ユンギボの日記

ネタバレなしの映画感想日記。

『世界でいちばん長い写真』

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『世界でいちばん長い写真』を観賞。

消極的な少年がパノラマ写真機を通して、様々な人々と関わり、成長していく一夏の思い出=童貞映画!

この映画、主人公の従姉の結婚式のシーンから始まるんです。主人公と従姉の会話から回想シーンになって、結婚のキッカケが語られていく。それは、主人公が高校生の頃の一夏の話なんです。
ボンクラ高校生の主人公が、従姉の働く古道具屋で古めかしいカメラを発見。調べてみると、改造パノラマ写真機と解るんです。そこで、色々と撮ってみたり、研究したりしている内にハマってくんです。
それが周りの同級生たちの知る所となり、話がどんどん膨らんで、「学園祭の全校生徒の集合写真を、このパノラマ写真機で撮ろう」となっちゃう。
これは、主人公にとっては一大事なんですよ。なぜなら、主人公は消極的を通り越してコミュ障レベル。なのに、リーダーに祭り上げられるという。
そんな中で、今まで関わる事のなかったキャラの濃い同級生たちと実行委員をやって、甘くて苦い青春を経験していくんですね。

1つ言っておくと、実行委員の中に科学部の男の子が出てくるんですけど、爆笑です。「こーゆー変なしゃべり方する奴、いたよね!」っていう抜群に愛嬌のある童貞キャラなんですよ! 無表情で、ちょっと強がってる風に話す感じがツボです。

というか、ドキュメンタリーかなって思っちゃうくらい、出演者の皆さん、みんな芝居が上手いんですよ。すごい自然で。それに合わせて、前半は手持ちカメラを多様してて、やり過ぎてて、ちょっと気持ち悪くなるんですけど。

特に、写真部のツンケンした部長役の松本穂香ちゃんがすごく良い!! 学園モノに有りがちな「成績も良いしっかり者キャラ」なんです。いつも主人公を叱ってる優等生。で、なんなら主人公に思いを寄せてたりする訳なんですが。
そんなテンプレ・ヒロインが、クライマックスであんなに泣ける行動に出るとは思いませんでしたわ! いざ、集合写真を撮るってタイミングで走り出したときは、鳥肌が立ちました。もう大号泣ですよ!!


『世界でいちばん長い写真』
★★★★☆
星4つ

『馬の骨』

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『馬の骨』を観賞。

夢破れ自分を見失ったおっさんと地下アイドルからシンガー・ソングライターを目指す女の子のロッキー系ヒューマン・ドラマ。

そもそも、元祖オーディション番組「イカ天」で審査員特別賞をもらったロックバンドの名前が「馬の骨」なんです。主人公のおっさんは、「馬の骨」のボーカルだったんですけど、今や金ナシ夢ナシな日雇い警備員。この主人公が抜群にボンクラで、同僚の若いアンちゃんにバカにされ、仕事放棄。走って逃げたと思ったら、ワンカップ片手に道端で寝ちゃってるシーンなんかもう泣けてきます。

また、もう一人の主人公は、地下アイドルからシンガー・ソングライターを目指すヒロイン。絶妙に歌が下手で、発作的にアイドルグループを辞める展開は絶望的でしたが、クライマックスのライヴ・シーンではまるで別人。演じる小島藤子は半年間ギターの特訓を受け、本番に挑んだとの事。透明感のある歌声を披露。

そんなヒロインに出会った事で、主人公はバンドの再結成というミッションにチャレンジ。ヒロインは、歌&ギターの特訓を重ね、ライヴ成功にチャレンジ。2人のチャレンジが同時進行で交差する中、主人公を恨む元同僚やヒロインに近づこうとするアイドルオタクなど、スムーズには行かないスポ根展開。

血を流しながらライヴ・ハウスへ向かう主人公に感涙!! 本作の監督&脚本&主題歌の作詞作曲&出演を兼ねる桐生コウジは自伝的な物語を見事、エンタメ映画として昇華。そう、今作は『ロッキー』であり、『ライムライト』でもあるんです!!


