ユンギボの日記

ネタバレなしの映画感想日記。

『グッバイ、ゴダール』

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『グッバイ、ゴダール』を観賞。

カリスマ映画監督とそのミューズ。終息へ向かう濃密な恋愛劇。

本作は稀代の天才映画監督であるフランスのジャン=リュック・ゴダールの2人目の妻:アンヌ・ヴィアゼムスキーによる自伝が原作。故に、本作はゴダールとヴィアゼムスキーの史実を元にした映画なんです。でも、カリスマ天才監督と駆け出しの女優のラブ・ストーリーでもあります。

最初はカリスマ監督に全てを任せる20歳のヒロイン。あどけなさの残るヒロイン。全てをコントロールしたい監督。物語が進むにつれ、ヒロインは監督の様々な部分を見て、大人の女性に成長していくんです。ヒロインが大人になればなるだけ、2人の距離が離れていく切なさ!! 観ていて胸がキュッとなります!

何と言っても、ヒロインを演じるステイシー・マーティンの美しさ、可愛さ! 前半の笑顔を絶やさないキュートさから、後半のクールな表情。本作のミシェル・アザナヴィシウス監督も「彼女の顔には悲劇的な美しさがあり、ガルボのようなサイレント女優的な趣きもある」と語ってのキャスティング。ミシェル、(*^ー゚)b グッジョブ!!
モデル出身のスラッと体形で1960年代のお洒落な人しか着れないファッションを着こなしていきます。と言うか、この時代のフレンチカルチャーでパンパンです。セットもカラフルなパステルカラー。壁の落書きでさえシャレオツ!

そして、本作はコメディでもあります。当時、ゴダールはどんどん政治闘争へ身を投じていき、とうとう物語の前半で「商業映画との決別宣言」をします。そんな熱意が空回りなゴダールをユーモラスに演出。ただ、フランス人のコメディなんで、とにかくシュール。シュールなシュチュエーションがおかしい系の笑いなんで、日本人には笑いにくいかも。恐らく、日本ではコメディという宣伝もしないと思います。
ただ、このユーモアがハマったら、かなり笑えます。後半の狭い車の中での1カットによる口論シーンなんか爆笑です!!

もっと言うと、ゴダールのバックボーンを知ってないと笑えないシーンも多いです。ただ、映画好きな方なら、白黒サイレント映画へのオマージュをスパークさせた『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督が、本作でゴダール愛を映像で語り倒している事が解って頂けると思います!! カットの割り方、アングルの切り取り方、照明まで当時のゴダールオマージュになってます。全カットがツボでした!

また、政治闘争から学生運動への参加、カンヌ国際映画祭を中止に追い込んだ事件などの映画史の一角も描かれ、ベルトルッチトリュフォーなど著名な監督たちも登場。ゴダール役のルイ・ガレルのソックリ度など、見所は尽きません。

それにつけても、ウディ・アレンを始め、何でパッとしないビジュアルの映画監督たちがモテるのか……という長年の謎。その謎も本作で解明されます。要は才能ある男はモテるという結論でした!!!!! グッバイ、ゴダール!!!!


『グッバイ、ゴダール
★★☆☆☆
星2つ

6/15Voyantroupe第4回本公演「Paranoia Papers ~偏執狂短編集Ⅳ~」

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Voyantroupe第4回本公演「Paranoia Papers ~偏執狂短編集Ⅳ~」をサンモールスタジオで観劇して来ました。

シリアルキラーや殺人を題材にしたシリアス路線やブラック・ユーモア路線など偏った中で様々なバリエーションのオムニバスで見せていく「偏執狂短編集」シリーズの最新公演。

本公演は、【赩(きょく)の章】(上演時間:3時間15分)と【黈(とう)の章】(上演時間:2時間30分)の2つの章によるオムニバス形式。非常にボリューミーです。日によって2つの章のどちらかを上演してる訳ですが、ボクは「ぶっ通し」公演という2章立て公演を観てきました。上演時間が6時間近い、頭のおかしい興行になっております。



【黈(とう)の章】
・「毒妃クレオパトラとアルシノエ」
野心満々なクレオパトラを中心に、ピュアな妹、権力争い真っ只中の2人の男たちが繰り広げる陰謀劇。
オール日本人キャストにも関わらず、外人にしか見えないキャスティングで重厚な語り口。
物語と直接は絡んでこない蛇まみれのオネーちゃんたち、スモークたっぷりのステージ上や、アヘンにより性欲を爆発させる設定など、怪しい魅力がスパーク。
一発目から圧倒的世界観を見せつけられ、ただならぬ雰囲気。

