェームズ・コバーン主演の大作映画『夕陽のギャングたち』、1984年に10年以上の沈黙を破ってロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ主演のギャング映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を監督。この三作は「ワンス・アポン・ア・タイム三部作」と呼ばれています。[rakuten:dtc:11767976:detail]
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マカロニ・ウエスタンとは?
イタリア製の西部劇。西部ってアメリカなのに、それをイタリア人が作ったニセ物ハリウッド映画的な作品群。例えるなら、日本の時代劇をアメリカで作って、アメリカ人しか出てこないような感じですかね。ただ、60年代から70年代には、エンタメに振り切った演出、アンチヒーローの主人公、復讐という解りやすいストーリー展開など、様々なテイストの作品が大量生産され、人気を博していました。
低予算ながら、ロケ撮影を多用。リアリティのある世界観を構築。作風は、登場人物のクロー・アップを使い、緊張感をあおりまくりました。
本作でも、目のアップの切り返しのカットなど、そのレオーネのやり方も踏まえつつ、さらにアーティスティクなオブジェや逆光によるシルエットのカットを追加。役者たちの動きに合わせたカット割り。テロップによる時間を表示。同じシーンの同時刻に別のキャラは何をしていたのかを登場人物ごとに繰り返して描く構成。そこら辺の演出は、シネフィル監督のクエンティン・タランティーノの作風を思い出させます。さらに、本作は、マカロニ・ウエスタンの多くの作品で音楽を作曲したエンニオ・モリコーネの音楽が繰り返し使われています。
まさに、本作はマカロニ・ウエスタンへのオマージュを入れまくり、犯罪アクションとしてマカロニ・ウエスタンを現代に復活させたような作品なんです!!
一見して退屈になりそうな立て籠り劇を、アートな雰囲気ムンムンの演出、テンポの良い編集、独特の画作り……あの手この手でエンタメに消化しているんだから、本作は面白い映画なんです!!
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23年に一度、現れるという都市伝説の怪物!!映画『リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ』
シリーズ3作目ながら、スピンオフ的ポジションの『リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ』が「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2018」にラインナップ!!
【第1作】
【第2作】ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
本作でも、23年おきに現れる怪物=クリーパーが!!
アメリカの小さな町。謎の不気味なトラックが発見。荷台には、白骨化した遺体。恐る恐る近づく警官。すると、急に柵が降りてきたり、マフラーから槍が飛び出したりと負傷者多数!!
なんと持ち主は、23年おきに、23日間、人間狩りを繰り返すクリーパーという怪物の殺人トラックだったんです!!
評価・考察
アクション!!切り株!!オカルト!!
同時進行で描かれるのは、息子を殺され、精神を病んでしまった母親のエピソード。そんな母親の前に現れ、「死ぬ前にクリーパーの腕を埋めた」と告白する息子の霊……というオカルト・ホラーな要素をオプション追加。
さらに、その母親の娘も恋人とクリーパーの殺人トラックで拉致されて……。果たして、誰が最後まで生き残るのか?!
全てが合格点!! 次々に登場する陰惨な切り株殺人描写。シーンを盛り上げまくるダークな音楽。金が掛かってるのか、安く仕上げてるのか解らないCG。先の読めない展開。ホラー!!アクション!!どこを取ってもテレ東「午後ロード」的な圧倒的B級エンターテイメントに仕上がっています!! この手のジャンル映画を劇場で楽しめるレアなチャンスも、「シッチェス・ファンタ」ならでは!!
実在した犯罪一家の血みどろ逃亡劇!! こんな親父は嫌だ映画『プリズン・ランペイジ』
まさかと思うような実録犯罪一家の地獄のロードムービー『プリズン・ランペイジ』が、「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2018」のプログラム内で、いよいよ日本公開!! こんなトンデもな話が実話という恐ろしさ!!
ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
1978年。冒頭から、あっという間の脱獄劇!! 初っ端からのスピーディな展開に目を丸くしていると、徐々に立場関係が解ってきます。3人の男が刑務官を脅して囚人を脱獄させたのは、なんと自分の父親。ボンクラ息子3人が父親を脱獄させたんです。そこで本作一番の問題が、この脱獄させた父親なんです!! まだ犯罪者ルーキーの息子たちに対して、親父は冷酷非道。しかも、独裁的で息子たちが反対意見を述べようもんなら、息子でも銃をこめかみに突き付ける瞬間湯沸し器的な短気さを発揮!! どんな状況でも一瞬の隙もない、犯罪者というより鬼軍曹のような男。勿論、女&子供にも容赦ない鬼畜っぷり。
そんなヤベー親父との逃亡劇は、まさに地獄絵図。一家の叔父が迎えに来る計画だったのに、叔父が来ない事件が発生。なんと保護観察中の叔父は、「あんなヤベー計画に加担できねー」と逃げてしまったんです。勿論、キレまくりです。逃走用の車を奪う為に、フランクに人を殺していきます。そんな親父に息子たちもドン引き。
そんな中、砂漠の町の老保安官が主人公たち一家を追って来るエピソードと警察&マスコミに嫌気が差している母親がたまたま女記者と知り合うエピソードとが同時進行。テンポ良く場面展開を繰返し、緊張感を維持しながら地獄のラストへなだれ込んでいきます。果たして、常気を逸したレベルの親父との逃亡劇はどこへ着地するのか?!
