ユンギボの日記

ネタバレなしの映画感想日記。

【観劇】Voyantroupe第4.5回本公演『Paranoia Papers ~偏執狂短編集ⅣΣ~』【橡(つるばみ)の章】&【橡(つるばみ)の章】

f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020620j:plain
本日、Voyantroupe第4.5回本公演『Paranoia Papers ~偏執狂短編集ⅣΣ~』の「橡(つるばみ)の章」&「橡(つるばみ)の章」をサンモールスタジオで観劇。
誰に頼まれた訳でも、誰かに許可をもらった訳でもないのですが、ストーリー的なネタバレはしないように覚書を残します。

f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020927j:plain
【橡(つるばみ)の章】
f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020759j:plain
①「こちら側の世界―Sabbath―」
1本目からパンチが効いてます。何故なら、本作が裸祭りだからです。何かの儀式という事は解るのですが、それが何の儀式やら明確な説明はありません。もはや、ここまで説明ないと、あーだこーだ言う事さえ不粋な気がします。何なんですかね、これは?
ただ、もうビジュアルの演劇といった印象。映像だとキスシーンや濡れ場シーンを観ても、大したインパクトは無いですよね。それが、演劇となると違います。目の前で生身の人間がキスをする、裸になる……って、思った以上の破壊力があります。
それを受けて、映像だとパンチ不足でも、世の中には、そういった性質を活用した様々な演劇があります。寺山修司みたいに文章的セリフの妙を見せる演劇。セリフ回しと舞台装置が役者の熱量とコラボする唐十郎。圧倒的な芝居圧力とビジュアルの絢爛さで見せる蜷川幸雄。或いは、役者の動きや言葉遊びでテーマをメタファーでコーティングした野田秀樹
それで言うと、本作はビジュアルの演劇なんです。モチーフやセットなどのビジュアル力。その中で役者が、まさに丸裸になる生々しさ。これぞ、演劇力という見ちゃいけないものを見てしまった感。映画『アイズ・ワイド・シャット』の儀式のシーンを生で観たようでした。

f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020823j:plain
②「アーサーシャウクロスは戦いたい」
本作は、ベトナム帰還兵でPTSDを患い、連続娼婦殺しを犯したアーサーさんのお話。物語は子供時代のアーサー少年の話からスタート。叔母さんからの虐待&母親の愛の喪失。それらが、大人になったアーサーにどのように影響を及ぼすのか?
時間は一気に飛んで、戦時下のベトナムベトナムの女性たちをレイプするアメリカ兵たちは完全に道徳観念を崩壊させています。
そんなベトナムでの地獄絵図と帰還後のテレビでの討論番組が交互に描かれ、ベトナムでの帰還兵たちの行いをジャッジしていく訳です。ウーマンリヴ活動家たちに責められる帰還兵たち。
討論番組シーンはプロジェクターにより投影されている映像演出で見せていくんですが、この映像がとにかく雑。最初は、投影番組という設定さえ飲み込めませんでした。本公演で一番、不満が残る箇所でもあります。
アーサー役は男優なんですが、アーサー少年役に女優をキャスティングしてるのが絶妙。子供時代をファンタジックに描き、そのギャップでベトナム時代を生々しく感じられます。また、夢うつつなシーンでアーサーとアーサー少年が語り合う事も可能にしており、自問自答と迷走を表現。
何やらメタっぽい描写も多々あるのですが、正直、全ては理解できませんでした。さらに、意図的かもしれないのですが、ダレ場が多く、集中力が切れてしまいました。
演劇なので、舞台セットには限界があるはずなのに、逆に創造力を刺激。映画『7月4日に生まれて』や『キリング・フィールド』辺りの泥臭い路線のベトナム戦争がフラッシュバック。脳内合成されながら見てました。