・「レディ・ゴダイヴァとピーピングトム」
どこかの貧困にあえぐ国を舞台に、納税を自分のさじ加減で取りまくる領主。
領主の妻のドレスメイカーである女の助手の男を狂言回しにしつつ、彼の暗躍していくストーリー。その中で、納税の引き下げを求める村の代表者、世間知らずな領主の妻、挙げ句、覗きが趣味で追放された前領主など、キャラの濃い登場人物たちが右往左往するブラック・ユーモア満載な一本。
話が二転三転と転がっていく様も面白く、シェイクスピアのコメディ作品を彷彿とさせました。今公演で、1番、ボク好みな一本でした。

・「ウェストご夫妻の偏り尽くした愛情(風)」
隣人たちが、引っ越してきた夫婦のパーティーを開くものの、それが飛んでも展開に。ノーテンキなノリで殺人にまで発展するブラックすぎるコメディ。
実は以前の公演でも同じ演目を観ているのですが、今回はキャストが一新。年齢層が若くなった分、学芸会的ソフトなチープさが破天荒すぎるストーリーとマッチ。個人的には、以前の公演版よりも楽しめました。



【赩(きょく)の章】
・「俺はアンドレイ・チカチーロ」
稀代なシリアルキラーであるチカチーロの半生を舞台上で再現するという今回、1番、力を感じた作品。
青年期と成人期を別の役者が演じる事で、リアルタイムである演劇の時間的飛躍を表現。尚且つ、シリアルキラーへの覚醒まで演出している手腕に脱帽&興奮。
何が怖いって、全然、似てないと思っていたチカチーロ役の役者さんがクライマックスでソックリに見えた事。もう最後にはチカチーロにしか見えなくて唖然としました!!
ちなみに、『ロシア52人虐殺犯/チカチーロ』というテレビ映画もあるんですが、その中のチカチーロより似てました!!
ただ、犯行シーンは事前に撮影された映像を流す演出がされているんですが、その映像がチープ過ぎて!! 職業柄、この映像のチープさがハナにたついて、残念すぎました。これなら無い方が良かったレベル。

・「切り裂きジャックたるために」
チカチーロに続き、実際の連続殺人事件である切り裂きジャックを題材にした一本。なんですが、実録路線で見せたチカチーロと違い、自殺したジャックが登場……というキチガイ過ぎる設定!!
しかも、「切り裂きジャック事件は被害者は5人と言われているが、自分の犯行は4人だけ。5人目の犯人を探して、切り裂きジャックの後継者にする」という架空裁判テイスト。
並んだ被害者の売春婦たちと犯人候補生たちがジャックの前で犯行を再現していくという、これまたトンデモ展開に。
とにかく、先の読めないストーリーがスリリング&ドラマチック!!

・「ウェストご夫妻の偏り尽くした愛情(闇)」
上記の「風」編と同じストーリーながら、キャストと演出を一変。オフビートというよりゾンビのような演技と薄暗い照明でダークなトーンに。
ただ、演出の意図がさっぱり解らなかったです。要は、このバージョンを作った意味が解らなかったですね。
元の脚本が良かっただけに悪変させてる印象でした。ボクが「風」バージョンに引っ張られてるのか、「風」バージョンを観てないと楽しめないような気がしてしまいます。
今公演で1番、つまらなかったです。


以上の6本立てになりました。
舞台ならではの生々しさがダイレクトに伝わってくる公演ですので、舞台好きにも無条件にオススメできます。

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6/11『ゲティ家の誘拐』

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『ゲティ家の誘拐』を観賞。

巨匠=リドリー・スコット監督による実録誘拐事件をサスペンスフルに映像化。

1973年のローマ。美少年が男たちに誘拐される所から始まります。誘拐されたのは、”世界一の大富豪”と言われた石油王のジャン・ポール・ゲティの孫。身代金は1,700万ドル(当時のレートで約50億円)。……というタイトル通りなお話。

しかし、この事件でセンセーショナルだったのは、ゲティさんが「金は一銭も払わない」と発表した事。実はゲティさん、超ドケチだったんです。それでは困ると誘拐された少年の母親はゲティさんに「金を出せ!」と訴えるんですけど、取り合ってもらえません。
そこで、ゲティさんの依頼を受けた元CIAの男とお母さんが犯人グループと交渉にあたるエピソードと犯人グループの元で監禁されてる少年のエピソードが同時進行で展開。

本作の脚本を担当したデヴィッド・スカルパ
「最も難しかったのは全体のバランスで、スリラーとシェイクスピア的な家族ドラマの間を行ったり来たりする構造をめざした」
との事。おっしゃる通り、重厚な語り口の中で、ハラドキな緊張感あふれたサスペンスになっておりました!