動画予告編
評価・考察
冒頭からテンポ良く物語がスタート!! 素早く設定を小出しにしつつ、目まぐるしく状況を展開。そこから間髪開けずに脱獄&逃亡劇へ。父親に劣等感を持つ息子たちのドラマも追加され、一瞬も気の抜けない物語へ!!
本作は、3年振りに復活した「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」にて公開!! 東京はヒューマントラストシネマ渋谷、名古屋はシネマスコーレ、大阪はシネ・リーブル梅田にて開催!!
大人のおとぎ話で狼男が現代に復活‼ ダーク・ファンタジー映画『狼チャイルド』
"狼男"は知ってるけど、映画では観たことないという人も多いのではないでしょうか? しかし、狼男と言えば、映画史に名を残す古典モンスターの1人。機会はレアですが、観といて損はありません。突然ですが、そんな方に朗報です!! 「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2018」にて、まさかの狼男サスペンス・ホラー映画『狼チャイルド』をご紹介!!
ストーリー・あらすじ(ネタバレ)
冒頭の面接シーンから漂う異常な緊張感!!
家賃が払えず、お金に困っている主人公。広い部屋に一人で住む妊婦の元で住み込みの家政婦をする事に。所が、どうも様子がおかしい。冷蔵庫は生肉だらけ。夜になると夢遊病のようにフラフラ外出。挙げ句、意識を失って噛みついてくる危険行動も!! 女の人って子供ができると怖いなー……なんて観てたら、献身的に身の回りの世話をしているうち、二人の間には強い感情が芽生えていきます。そして、お腹に宿してるのは狼男の子供だと告白!!
そこから、急展開!!
前半だけでも中編映画として楽しめるクオリティなんですが、物語の第二部と言える後半に突入!! 話は一気に飛んで、産まれた狼チャイルドが小学生くらいに成長。母親は死んでしまい、家政婦だった主人公が狼チャイルドを育てている日常に場面転換。
純粋で素直な男の子として成長して見える狼チャイルド。でも、やはり満月の夜になると狼男に変身。意識を失い、暴れまくるので、夜の外出は厳禁!! 生肉もアレルギーと言い聞かせているんです。
所が事件勃発!!学校のチョイ悪な友達を相棒に、常々、気になっていた自分の父親を探す旅へ無断出発!!しかし、どんどん日が暮れていき……。
果たして、主人公は狼チャイルドが変身してしまう前に見つけだせるのか?! 父親を探しだす事はできるのか?! 切なすぎるラストへなだれ込んでいきます!!
動画予告編
評価・考察
2017年シッチェス映画祭で批評家賞、ロカルノ映画祭で審査員特別賞を受賞した本作。フランスとブラジルの合作だけあって、テイストも独特。嘘臭い程にハッキリとした色合いの夜景や絵のような満月。シリアスなノリで急にホームレスやアパートの大家さん等が歌い出すミュージカル・シーン。回想シーンも紙芝居風の絵で語っていき、一貫した寓話的ファンタジー世界へ誘います。まさに、大人のおとぎ話風味!! 勿論、産まれたキモカワな狼男の赤チャンのクオリティもお見事!!
オカルト、ファンタジー、ホラー、サスペンスと様々なジャンルがミックスされた本作。狼男映画童貞を捨てるなら本作はオススメの一本です!!
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宇宙人侵略‼ SF映画の皮を被った格闘映画 『スカイライン -奪還-』
10月13日から公開の映画『スカイライン -奪還-』。本作は、SF映画の皮を被った格闘映画である事を宣言します!! 一体、どういう事なのか?!ヤバいので、ご説明します!!
ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
アル中刑事、宇宙人と戦う!!
空から降り注ぐ青い光。その光を見た人間たちが光の中へすい寄せられていく怪事件が発生!!宇宙人による集団拉致事件なんです!!
一方、たまたま地下鉄に乗っていたアル中の刑事とそのグレてる息子。地下鉄で乗り合わせた人々と、宇宙人の襲来を知るんです。
そうなんです!!本作で宇宙人と戦うのは、軍隊でも特殊部隊でもなく、アル中の刑事!!