f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020849j:plain
③「 日本に置き換えております<ナポリの豊年祭のこと<「悪徳の栄え」より<マルキ・ド・サド著 」
マルキ・ド・サドの「悪徳の栄え」が原作という事で観ながら、あぁ、そう言えばそーゆー話だったな……と思いながら観劇。
完全に集中力が切れて中で始まったのが本作。
話はとうとう満州ときた。ヨーロッパ的ビジュアル、ベトナムアメリカを描き、3本目で満州というビジュアルチェンジはオムニバスだから楽しめる良さ。集中力もやや回復。
貴族たちによる、残虐遊びとそれに巻き込まれた人々は、一周してユーモラス。
中でも、普段は清楚なお嬢様キャラだけど、人が残虐な目にあってるとエクスタシーを感じるという、このジャンルを好きな人間なら大好物の人物が登場。エクスタシーが残虐描写が共にエスカレートしていくコラボ技にテンション上がりまくります。それだけでも大分、滑稽でコミカルなんですが、さらに周りの人間も巻き込まれていく不条理な笑い。誰も笑ってなかったけど、ボクだけ吹き出し笑い連発。不謹慎かもしれませんが、あまりにも勢いのありすぎる悲劇は喜劇的に見えるもので、突然、バタバタ人が死んでいく本作に、思わず笑ってしまいました。
その中で人間の道徳心や残虐性みたいなものを問うような物語だったはずなんですけど、流石に脳ミソの許容範囲がオーバー。疲れてしまい、ほとんど忘れました。ごめんなさい。


f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020941j:plain
【聴(ゆるし)の章】
f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629020951j:plain
①「千年狐狸精蘇妲己凌遅演義
一本目から豪華絢爛な圧倒的ビジュアル。優美なモチーフと不条理なストーリー。見ているだけで、思わずウキウキしてしまいます。
本作は中国王朝。王と王妃は残忍夫婦。そこへ父を捕虜に捕られた別国の兄弟が父の奪還へ現れるんです。さらに、兄弟の弟の想い人である女性は王妃のオモチャ同様の扱いを受けているという最悪な状況。
誰がどこまでを裏読みしているのか解らない人間不信ドラマ。王妃の残酷趣味がどこまで行くものなのか予測不能なスリリングさも追加!!
王と王妃のチャラチャラした喋り方と堅苦しい他のキャラたちとのギャップはコミカル。それが後半には狂気へと早変わりする演出の巧みさ。
舞台背景ムシでファンタジーとしても楽しめる一本です!!

f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629021009j:plain
②「魔女狩り処刑人PL」
タイトルの物々しさとは裏腹に演劇らしからぬオフビートなセリフ回しでスタート。まるでアドリブのようなノリがリアル。
ただ、そこで行われているのは魔女狩りの審問。もはや我慢不可な拷問を繰り返し、「魔女かどうか」を問うゲンナリ描写。しかも、拷問はエスカレートしていき、その中での人間ドラマが描かれていきます。
お役所仕事のように審問を進める審問スタッフたち。受ける方の魔女容疑者たちは、勿論、命に関わるので絶叫。当たり前のように本作でも舞台は血だらけ。血を出すシーンを集めてるのではないかと思うレベル。そんな中、富豪の娘がワガママ放題。尋問官たちがそれに翻弄されるのが笑えます。
とは言え、ここまで観劇してると、もうビジュアルのインパクトが薄く感じてしまいました。もう目が慣れてきてるとしか考えられないですよ。

f:id:stanley-chaplin-gibo:20190629021025j:plain
③「向こう側の世界―Missa―」
【橡(つるばみ)の章】での「こちら側の世界―Sabbath―」の姉妹編的な本作。何故なら、登場人物が「こちら側~」での儀式を壁に空いた穴から覗いているという設定(ただ何故か、役者は地面に目をやっているのですが)だからです。
穴を覗く彼氏を止めようとする彼女の、本公演では一番、短いオマケ的な作品でした。
舞台に投影されるプロジェクター映像で隣の部屋の説明をしているんですが、これまた主人公の主観のはずなのに、カメラアングルが俯瞰だったり、横位置だったり、アップで切り出されたりと、バラつきが気になり過ぎて、ほぼ全くといっていい程、頭に入ってきませんでした。すいません。


