ユンギボの映画日記

ユンギボ(@yungibo)によるあらすじ紹介、ネタバレなしのレビュー、解説・考察をお届け‼

2作目以降は無かった事にした最新作『ターミネーター ニュー・フェイト』

1984年に公開されたシリーズ1作目の映画『ターミネーター』。1991年には2作目となる『ターミネーター2』が公開。その後、『アバター』や『タイタニック』を監督する粉とになるジェームズ・キャメロン監督の代表作となりました。同シリーズは、幾多の作品が製作されたんですが、キャメロン監督はノータッチだったんです。所が、2019年、キャメロン監督の元に製作権利が戻ってました。そこで新たに製作されたのが、今回、レビュー記事でご紹介する『ターミネーター ニュー・フェイト』なんです。

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

なんと本作では、2作目以降のお話はなかった事に。『ターミネーター2』からの直接の正当な続編となっているのも話題に。先日のジャパンプレミアの舞台挨拶でシュワちゃんリンダ・ハミルトンなど主要キャストが来日して、マスコミを騒がしてましたね!!

前作までをおさらい

第1作目『ターミネーター』『ターミネーター』では、未来から来た兵士と人工知能搭載のアンドロイド=ターミネーターのTー800がサラ・コナーという女性を巡って戦うお話です。未来では、人間の作ったターミネーターたちが人類へ牙を向き、ターミネーター軍団と生き残った人間たちと絶賛戦争中だと。そんな最中、人間軍のリーダーであるジョン・コナーの母親=サラ・コナーを殺せば楽勝と考えたターミネーターが未来からやってくる訳です。さらに、それを阻止すべく、ジョンの右腕であるカイル・リースという兵士がサラを守りにくるというストーリーでした。生んでもない息子の為に殺されそうになるなんて、まぁまぁ飛んでもない話ですよ。不条理さはホラーレベル。演出はサスペンス・スリラー。その飛んでもない怪作っぷりに、低予算ながら大ヒット!!一応、ラストはカイルの死と引き替えにターミネーターを撃退。サラの命は救われたんです。

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

ターミネーター2』人間の作ったターミネーターたちが人間への攻撃を開始した<審判の日>。 そんな審判の日に備えて、ムキムキに鍛えてるサラ・コナー。息子のジョンは反抗期。そんな2人の前に現れたのが、体を変幻自在に変えられる新型のターミネーター=Tー1000。ヤベーと思ってたら、前作で破壊したTー800まで。実は今回のTー800は未来でサラを守るように再プログラミングした味方なんですね。母親の"審判の日"話を疑っていた息子ジョン。ジョンとTー800の疑似親子関係。それを複雑な心情で見つめるサラ。前作にも増して、人間ドラマも映像もグレードアップ。大ヒットしました。

本作のあらすじ・ストーリー(ネタバレなし)

前作の直後から物語スタート。前作の活躍で"審判の日"を食い止めたサラとジョンの親子。突然、T-800が現れ、ジョンを射殺。残されたサラ。そこから、さらに22年後のメキシコ。自動車工場で働く女性ダニー。彼女の前に、突然、"REVー9"なる未来から、超ハイテクなターミネーターが登場。周りの人々を巻き込みながら襲ってきます!! 事情も解らぬままテンパるダニー。そんなタイミングで、登場、現れたのが、未来からダニーを守る為にやって来た女性兵士のグレース。なぜ、ダニーはターミネーターに狙われるのか?! グレースの正体は?!REVー9から逃げる2人の元へ、またも突然、現れるのが、なんとサラ・コナー!! 大量の武器を投入してREVー9を一時的に撃破するサラ。なぜ、サラが現れたのか?! また、この22年の間、何をしていたのか?!そして、そんな逃走劇にT-800も参戦!! 果たして、今回は敵なのか味方なのか?!

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映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』本予告【新たな運命編】11月8日(金)公開

評価・感想

本作はサプライズだらけ!! 冒頭から、『ターミネーター2』時代のジョン役のエドワード・ファーロングやサラ役のリンダ・ハミルトンターミネーターT-800役のアーノルド・シュワルツネッガーをCGにて再現。ファンの度肝を抜きます。そして、前作『ターミネーター2』で回避したはずの"審判の日"。それでも、「やっぱり人類はいらねー」と別の人工知能が判断。人類を襲ってくるというダークな未来が明らかに。勿論、本作でターゲットにされるのはダニー。ダニーを守る為に送り込まれたのがグレース。それでも、ジョン亡き後、ターミネーター狩りに全人生をかけていたサラの執念の物語でもあり、シンプルなストーリーラインながら情報量はパンパン。もっと言うと、ジョンを殺した後、行方不明になっていたT-800にもドラマが用意されており、これまたグッとくるドラマなんですよ!!自動車工場から始まり、ハイウェイを逃走。アメリカ横断のメキシコ経由でクライマックスへと長旅ロード・ムービー仕様。『ターミネーター2』を思い出させる旅の中でのケンカ&結束ドラマも展開。勿論、人間不信(ロボット不信?)のサスペンス要素も。

