ユンギボの映画日記

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2017年5月28日『メッセージ』

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『メッセージ』を観賞。

 
宇宙人襲来映画です。と言っても、『インデペンデンス・デイ』みたいに戦闘機や銃で攻撃するでなく、『メン・イン・ブラック』みたいにコミカル描写もありません。故にウィル・スミスも出ません
 
普通、宇宙人襲来映画って軍隊の人が主人公で地球を守る為に戦ったりしますよね? 今作の凄いのは、主人公が言語学者の女性なんです。冒頭からUFOが世界各地に飛来というテンポの早さ。始まって早々に言語学者の主人公が宇宙人とのコミュニケーションを試行錯誤するんです。攻撃してこないから敵意は無いらしいと。文字を書いたり、ジェスチャーだったりで意思の疎通にチャレンジなんせ宇宙人との会話ですからね。相当なチャレンジですよ。つ一つが実験なんです。全く先が読めません。観てるコチラも心配になっちいます。応援したい気持ちになっちゃいます。感情移入ですね。上手いですねー。
 
そして、今作最大の謎である「宇宙人は地球へ何しに?」というメッセージを探って行く訳です。
 
さらに、宇宙人との対話チャレンジの最中、主人公が娘の生きていた頃を回想シーンで何回も思い出すんですね。色んなシーンで思い出すんです。その娘が赤ちゃんだったり、反抗期だったりで年齢がバラバラ。そんな主人公のバックボーンにも謎があるんです。超斬新なSF映画です。
 
UFOや宇宙人の造型がまた斬新。グレイタイプが主流のハリウッドで「こんな感じか!」っていう。知的な感じよりゾウとかダイオウイカのような巨大動物系。コミュニケーションも取れるのか微妙なビジュアル。
 
そんな宇宙人との対話はガラス(のような物)越しに行われるんです。ボクはあれ、スクリーンみたいだなーっと思ってました。画面ですよ。パソコンとかの。って事はパソコンの中身はネットですよ。宇宙人の文字が丸い円なんですけど、もはや記号ですよね。だから、あれ、ネットの世界のメタファーだと思うんですよね。意志が伝わるか分からない相手と記号で会話にチャレンジしてるんです。旧約聖書バベルの塔の逆版ですね。言葉の違う相手と頑張って会話するっていう。
そーゆー風に見えましたねー。
 
本作のパンフはビジュアル少なめ。一応、申し訳程度に監督や出演者のインタビューがチョロっと入ってました。あとは有識者の評論。でも、あまりピンときませんでした。本作を面白いと思った人だけ買いの1冊ですね。
 
 
『メッセージ』
★★★★☆