全作品に共通した話。とにかく、本公演はボリューミーで、残忍とビジュアル力のつるべ落とし的公演。こんな趣味が極端に分かれそうな演劇をここまで全力でやってる公演はあまりないと思うので、演劇初心者から演劇ファンまで、是非とも観劇して欲しい作品ばかりです。いや、もはや体験というレベルのアトラクション感さえあります。これを何回もやってる役者さんたちには頭が上がりませんよ。
ただ、プロジェクター映像と芝居で見せる描写の使い分けが解りませんでした。これを何故、映像で見せるの?という疑問が払えません。
あと、端の席は完全なハズレでした!! ボクの席は上手前方だったのですが、役者さんの立ち位置と被ってしまい、プロジェクターの映像や中央の芝居がほぼ完全に見えなかったです。それだけ役者の動きが少ないという事でしょうか。かなりのシーンを見逃してしまいました。チケット代に見合わないし、ちゃんと見たかったし、結構、ストレスなので下手か中央がオススメです。これから行く人は注意してください!!
文句も書きましたが、やはり結論は「観に行って良かった」と思えましたし、オススメの公演です。

医学療法士の真実が映画に!!26日から公開の映画『栞』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20181016230103j:plain
世の中に数多ある職業映画。今まで様々な職業を題材にした作品が作られてきましたが、10月26日から公開の映画『栞』は医学療法士の日常を丹念に描いた作品なんです。

細かいニュアンスや描写の数々がとにかくリアルだと思っていたら、本作のメガホンをとった榊原有佑監督は、実は元医学療法士。監督が自身の経験を元に医療現場を映画化したのが本作なんです。


そもそも理学療法士とは?
理学療法士とは、病院や福祉施設介護施設、さらにはスポーツ関連施設など様々な分野で活躍している運動のスペシャリストなんです。
本作の主人公も、珍しい症例の病気で入院する子供や試合で下半身の麻痺してしまったラグビー選手の患者を担当しています。


ドキュメンタリーのような日常
幼いときに母を亡くし、長らく実家にも帰っていなかった主人公。患者さんたちの悩みを自分の事のように受けとめ、メンタル疲労気味。そんなタイミングで重い病気にかかった父親が入院して来ます。どんどん弱っていく父親。それでも、なかなか埋められない父親との溝。
そんな中、必死にリハビリをする下半身麻痺のラグビー選手の患者の姿を見て、元気を貰っていく主人公。
まるで、ドキュメンタリーのように手持ちカメラで主人公の日常を切り取っていく演出は静かながらも力強し。


リアルな描写の数々
実際のメニューが垣間見えるリハビリシーンや、患者が亡くなったのをパソコン上で知るシーンなど、他の作品ではあまり観た記憶のない描写がリアル。
その辺の描写も元理学療法士である榊原監督の実体験が参考になっているのでしょう。


理学療法士の監督
実は、本作の榊原有佑監督は、元理学療法士というだけでなく、CM、MusicVideo、TV、企業VP、ドキュメンタリーなどジャンルを問わず、様々な映像分野で撮影、編集、VFXなども自ら行い、腕を磨いてきたお方。本作でも、原案・脚本・監督・編集を兼任。ストイックな映画作りを続けています。


主人公を演じるのは……
主人公で、理学療法士という仕事に真実味を与えるのは、自身もスポーツ健康科学部を卒業した三浦貴大。近年は『キッズ・リターン 再会の時』、『永遠の0』、『サムライフ』、『ローリング』、『怒り』、『追憶』など、様々な映画に出演し、イイ味を出しています。さらに、今年だけでも、『ばぁちゃんロード』、『四月の永い夢』、『のみとり侍』、『3D彼女 リアルガール』に出演と、ハイペースでフィルモグラフィを埋めていく人気者。
本作でも、リアルな仕事っぷりと、静かながらもちゃんと感情の伝わってくる安定の演技力で観客の感情移入をリード。安心して観れます。


ドキュメンタリー風味のお仕事映画『栞』!!
確かに、エンターテイメント映画とは言いにくいですが、経験者は語るな職業映画で、見聞を広げたい方には、オススメの一本になっております。

染谷俊之×中村優一のイケメン2人が事件に巻き込まれる隣人トラブル・ホラー『黒蝶の秘密』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20181016140548j:plain
ホラーレベルの隣人トラブルが社会問題になっている昨今。とうとう隣人トラブル・ホラーが登場です!!
それが、27日から公開の『黒蝶の秘密』!!