突然のシフトチェンジ!!
息子を宇宙船に連れていかれた主人公は、自ら自主入船。やたらと複雑な宇宙船内をサバイブ!!そこで、残任すぎる宇宙人の真の目的が発覚!!
そんなタイミングで急ではあるんですが、宇宙船がラオスに落下!!そこには、麻薬カルテル組員役のイコ・ウワイスが!!
※イコ・ウワイスを知らない方へ、ご説明させて頂くと、ウワイスはスタントマン兼アクション・コーディネーターというインドネシアの武術家俳優。インドネシアの伝統的な武術=シラットの達人でもあるんです。
さぁ、答えが出ました。ここから物語はSF侵略映画から思いっきり武術系ハードアクション映画へ大きくシフトチェンジ!!あとは、宇宙人の招かざる客として、殴って蹴って殴っての超ハードアクションを堪能する映画に変身です!!
考察・評価
宇宙人をフルボッコ!!
そんなこんなで、アル中刑事はラオスの地元麻薬カルテル組員たちと共闘。急に宇宙人の戦力が弱まったのではないかと疑いたくなるレベルでフルボッコ!! 大事な事なので繰り返します!! 宇宙人をフルボッコです!!
男の子の好きなもの全部のせ!!
人間の脳ミソを奪って殺す激ワル宇宙人。頼りない主人公。武術の達人。さらに、クライマックスには、巨大ロボット同士のバトルまで見れちゃいます!! どうも要所要所で、どこかふざけた雰囲気があるなと思っていたら、エンディングの宇宙人がコケまくるNG集を観て、確信へと変わりました。
色んな意味で贅沢な一本!!
ただ、B級映画と切り捨てるには、地下通路サバイバル→宇宙船内サバイバル→ジャングルでのガチなサバイバル……と息つく暇を与えない展開。グレてる息子とのドラマ。クオリティの高いCGと着ぐるみ。どれも見応えがあるんですよ!! 1本の作品にこれだけ詰めこんだ映画なんて!! とにかく、贅沢な一本になっています!!
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自分の作ったダンボール製迷路から出れなくなった男の映画『キラー・メイズ』
何も成し遂げてこなかった30男が「これだけは!!」と執念で作り上げたのが、自室に作ったダンボールの迷路!! しかし、その迷路は、殺人迷路だった……という破天荒にも程がある映画『キラー・メイズ』が、3年振りに復活した「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」にて公開!!
ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
彼女が部屋に戻ると、部屋の中央にドデンと置かれたダンボールの迷路。中から彼氏の声。「夢中で迷路を作ってたら、迷子になっちゃって、出られなくなっちゃった!!」
ここまで読んで、まだアホ映画認定するのは早いです!! 実は、本作、2017年シッチェス映画祭にて、ニュービジョン・ワン/プラス部門で最優秀作品賞を受賞したファンタジー・ホラー。ただのB級と思って観ていると、トンデモな世界観に引きずり込まれます!!
かくして、彼女と友人たち(となぜかドキュメンタリークルー)が彼氏の救出へと向かうのです。ただ、中は思った以上の(……というか物理的な縮尺などは完全無視した)広さ。果たして、この迷路から脱出することが出来るのか?!
予告編動画
考察・評価
部屋ごとに雰囲気が違う空間デザインのコーディネート・センス。リンチのようなダークな部屋もあれば、バートンのようなファンタジーな部屋も!! 中でも目の錯覚部屋のクオリティーが高い!! 各部屋を見ているだけでも大分、楽しめます!!
数々の部屋を回っていくと、どうも様子がおかしい。どんどん様子がおかしくなっていきます。デカい折り紙の鶴が襲ってきたり、ギロチン(勿論、ダンボール製)が落ちてくる仕掛けがあったり。ダンボールなのに、襲われた人間は毛糸の血を噴いて死んでしまうというデス・ゲームが開始されたのです!! 迷路内に解き放たれたケンタウロスに追われるハラドキなサスペンス要素もオプション追加!! 迷路脱出を目指すブラック・コメディ・ホラーになっております。
登場人物たちも濃厚メンツが勢揃い!! 迷路を完成させる事で頭がいっぱいな30男。笑い上戸の太った女。シーンを盛り上げる事しか考えてない番組ディレクター。カメラマンとマイクマンの凸凹コンビ。トラップだらけの殺人迷路に濃厚メンツが投入されるのだから、状況はもはやカオス!!
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あまりにもの不気味さにポスターが香港で発禁処分に‼ 台湾発学園ホラー映画『怪怪怪怪物!』
昨年の第30回東京国際映画祭で絶賛され、映画ファンたちの間では一般公開が心待ちにされていた台湾のホラー映画『怪怪怪怪物!』。この度、「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2018」で公開されることが決定!!