さらに、本作には製作時のドタバタも話題になりましたね。2017年12月に全米公開が決まった状況で、10月にゲティさん役のケビン・スペイシーのセクハラ問題が発覚。急遽、10億円かけて、クリストファー・プラマーを代役にして再撮影。わずか9日間でゲティさん出演部分の追加撮影を行い、何とか公開に間に合った訳です。そんな事件があったにも関わらず、むしろ、プラマーは88歳でのアカデミー賞の演技部門ノミネート者で歴代最高齢記録を更新。

急な代役を頼まれたプラマーは
「撮影日数は限られていたが、ありがたいことに私は記憶力が良く、次から次へと撮影を進行してくれるので、連続して演技ができ、(中略)全体の流れがスムーズで助かった」
「リドリー(本作のリドリー・スコット監督)はビジョンがはっきりしており、頭の中ですでに編集をしているので何度もテイクを重ねる必要がなかった。」
と謙虚に語ってます。

お母さん役のミシェル・ウィリアムズ
「朝、撮影現場に着くと、『さあ仕事が始まるよ。カメラはこのアパートの至る所に隠されている。最初はここから始めてもらって、終わりはあそこかな。リハーサルもカメラを回しながらやろうか?』って具合に仕事を進めることが多かった。気に入ったカットが撮れると、『さあ、次はどこだっけ?』ってどんどん先へ進めて、1~2テイクで終わらせちゃうの!」
リドリー・スコット監督の現場を語ってます。

当のリドリー・スコット監督は
「映画会社がケビン・スペイシーをゲティ役に推してきた時は、うーんと思ったが、クリストファー・プラマーはイメージどおりだった。」
クリストファー・プラマーのおかげで全然違う映画になった。スペイシーのゲティはひたすら冷酷なだけだった。しかしプラマーには心の奥に隠した温かさ、寂しさ、人間味がある。ユーモアもね。おかげで、本当に哀れな男として深みが出た。」
と本当はプラマーが良かった発言をしてるんです。

ちなみに、元CIAのゲティさんお抱え調査員を演じるマーク・ウォールバーグにも一悶着あったんです。ウォールバーグは追加撮影に対して、通常のギャラである150万ドル受け取っていたんです。でも、お母さん役のウィリアムズのギャラは1000ドル以下。スコット監督はほぼノーギャラ。そんなギャラ格差事件が明らかになり、ウォールバーグはヤバいヤバいと、追加撮影分のギャラ=150万ドルをセクハラ撲滅運動「Time's Up」の基金に寄付。何とか収まりました……という。
そーゆーうるさ過ぎるバックボーンを知ってみると、やたらに感慨深い一本になっておりました。


『ゲティ家の誘拐』
★★★☆☆
星3つ

※写真は特殊メイクごてごてのケビン・スペイシー版と代役のクリストファー・プラマー版。
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6/10『ビューティフル・デイ』

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ビューティフル・デイ』を観賞。

極端な説明を排したハードボイルド調な作風とシリアスな展開。突然のブラックなユーモラス。ジャンルも観客の感情もゴッチャゴッチャにする孤独な男の戦い映画。

主人公は闇のお仕事請負人。上院議員から「娘を売春宿から救出してくれ」というシンプルな新規案件を引っ提げ、完璧な仕事を淡々とこなしていく主人公。
チンピラたちをハンマーで野蛮に殴り殺して、見事、上院議員の娘を救出……と思ったら、突然、行き先不明の逃走劇に発展!! 状況は混乱を極め、観る者を飽きさせません!