まさかの隣人トラブルが恐ろしいスピードでヒートアップ!!全く先の読めない展開に発展していくミステリー・ホラー作品です!!



入居早々、こんな事件は嫌だ!!
不動産屋で知り合った男に「うちのアパート、君の探している条件に合うと思うよ」と紹介される主人公。行ってみると、確かに安くて好条件。早速、入居を決意。
所が、入居早々、部屋を紹介してくれた男が謎の死を。謎解きミッション発生!!
事件を調べていくうちに、自分の部屋に住んでいた住人たちも謎の失踪を遂げている事が発覚!!
さらに、胡散臭い大家夫婦、ミステリアスに主人公を監視している謎の女など、変な住人が続々登場!!さらには、"呪われたアパート"と呼ばれているという噂まで!!
一体、このアパートに住んでいる人々はどこへ行ったのか?!アパートで何が行われていたのか?!



こんなアパートは嫌だ!!
何かを隠しているのは間違いないが、発言のどこまでが真実で、どこからが嘘なのか、さっぱり信用できないアパートの住人たち。
悪夢にうなされ、睡眠不足。仕事もおぼつかなくなっていく主人公。職場の同僚も事件に首を突っ込んできて、状況は悪化の一途!!
そして、実は前半の何気ない会話の中に隠されていたヒントの数々!!
もう全く先が読めないスリリングな展開には、作品の世界観に強制参加!!



染谷俊之×中村優一!!
仕事は出来るが社交性のない主人公を、映画「羊をかぞえる。」シリーズのほか、ミュージカル「テニスの王子様」、舞台『弱虫ペダル』、『銀河鉄道999 GALAXY OPERA』など、映画&舞台で活躍する染谷俊之。 共演は、映画『スレイブメン』や「仮面ライダー響鬼」、「仮面ライダー電王」の中村優一。
さらに、主人公をサポートする同僚役を映画『咲 Saki』やドラマ「声ガール!」の永尾まりや。ミステリアスな隣人役に水沢エレナ。事件を調べる主人公に何か隠している様子の怪し過ぎる大家役に岩松了。しつこさがメッチャキモ怖いです!!情緒不安定な感じが超怖い大家の妻役に美保純。
キャスト全員、クセが強い!!


イケメンたちが翻弄される姿にグッとくる!!
先の読めない展開の映画が好き!!
訳の解らない隣人トラブルに巻き込まれてみたい!!
そんな方々にオススメの一本です!!

若かりし頃の伝説のピンク映画監督を映画化!!『止められるか、俺たちを』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20181016140415j:plain
皆さんは、ピンク映画界の巨匠=若松孝二をご存知でしょうか?
"ピンク映画の黒澤明"と言われるほど、エロ映画の枠には収まりきらない傑作映画を量産した若松孝二監督が亡くなったのは、2012 年 10 月 17 日。
そんな若松孝二監督の若かりし頃のエピソードと若松プロダクションの人々を描いた青春映画『止められるか、俺たちを』が現在公開中です。



ピンク映画の世界へ足を踏み入れた少女
舞台は1969 年。“若松プロダクション”の門を叩いた少女。右も左も解らないまま、ピンク映画の世界へ。
そこにいたのは、もうイケイケの頃の若松孝二監督。当時30代。元ヤクザで、映画を作り出したキッカケも「映画の中なら警官を倒せる」と語る発想から行動まで全てがアクティブすぎる天才監督。
最初こそ、若松監督に「カス!タコ!俺の視界に入るな!!」と怒鳴られる主人公。しかし、メキメキの仕事を覚えていき、助監督として活躍していきます。