監督・キャスト

ティム・ミラー監督

前作『ターミネーター』『ターミネーター2』の監督でシリーズ生みの親であるジェームズ・キャメロンは、本作では製作へ。実際、メガホンをとったのは、ティム・ミラー監督。誰も期待してない所から『デッドプール』をヒットさせた監督です。ちょっと不安になっちゃうと思うのですが、ご安心ください!! 自称"SFオタク"のミラー監督。本作の製作に辺り、ジェームズ・キャメロンのメッセンスを受け継いだ「ターミネーター」にする為、様々な取り組みを行ったとの事。まずは脚本作り。知り合いの小説家たちを集結。『ターミネーター2』の続編をどうするかを相談。あらゆるアイディアを募集。メンバーの中には、『バットマン ビギンズ』や『ダークナイト』のデヴィッド・ゴイヤーや小説「ダーウィンの使者」や「天界の殺戮」のグレッグ・ベアスピルバーグの『宇宙戦争』や『アバター2』のジョシュ・フリードマン、『アイアンマン3』のウォーレン・エリスなど。

リンダ・ハミルトン

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

ターミネーター2』までサラ・コナーを演じたリンダ・ハミルトンが復帰。今まで同シリーズのオファーはあったものの、お断りしてたというリンダ。今回は、ジェームズ・キャメロンが参加しているとの理由で復帰!! サラ役復帰の為、アスリートを鍛えてきたフィットネスの専門家や空挺部隊レンジャーやグリーン・ベレーの経験を持つ軍事アドバイザーなどに体を鍛え直してもらったとの事。年齢を感じさせない熱心さでカート・ラッセル化しています。その成果もあって、そこそこの銃器を次々に使い捨てにする登場シーンの破壊力!! メチャクチャ格好いいです!!

アーノルド・シュワルツネッガー

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

やはり、T-800を演じるのは、ご存知……というか、お約束のアーノルド・シュワルツネッガー。本作のお陰で(?)パラレルとなった『ターミネーター3』にも出演したシュワちゃん。『ターミネーター4』では、カルフォルニア州知事してて、CG出演。『ターミネーター:新起動/ジェニシス』では現在の中年の姿で登場。本作でも白ヒゲをたくわえた姿で復帰。現役バリバリの存在感です。

ナタリア・レイエス

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

本作で命を狙われるダニー役には、コロンビア生まれのナタリア・レイエス。出演作品は少ないものの、物語のキーパーソンとなる役どころを熱演。

マッケンジー・デイヴィス

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

さらに、今回は人間ながら体を半ロボで強化した女ソルジャー=グレースが登場します。グレース役には、『ブレード・ランナー 2049』や『タリーと私の秘密の時間』のマッケンジー・デイヴィス。彼女もリンダ同様、ハードなトレーニングとハイ・プロテインで女戦士の体作りへチャレンジ。

ガブリエル・ルナ

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

敵キャラは、どんなに破壊しても復活する上に2体に分離して分身の術も使えるREV-9。REV-9役には、映画『バーニー/みんなが愛した殺人者』やドラマ「エージェント・オブ・シールド」 でゴースト・ライダーを演じたメキシコ系アメリカ人のガブリエル・ルナ。本作の役作りでは、『ターミネーター2』で液体金属ことT-1000役を演じたロバート・パトリックの無機質芝居を参考にしたとの事。役作りはそれだけに止まらず、T-1000のスピーディーさ、シュワちゃんのT-800のマッチョさを目指したそうです。その為に、シュワちゃんと一緒にトレーニングジムへ行き、もはや弟子のようにシュワ直伝のトレーニングを行ったそう。最後には、師匠と弟子のような関係へ。

まとめ

1作目では科学者だったのに、2作目ではハードな戦闘女子に変身した『エイリアン2』のリプリーや『アリータ:バトル・エンジェル』、ドラマ「ダーク・エンジェル」など、キャメロン映画の意思を引き継ぎ、お約束である強い女性(そういう意味では、『タイタニック』のローズもある意味、強い女性でした)が登場!! また、今回、中心人物として、サラ・コナーを復活。サラ三部作として見る事もできる物語を完結。『ターミネーター2』の疑似家族の関係をさらに押し進めた事でもキャメロンのエッセンスが濃厚です。監督を襲名したティム・ミラーは、次から次へと謎の登場するミステリアスな脚本を用意。数々のアクション・シーンでストーリーを語り倒した訳です。結果、大満足の一本を観賞できました!!

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(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film