さらに、主人公には軍人時代に見た陰惨な風景のトラウマや子供の頃に虐待を受けたトラウマもあり……というトラウマの総合総社のような人物。ゆえに、フラッシュバックする過去&妄想の中で己と戦っているんです。
とにかく、細かい説明は抜きだぜ!というドンブリ男飯のようなストーリー展開。とか言いつつ、本作のリン・ラムジー監督は女性。実はきめ細かい演出をさりげなく味付け。
老いた母親と二人暮らしという主人公のバックボーン。そんな描写の中には、ボケが始まっているらしい母親とのコミカルなヤリトリ。そこはかとない愛情を垣間見る事が出きます。

主人公を演じるのは、3度のオスカーにノミネートされた割りに、『インヒアレント・ヴァイス』ではヒッピー探偵、『教授のおかしな妄想殺人』で完全犯罪にとりつかれた大学教授と、もはや怪演という言葉がシックリくるホアキン・フェニックス。本作でも、だらしないながらも筋肉質な肉体に、自殺願望丸出しで、もはやサイコパスにしか見えない風貌。なのに、少女を救おうとする複雑が具現化したようなキャラで、彼の魅力が炎上しています。見事にカンヌ国際映画祭で主演男優賞を授賞!!

レディオヘッドジョニー・グリーンウッドによるホラー映画のような音楽。監督の元カレで監督いわく「阿吽の呼吸」と語るカメラマンのトーマス・トウネンドによるエッジの効いた映像。そして、リン・ラムジー監督のスピーディーな脚本……と様々な要素が良い方向へ転がり、独特な空気を醸し出す傑作です!!

パンフは、監督&ホアキンのインタビュー、コラム記事、さらに原作との変更点など、様々な角度から本作を紹介。本作のファンなら買いの一冊。


ビューティフル・デイ
★★★★★
満点5つ星

6/10『ファントム・スレッド』

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ファントム・スレッド』を観賞。

1950年代のロンドン。舞踏会に着ていくような豪華絢爛なドレスを作る鬼才のデザイナーを主人公に、男女のイビツな恋愛関係をサスペンスたっぷりに描いたのが本作。

主人公は、ドレス作りの鬼才のデザイナー……というか、もはや奇人レベルの変り者。単調で静寂な日常の中でドレス作りを淡々と進めていのが彼のやり方。
そんな男が、テーブルにぶつかるレベルで仕事の出来なさそうなウエイトレスの女と出会うんです。そこからは、電光石火の勢いで、我が家へ招き入れ、共同生活が始まります。ですが、この女が抜群に空気を読めない女だったんです。
皆が感じた事あるであろう、空気読めない奴の空気を読まない行動って、かなり恐怖ですよね! それをサスペンスとしてアクセルMAXで描いたのが朝食のシーン。

毎朝、静かな朝食の場でデザイン画を描き溜めるのが、デザイナーの習慣。そこで、カチャカチャ音を発てながら朝飯を食って、デザイナーの集中力を削ぎ、イラつかせます。
挙げ句、デザイナーの身の回りの世話をする妹に「あの人、神経質なのよ」と言い放つ有り様! ただ飯を食うだけのシーンで、こんなにヒヤヒヤするのか!!
※この映画、コメディじゃないですからね!

空気は読めないなりにも、私のことを愛して欲しい精神に従順な彼女は乱暴すぎる素直をスパークさせていきます。次々と「だから止めとけって!」と思う行動を繰り返していくんです。
「これじゃあ、デザイナーも愛想尽きるぜ」と思っていたら、後半、まさかの流れに!!
常気を逸した行動に、もう目が話せない展開に!

本作で神経質すぎるデザイナー役を演じるのは、やり過ぎ役作りで有名なダニエル・デイ=ルイス
実在の脳性麻痺の画家を演じた『マイ・レフトフット』では車イスで生活。モヒカン族を演じた『ラスト・オブ・モヒカン』では、6ヶ月間かけてサバイバル術を習得。『ボクサー』ではプロボクサーと週3回のスパーリングを3年続けた……という、仕事熱心なお方。本作でも、ニューヨーク・シティ・バレエ団の衣装監督に弟子入り。裁縫から立体裁断、寸法の仕方などを習得。最終的には、ブランドもののスーツを複製できる腕前に。
そんな安定の演技力で3度目のアカデミー賞主演男優賞を授賞。

前半の豪華絢爛ながらも、おっとりした展開は多少、退屈。ですが、そこを活かして、エッジを効かせた後半のサスペンスは見事。ヒッチコックの『レベッカ』を意識したという作風でアカデミー賞作品賞も授賞してます。

パンフはスタッフ&キャストのインタビュー記事は少なめではあるものの、映画が出来るまでを追って紹介しているので、バックボーンを知るには打ってつけの一冊でした。

ファントム・スレッド
★★★★☆
星4つ

6/9『万引き家族』

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万引き家族』を観賞。

万引きする家族のお話です。万引き、良くない! でも、万引きのシーンはそんな多くないんです。家族のシーンはいっぱいです。
そんな家族が、親に虐待を受けているとおぼしき女の子を連れて来ちゃう。万引きですよ! 要は、家族を万引きしてくるんですよ!