井浦新が若松監督をクリソツに熱演!!
主人公の目から見た若松監督は、行動力があり、天才ながらも、理不尽で、怒鳴ってばかり。それでも、愛くるしいトボけた愛嬌で、周りに友人の多い愛されキャラ。
若松孝二にはイケメン過ぎる」と思っていた井浦新がクリソツに熱演。当時の若松孝二が見事に甦ってるのが素晴らしいです!!
そんな若松監督に尊敬の念や怒り、嫉妬心など様々な感情を持つ主人公。その周りを取り巻く若松プロの面々。映画作りに挫折して抜けていく者や若松監督に怒りをぶつける者。そして、主人公も「監督にはなりたい。でも、自分がどんな映画を作りたいのか解らない」という悩みを抱えていくんです。
そうなんです!!本作は、"ピンク映画界のお仕事映画"から、"まだ何者でもない若者の青春映画"へのシフトチェンジ!!


主演は門脇麦!!
主人公の若松プロの助監督をする少女を演じるのは、門脇麦!!
白石監督いわく「門脇さんの魅力は健康的な雰囲気と60年代に纏っていそうなアンニュイな雰囲気を同時に合せもっているところ」。
気鋭の映画監督から政治活動へ足を踏み入れていく若松監督。自らの将来を模索するという普遍的な悩みを抱えつつも、困惑しながらも若松監督に着いていく主人公を熱演!!



次々と出てくる実在する映画関係者たち!!
今やレジェンド級のメンツの若かりし頃のエピソードに急な親近感!!当時の映画の再現シーンのクオリティの高さ!!まるで、当時の若松プロのメイキング映像を観ているかのような興奮!!そして随所から感じられる"若松監督への愛"!!
この映画好きのハートに火をつける本作。メガホンをとったのは白石和彌監督。自身も若松プロダクション出身。『凶悪』で第 37 回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)など、いまや日本映画界を牽引する俊英。師匠・若松孝二が時代と共に駆け抜ける姿を見事、作品に凝縮!!
白石監督自ら「映画を武器に戦ってきた若松さんの声をもう一度聞きたい」と本作を企画。若松監督が亡くなった後、活動の滞っていた若松プロダクションの記念すべき映画製作再始動第一弾を是非、劇場で!!

江戸川乱歩とアイドルのコラボ?!映画『BD ~明智探偵事務所~ 』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20181016140233j:plain
日本の推理小説・ホラー小説の草分け的存在とも言える昭和の大文豪・江戸川乱歩の小説を読んだことありますか?
江戸川乱歩と言えば、怪奇エログロ趣味な作風&クセの強い世界観で知られ、過去には「人間椅子」や「D坂の殺人事件」など何度も映像化されています。
そんな乱歩作品の中でも、子供向けに書かれたにも関わらず、荒唐無稽な独特の世界観がスパークした「少年探偵団」シリーズがアイドル主演のエンタメ映画として復活!!
それが、現在公開中の『 BD ~明智探偵事務所~ 』なんです!!

早速、観てみると、往年の江戸川乱歩作品がアイドル搾取なエンタメ映画に仕上がってました!!



ストーリーをサクッと紹介!!
日本屈指の名探偵=明智小五郎は宿敵である怪人二重面相を追って、冒頭から留守。そこで、留守番を任されているのは、明智探偵の弟子である本作の主人公の小林くん。そんなタイミングで舞い込んできたのは、失踪した娘を探してほしいという母親からの依頼。早速、調査に取り掛かる小林くんと舎弟的ポジションの井上くん。失踪した少女の背景には、街中に残された謎の暗号が関係しているらしい事が発覚。しかも、他の失踪者の存在も判明。調査は、どんどんキナ臭い方向へ。


