殺人ミッドナイトツアー映画『コラテラル』(#39)
久々に『コラテラル』を再観賞。半年に1回くらい観る好きな映画です。『ヒート』や『パブリック・エネミーズ』などのマイケル・マン監督によるスリラーアクション映画。
夢の為、毎夜、コツコツ働く潔癖症のタクシー運転手。そこへ乗って来たのが凄腕の殺し屋。運転手は、一晩で5人のターゲットを殺して回る悪夢のミッドナイトツアーへ出発する羽目に。
本作で兎に角、話題になったのが、トム・クルーズ初の悪役。イメージにない無精髭&シルバーの髪色。安定のアクションワーク。まさに空きのないプロフェッショナルを熱演。冷血に人を殺しつつ、ジャズ好きで、お見舞いには花を持って行くという人間味も。
それに対し、タクシー運転手役にはジェレミー・フォックス。コメディアン出身ながら、映画『Ray/レイ』で主人公レイ・チャールズを演じ、アフリカ系アメリカ人俳優としては3人目のアカデミー主演男優賞を受賞したお方。ムチャを言う殺し屋に対して、リアルに反応。やり過ぎないビックリ芝居が絶妙!!
そんな2人を追う麻薬課の刑事をマーク・ラファロが演じています。マーベル・スタジオ映画のハルク役でインテリ科学者と暴力怪力男の二役を演じているお方。ただ、本作でのラファロは、ピアスに髭、オールバック、革コートという出立ちで、ロスの刑事にしか見えません。
本作では、手持ちのデジタル撮影を駆使。当時としては最新のデジタル撮影を本格使用した本作。真夜中の一晩の出来事を描いているので、暗所に強いデジタル撮影が採用されたとの事。この後、フィルムへの拘りで知られるマイケル・マン監督は、デジタル撮影を多用するようになります。
殺しを止めさせようとするタクシー運転手と、どんな手を使ってでも計画を遂行しようとする殺し屋。全編通して、対立し合う2人。それでも、タクシーという同じ空間で同じ時間を共有。お互いの家族や人生観を垣間見るように。クライマックスでは独特の関係性が。
それを目線や芝居&編集の間で見せるマイケル・マンにシビれてしまいます。
星4つ
★★★★☆