で、観てたら徐々に、家族のように生活している一家が、実は血の繋がりのない他人って事が解ってくるんですね。
キャストは疑似パパ役にリリー・フランキー。疑似バアちゃん役に樹木希林。疑似ママ役で安藤サクラ。近所の駄菓子屋のオヤジ役に柄本明。……と、オフビート芝居な芸達者揃いで、ドキュメンタリー畑の是枝監督のリアル思考を満足させる面子。ゆえに、社会派ヒューマンドラマの本作にコミカル&ユーモラスを与え、見易くしてくれてます。
そんな中、オーディションで選ばれた演技初挑戦の子役の2人がナチュラル芝居で主役を演じています。

リリーさん演じる疑似パパは、「お店にある物はまだ人の物になってないから盗んでOK」という俺ジナルな教育方針の持ち主。ジリ貧の家計を助ける為、子供たちに高等万引きテクを教えてるんです。
その教育方針を素直に信じてた主人公の少年でしたが、ある事をキッカケに万引きが犯罪だと自覚。罪悪感&戸惑いがスパークして、行き先不明のストーリー展開となって、後半、ゴロゴロ転がっていきます。そして、全くの他人と思っていた家族がどのように疑似家族化したのか? そこから彼らの関係が明らかになっていきます。

本当の家族の元を離れたときに着てた服を小滝あげするシーンや、家族で花火を見上げるシーンなど、日本の土着文化感も交えつつ、絵空事っぽい画作りやマンションに囲まれたボロ家のロケ地など、寓話風味な仕上がりに。

そーゆー描写のせいかは知らないですけど、カンヌ映画祭で21年ぶりの日本人監督によるパルムドール(最高賞)を授賞した本作。

パンフはパルムドール授賞前に作られたせいか、その話には触れてないのですが、監督の着想や各スタッフ&キャストのインタビューにより、独特の現場での是枝演出が垣間見える内容。様々な読み解きのできる本作へのコラム記事も良かったので、オススメです。


万引き家族
★★★★☆

5/31『デッドプール2』

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デッドプール2』を観賞。

前作にも増して悪ノリ、アクション、ストーリーがボリュームアップした続編。まさか、ブラック・ジョーク満載のアクション・ヒーロー映画で泣いてしまうとは……。

前作では、運命の女性に出会った主人公のデップー。しかし、今回のデップーは次のステップ→家族作りに憧れるんです。しかし、ソッコーでその夢を絶たれたデップーは絶望。死ないのが彼の特殊能力なのに自殺にチャレンジする程(勿論、死ねません)。所が、たまたま出会ったポッチャリ系怒れるティーンなミュータントの少年と出会い、彼を更生させようと思い立つんです。しかし、そんなタイミングで未来からやってきた戦闘ソルジャー=ケーブルが登場……。

後半戦はケーブルの目的が明らかになり、捕まった少年の救出作戦と、さらなる強敵の登場、デップーが一緒に戦う仲間たち=Xフォースを結成……と目まぐるしいストーリー展開。

今回も様々なメタファーやパロディ満載。とりあえず、観客に話し掛けるメタ描写、「007」シリーズのパロディなオープニングが爆笑なんですが、1番はやはり敵キャラのケーブル。『アベンジャーズ』では最大の悪役サノス役のジョシュ・ブローリンが演じてるんですね。これは、サノス対デッドプールの夢のコラボです!!

その他、新キャラ続々にも関わらずのバランスの良さ。BGMの選曲センス。挙げ句に、デップー役のライアン・レイノルズの過去作やデップーの黒歴史まで茶目っ気たっぷりにイジり倒しています。そこまでして、1作目や「X-MEN」シリーズを観てない人も楽しめる親切設計。

パンフは、スタッフ&キャストのインタビューを元に各コンテンツを紹介する豪華仕様で、おふざけ無しの真面目な作りで、読み応えたっぷり!
裏話を知りたい方へオススメの1冊。


デッドプール2』
★★★★★
満天5つ星