集うアイドルたち!!
事件を追う新米探偵の小林くん役には、今年メジャーデビューで人気急上昇中の男性アイドル「B2takes!」の小澤廉!!後半、上裸で細マッチョボディを披露するシーンあり!!
小林と弟分=井上くん役に、BOYS AND MENの弟分として人気を誇りセカンドシングルでオリコン1位を獲得した「祭nine.」のリーダー寺坂頼我!!
ヒロイン・花崎マユミ役には、モデルとしてティーンを中心に若い女子から圧倒的指示を得る前田希美ちゃん!!
行方不明の女子高生役に、アイドルユニット「虹のコンキスタドール」リーダーの的場華鈴!!
これだけでも、アイドル増し増し一定客固めなキャスティングですが、さらに、怪人二十面相や、事件を追う少年探偵団メンバーたちには、「B2takes!」が総出演し本作!!
もはや、アイドルファン搾取映画になっているんです!!


現代版にリフォーム!!
舞台を現代に移したことにより、スマホネット掲示板、ハッキングなど、ナウい要素も追加。街に散らばった仲間たちや少年探偵団バッチの復活など、昭和テイストも入り乱れ!!
勿論、江戸川乱歩作品の怪しい雰囲気や唐突な急展開も健在!!
ミステリーも人間ドラマも平坦な演出も、大味な印象。ただ、冷静な小林くん&短気な井上くんの凸凹コンビなバディ要素。様々な職業に就く仲間たちの応援。ラスボスの正体などなど……、トリッキーかつ懐かしい設定も。

江戸川乱歩の映像化作品の一見さんから、小学校の図書館で親しんでいた方、そして、勿論、アイドル・ファンにもオススメの一本です!!

岡田准一が自ら殺陣を考案!!本気度がヤバい時代劇『散り椿』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20181016140116j:plain
年々、時代劇も減ってきている今日この頃。世界的な巨匠=黒澤明監督のような本気度ビンビンな時代劇はもう観れないのでしょうか?
あるいは、時代劇なんて観たことない。
そんなアナタにオススメなのが、現在公開中の映画『散り椿』!!

本作は、黒澤明監督の元、4本の作品に携わり、高倉健とは7本の映画でコラボ、日本屈指のキャメラマン木村大作が監督!!
木村監督いわく、主演の岡田准一を「セリフを何も言わずにその場にいる時の佇まい。そこに高倉健さんに通じるものを感じて、最初から新兵衛(主人公)は岡田さんをイメージしました。」との事!!
一体、どういう事なのか?!



殺陣のシーンは、岡田准一が自ら考案!!
本作を観て、まず驚くのは殺陣のシーン!!
運動神経が良いにも程がある岡田准一の剣さばき!!あまりにも早くて刀が見えないんです!!
さらに、その殺陣の構成も斬新!!刀を前に突きだし、相手を突き刺し!!刀を肘で押し付け、体ごと前に重身をかける!!……などなど、今までの時代劇では、あまり目にしない技の連続!!
なんと、そんなアイディア大賞のような殺陣構成の数々、主演の岡田准一が自ら考案!!
殺陣のシーンをリアリティのある1カットに収めたい木村監督も「岡田准一さんが素晴らしいスピードで動けるからそれが出来たんです。今そんなことがやれる俳優は岡田さんだけだろうね」とご満悦。
その為、本作のエンドクレジットの殺陣の所にも岡田准一のクレジットが!!


キャメラマン木村大作の仕事
木村大作キャメラマンと言えば、『スター・ウォーズ』の元ネタとして有名な『隠し砦の三悪人』、ハリウッドでもリメイクされた大ヒット作『用心棒』や『椿三十郎』など、黒澤明監督の作品で4本の作品に携わった日本映画界の重鎮中の重鎮。高倉健との『夜叉』や『あ・うん』、『鉄道員(ぽっぽや)』、『ホタル』など、7本のコラボ作品も有名。もはや、生きるレジェンドなレベル。
そんな映画を知り尽くした木村キャメラマンが、自ら監督も兼任。「美しい時代劇を作る」を目標に完成させたのが本作なんです。