あらすじ・ストーリー(ネタバレ)
ポスター以上にハードなストーリー!!
学校で、クラス中から冷やかされる日々を送る主人公。担任の先生も線香を立て、「磁場が乱れてる」とか言い出しちゃうようなスピリチュアル系なお方で全く話にならないという絶望的状況。そんなある日、イジメっ子たちと、老人ばかりが住むアパートへボランティアに行かされ、そこで食人鬼姉妹の怪物に遭遇!! 食人鬼姉妹の妹を捕まえた一同は、秘密部屋で監禁。イジメの対象は、主人公から、どんな拷問をしても死なない食人鬼の方へ。いつの間にか、拷問を手伝わされ、イジメっ子と友情を感じられる瞬間があったり、恨みがリフレインしたりする主人公は、どんどん食人鬼の方へ感情移入していくんです。そこへ、監禁された妹を探す食人鬼の姉!! まさかの復讐の連鎖がデッドヒート!! クライマックスへなだれ込んでいきます!! ちなみに、日本語のwikiはまだありません。
予告動画
評価・考察
ただのモンスターパニックでは終わらない多ジャンル仕様。学校の中に凝縮された世界観。
そして、貞子(幽霊路線)+エイリアン(モンスター路線)チックな怪物の独特の動きも不気味で最高ですが、とにかくムードを高めてドカン演出が恐怖を煽りまくります!!
また印象的なのが、映像センス!!ポップな選曲チョイスとサイケなテイスト、テンポの良い編集がミックス。スタイリッシュな映像が完成!!
しかも、老人イジメや食人鬼への拷問シーンなどの悪ノリなシーンに限って冴え渡るんですね。なもんで、そんな重たいネタをブラックジョークにしてしまうギャップ効果によって、嫌な気分が倍増!!
「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」
3年振りの復活!! 毎年、スペインで開催されるシッチェス映画祭。その中から厳選された作品を日本で公開する「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」が3年振りに復活!! 本作も同プログラムにて、公開が決定!!
東京はヒューマントラストシネマ渋谷、名古屋はシネマスコーレ、大阪はシネ・リーブル梅田にて開催!!
劇場で観れる機会が激レア作品ばかり!!
悪魔崇拝者の影が忍び寄るサイコ・スリラー映画『リグレッション』
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悪魔崇拝モノと言えば、『ローズマリーの赤ちゃん』や『悪魔の追跡』、『デビルズ・ノット』など、様々な名作スリラーがたくさんあります。そんな中、実話を元にした悪魔崇拝ホラー『リグレッション』が15日(土)より日本公開です!!
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ストーリー・あらすじ(ネタバレなし)
娘に性的虐待をしたとして捕まった男。その虐待事件を調べていく主人公の刑事。被害者である娘や家出した息子、関係者たちへと話を聞いていくのですが、どうも様子がおかしいんですね。みんな大事な箇所の記憶を忘れているんです。そこで、精神科医のドクターとコンビを結成。取調べに催眠術を導入。次から次へと明らかになる謎の儀式!! 謎の悪魔崇拝集団の存在!! もっとグログロな事件の信実が!! 小さな村の中、誰が味方で、誰が悪魔崇拝者なのか解らないサスペンス!!
挙げ句、仕事熱心な主人公も段々と悪夢にうなされるように。実際に悪魔崇拝者たちの魔の手も忍び寄り……という一寸先は闇な展開!!
予告編動画
キャスト
主人公の刑事を演じるのは、チェット・ベイカーを熱演した『ブルーに生まれてついて』からノーテンキ・アクション映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』まで大作~インディーズをまたにかけるイーサン・ホーク!!本作でも、陰気な顔で真面目なふりして、決行、ヤバい奴を熱演。
事件の被害者にして、物語のキーになるヒロインを『ハリー・ポッター』シリーズからの脱却に成功しつつあるエマ・ワトソン。信実を言ってるのか疑惑の残る絶妙なバランスの芝居を披露。
評価・考察
現代劇ながらダークなトーン。ゴシックなテイストに仕上がっているなと思ったら、監督はスペインのアレハンドロ・アメナーバル。『オープン・ユア・アイズ』や『アザーズ』など、ラストのドンデン返し映画を作ってきたお方。本作にもオチの用意はあるものの、話が飛躍しすぎて、ノリきれない印象。しかしながら、次から次へと浮かび上がってくる謎&謎の謎のミステリー釣瓶落し!!
過去に起きた出来事を調べる主人公と共に観客にも追体験させていく構成!! チラチラ垣間見える悪魔崇拝たちや、明らかになる程に不気味としか言い様のない儀式のディティールなど、なかなか飽きさせません。
ちょっと変わり種のサイコ・スリラーをご所望の方にはオススメの一本です!!