『馬の骨』
★★★☆☆
星3つ

『ニンジャバットマン』

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『ニンジャバットマン』を観賞。

ワーナー・ブラザースによるDCフランチャイズにより、クールジャパンとバットマンが奇跡のコラボ。

集められたメンツが凄いんです。アニメ版『ジョジ』のポップなOPを手がけた制作会社「神風動画」の水崎淳平が監督。『アフロサムライ』の原作者である岡崎能士がキャラデザイン。チャンバラ活劇が見せ場である劇団新感線の座付き脚本家である中島かずきが参加。この豪華すぎる日本クリエイターたちが圧倒的技術力と悪ノリをスパークさせたのが本作なんです。

バットマンが殺さずの誓いの元、過去の悪党たちが収監されたアーカム精神病院。その中の悪党が開発した転移装置により、バットマンと悪党たちは戦国時代の日本へタイムスリップ! 戦国日本でカルチャーショックを受けるシーンは爆笑。さらに、バットマンより2年も先にタイムスリップしていた各悪役キャラたちは、各地の戦国大名たちと入れ替り、打倒バットマンなクレイジー過ぎる兵器を用意しているんです。その後も大風呂敷は広がる一方。あと出しに次ぐあと出しで、ハチャメチャにも程があるクレイジーな展開はやり過ぎレベル。

そして、アメコミ・ファンでも頭がパンクしそうな登場キャラの多さも圧巻! 今まで、映像化では省略されてきた原作ファンには感涙のサブキャラたちが一挙登場という派手なサプライズ付き。ジョーカー、ハーレイ・クイン、ポイズン・アイビー、トゥー・フェイス、ベイン、ペンギン……という実写映画登場キャラは勿論、デス・ストロークゴリラ・グロッドまで登場。バットマンサイドもロビン、レッドロビン、ナイトウィングなどが登場。もうキャラの洪水ではあるんですが、各キャラの説明はなし。雰囲気で善玉or悪玉を見分けてねという茶目っ気の元、キャラ以上に盛り沢山なストーリーへ注力。常識を逸脱した唖然のクライマックスへひた走ります。



『ニンジャバットマン

★★★☆☆

星3つ

『ランペイジ 巨獣大乱闘』

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ランペイジ 巨獣大乱闘』を観賞。

怪獣映画ファンと巨大生物ファンと両方のファンのハートをカツアゲする巨大生物のプロレス映画。

去年、公開された『キングコング 髑髏島の巨神』はモンスターバースというシリーズで、今後、『GODZILLA ゴジラ』のゴジラキングコングが闘う『Godzilla vs. Kong』という作品の製作が決まってます。そこで、怪獣王対決が始まる前に、巨大生物対決を実現させてやれ!というのゴキゲンな掛け声が聞こえてきそうな映画が本作。

遺伝子操作により、キングコングのようにデカいゴリラとオオカミ、その2匹より更にデカいワニが登場。街中で三つ巴の闘いを繰り広げるという、まるで中学生が考えたようなストーリーをまんま映像化。

3匹の巨獣なんて人類には手も足も出ないと思いきや、マッスルボディの持ち主、ドェイン・ジョンソンが霊長類学者という嘘にも程がある設定で登場。しかし、そこはただの学者な訳はなく、元陸軍特殊部隊&元国連の反密猟部隊というセガールのような肩書き付き。巨獣たちとガチで対等に闘うギャグみたいなクライマックスは必見です!

巨獣たちの登場しない前半は、DNAがどーしたとか、遺伝子がどーしたとか、ロック様の何もない日常とか、巨獣と優しきマッチョが出来上がっちゃった言い訳のよーなシーンが続くので退屈なんです。でも、中盤で巨獣たちが街へ到着するので、ご安心下さい。

フリン・ピクチャー社の創始者で、本作を製作するボー・フリンは
「巨獣たちを夜のシーンや雨や曇り空の下に隠すようなことはしたくない。映画全体をとおして、変異し乱闘する彼らを陽の光に照らし出したい、彼らが引き起こしている破壊を青空のもとに映し出したいと思った」
と言う解ってる人物。そのゴージャスな発言の通り晴天の中、暴れまくる巨獣たちには大興奮。

細かい設定を考え始めたら逆に負けな巨獣エンタメ大作を観て、ゴジラキングコングの闘いに夢を馳せて待ちましょう!!


ランペイジ 巨獣大乱闘
★★★☆☆
星3つ

『兄友』

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『兄友』を観賞。

少女マンガを実写化した学園ラブ・コメ。

先月まで放映されていたドラマ版は主人公の2人が付き合い始めて以降のエピソード。本作はその前談。そう、この2人、本作の序盤で普通に付き合っちゃうんですよ!
えっ?! 普通、ラブコメって、2人が付き合うまでのお話じゃないの? そんなんで、その後の展開は大丈夫? ……って思いますよね!?
そこが、本作の主題なんですよ! 2人とも付き合い出したは良いけれど、ウブ過ぎて手も繋げない。それ所か、お互いの下の名前も呼び合えない。もうピュアを通り越してコミュ障な域。