物語は……
主人公は、岡田准一の演じる藩の不正に抗議し、脱藩した侍。故郷にいれなくなり、妻と京都へ移り住むも、妻(麻生久美子)は病で死んでしまいます。妻の願いである"散り椿"を見に故郷へ帰る主人公。
所が、故郷では、謎の辻斬り事件の容疑者にされていた……という衝撃展開!!
斬り口から、犯人は主人公と共に剣の修行をしていた元親友2人(西島秀俊緒形直人)と断定。物語はミステリー要素もはらんでいきます。さらに、主人公を襲ってくる謎の刺客たち。誰の差し金なのか?!
とりあえず、主人公は妻の実家で義理の妹(黒木華)と弟(池松壮亮)と共同生活を始め、犯人探しを始める訳です。そんな"散り椿"が咲くまでの一年間のお話です。


本物の場所で撮影
木村監督いわく、「俺が尊敬する黒澤明監督は、時代劇を撮る時に本物のセットを全部作った。でも、俺の場合は、背景となる自然や古くから残る建物など本物の場所へ行って、リアリティのある時代劇を作ろうとしたんです。」との事。その発言通り、昔から残る重要文化財な建物でのロケを慣行!!監督こだわりのフィルム撮影とのコラボ技で重厚な雰囲気バッチシ!!

まさに、重鎮=木村大作監督と実力派=岡田准一のコラボした本作は日本時代劇の最高峰と言って過言ではない一本に仕上がっているのです!!

金塊強盗たちバイオレンスが交差!!アート系マカロニ・ウエスタン・ムービー『デス・バレット』

f:id:stanley-chaplin-gibo:20181016135907j:plain
シッチェス・ファンタの第二週である 10月19日から公開が始まるのは、 金塊強盗たちバイオレンスを繰り広げるアート系マカロニ・ウエスタンで描いた映画 『デス・バレット』


3人組の金塊強盗。隠れ家へ戻る途中、メチャクチャ訳ありそうな子連れの親子を発見。行き掛かりで同乗させてしまいます。
隠れ家は画家の家。美しいエーゲ海が一望できる遺跡風の隠れ家。そこへ、彼らを追って2名の白バイ警官が現れたものだから、勿論、戦慄の銃撃戦!!子連れの親子を巻き込んで徹夜のバイオレンス・アクションへ発展!!隠れ家へ乗り込んだが最後、強盗犯たちに建物を包囲される警官!!画家と子連れ親子を人質に立て籠り!!
そこに、強盗犯たち同士のスタンドプレーも連動!!全く先の読めないシリアスな密室バイオレンスが完成!!


ただの密室バイオレンス映画かと思いきや……
本作の魅力は、その作風。シンプルなストーリーの中で、手元や目元のアップを多用。それにより緊張感とテンポを上手いこと作り込んでいます。さらに、アーティスティクなオブジェや逆光によるシルエットのカット。役者たちの動きに合わせたカット割り。
テロップで時間を表示。同じシーンの同時刻に別のキャラは何をしていたのかを登場人物ごとに繰り返して描く構成。


マカロニ・ウエスタンへのオマージュ
マカロニ・ウエスタンとは、イタリア製の西部劇。西部ってアメリカなのに、それをイタリア人が作ったニセ物ハリウッド映画的な作品群。例えるなら、日本の時代劇をアメリカで作って、アメリカ人しか出てこないような感じですかね。
ただ、60年代から70年代には、エンタメに振り切った演出、アンチヒーローの主人公、復讐という解りやすいストーリー展開など、様々なテイストの作品が大量生産され、人気を博していました。
本作は、マカロニ・ウエスタンの多くの作品で音楽を作曲したエンニオ・モリコーネの音楽が繰り返し使われています。
さらに、目のアップの切り返しのカットなどは、マカロニ・ウエスタンの巨匠=セルジオ・レオーネ風。
まさに、本作は犯罪アクションとしてマカロニ・ウエスタンを現代に復活させたような作品なんです!!



一見して退屈になりそうな立て籠り劇を、アートな雰囲気ムンムンの演出、テンポの良い編集、独特の画作り……あの手この手でエンタメに消化しているんだから、本作は面白い映画なんです!!