ユンギボの映画日記

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カラスの力で蘇った不死身の男『クロウ/飛翔伝説』(#29)

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ザ・シネマにて【木曜洋画劇場版】(テレビ東京)観賞。

ハロウィンの夜。恋人と共に、チンピラたちに殺された主人公。1年後、カラスの力によって蘇り、不死身の力をもって、復讐を果たしていくカルト・ムービー。
もう、このストーリー説明だけで、突っ込み所が満載。なんですが、まぁ、それが本作の魅力。愛嬌。カルト・ムービーになった由縁なんですね。

何の説明もなく、土の中から出てくる主人公。なんで1年の時間経過が? どうして生き返ったの?? ボクらの素朴な疑問へはノーコメント。
本人も事情が解らない設定で、おぼろげな記憶から犯人一味の一人を迷わずブッ殺す!! 怖いね!!
撃たれても、刺されても、傷は自然修復。死なない体になってても、本人はあまり驚かない。些細。気の小さいボクの方がビックリ!!

面白いのは、街の“良い警官”へ「事件の概要を教えて!」と聞きに行く展開。2人のバディ要素追加。その際、触れるだけで、相手の記憶を見れるという追加能力も判明。特殊能力の割にトッポイ素の顔が可愛いクロウ。

どうやら、恋人の死は、立ち退きのサインをさせる為、街のマフィアの暗躍による事件と解ってきます。そこから、構図はクロウVSマフィア組織へ。その中で、街のアバズレや、その娘、警官たちとの人間ドラマ要素も追加。

これだけ「?」な本作ではありますが、悔しい程に主人公クロウがカッコイイ!! 中盤のマフィア組織の会合へ出向く銃撃戦のシーン。黒と白のコントラストが強調された画面。札束が飛び交う中、様々なタイプの銃が乱射。二丁拳銃で、次々とマフィア幹部たちを撃ち殺していくクロウが超クール!!

主人公のクロウを演じるのは、ブルース・リーの息子、ブランドン・リー。本作の撮影中に銃器の手違いで玉が発射され、その事故で死亡。本作が遺作に。28歳の若すぎる死も、当時、話題になりました。

本作の裏主人公と言っても良さそうなのが、街並み。街の情景カットは、恐らくミニチュアを使った特撮。昔のティム・バートン映画みたいな感じだと思います。

残念ポイントは、こんな追加増々な映画なのに、悪役が全く魅力的じゃない事。クロウの特殊能力の無効化にも成功するのに、格好良い訳でもなく、頭がキレる訳でもない……というラスボス。

【ソフト版】の吹き替えでは、クロウ役を池田秀一さんが演じていたのに対し、今回の【木曜洋画劇場版】は宮本充さん。池田秀一さんのシブさに対し、宮本充さん版には、ヒョウキンな一般人感があり、主人公に親近感が湧きます。素晴らしいですね!!


星2つ
★★☆☆☆