お互いの為を思っての行動が絶妙な裏目に出てしまい、2人共、疑心暗鬼モードへ突入。そんなタイミングで、お互いの恋敵が現れて……という悪い事は重なる展開へ。付き合うまでのハッピーな妄想の先で待ち受けていた人間不信レベルな現実とのギャップ映画なんです。

ドラマ版と同時撮影だったという事もあり、テレビ向けのライトなノリがノーテンキに観れる作風で、もはや映画とは呼べない代物に。そん中で全力コミカルの横浜流星くんと松風理咲ちゃんが微笑ましかったです。

周りのキャストも、松岡広大くん、古川毅くんとイケメンたちが乙女のハートをカツアゲ。声優の福山潤による恋の指南シーンもオプション追加で、腐女子のハートまでカツアゲですわ!
しかし、オジさんは何も奪われる事なく、ただただ苦悩をつづった自己満モノローグに吐き気さえ感じましたわ。映画みたいなゴミ!


『兄友』
☆☆☆☆☆
星0つ

『ばあちゃんロード』

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『ばあちゃんロード』を観賞。

映画美学校のプロットコンペティションで最優秀賞を受賞したプロットを元に製作されたのが本作。

主人公は結婚が決まったヒロイン。その事を疎遠になっている祖母へ報告に行くと、歩けなくなって、施設で気弱な偏屈ばあちゃんに再会。そこで、子供の頃のばあちゃんっ子魂に火が着き、「バージンロードをばあちゃんと歩く」という泣かせる目標を掲げるんです。

で、毎日、施設へばあちゃんに会いに行き、バージンロード・ミッションのクリアを目指すというストーリーになっております。

一見して、テレビのドラマ・スペシャル枠っぽいのですが、流石の貫禄を見せるのが、ばあちゃん役のベテラン:草笛光子

ばあちゃん孝行街道をひた走るヒロインがフィアンセと揉めたり、ばあちゃんのメンタル改革に乗り出したりというドラマもあるんですが、後半は、もうばあちゃんの映画。表情のみで、孫への思いや自らの体への不安を表現。

ちなみに、車イスで散歩するシーンはオール・アドリブとの事。外出にウキウキする感じで喋り倒し、それに答えるヒロイン役の文音ちゃんもグッド!

メガホンを取った青春映画で秀作を生み出し続けている篠原哲雄監督。エンタメ映画としては弱いのですが、なんて事ないよーなストーリーをロケ地の美しさ、ヒロイン役の文音ちゃんの凛とした表情など、良い所をより綺麗な演出でまとめ上げていました。


『ばあちゃんロード』
★★☆☆☆
星2つ

『四月の永い夢』

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四月の永い夢』を観賞。

恋人を亡くした主人公の日常を静か&丹念に描いた、いかにもインディーズな邦画。

冒頭から、かなり丁寧に主人公の女性の日常が描かれていくんです。すごーく丁寧に一つ一つの事柄が描かれていく。定食屋でのバイト。図書館へ行ったり。映画館へ行ったり。

決して解りやすい映画ではないんですが、ちゃんと観てると、徐々に彼女の元カレが死んだ過去が解ってくるんですね。

本作の潔いというか、面白いのは、安易に回想シーンなどで死んだ彼氏とのエピソードを語るよーな事はしないんです。むしろ、元カレがどんな人物で、主人公が具体的に何で悩んでいるのかも語られない。
そんな中、バイト先の常連客の青年から言い寄られてもハッキリとした態度を取らない。友人が仕事を紹介してくれても断る。 なんで?! どーして?! 一体、どんな彼氏で、どんなエピソードがあったの?!

で、この映画の上手い所は、そのヒントっぽいものが全編に散らばってるんです。名画座で1942年公開の『カサブランカ』という映画を観に行ってたり、主人公の部屋にやたらと古めかしいデザインの物が多かったり。もしかして、それは死んだ彼氏との? なんて考えると、メチャクチャ過去に囚われてるよーに観えてくるから不思議ですよ!

そして、主人公の元に届いた死んだ彼氏からの手紙により、過去をふっ切る旅が始まるんですね。

透明感&凄く繊細な表情で、過去を引きずりマクリスティーな主人公を演じるのは、朝倉あきが素晴らしいんです。なんなら、ちょっと少女っぽさも醸し出してますからね!

いかにも日本より外国の芸術系映画祭で栄える作品だと思っていたら、日本での公開前に、世界四大映画祭の第39回モスクワ国際映画祭のメインコンペティション部門に正式出品。国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰のダブル受賞を果たしてました。

エンタメ映画のような見せ場がある訳ではないですが、静かに一人でしっとりムービーを観たい方にはオススメの一本!!


四月の永い夢
★★☆☆☆
星2つ