ユンギボの映画日記

ユンギボ(@yungibo)によるあらすじ紹介、ネタバレなしのレビュー、解説・考察をお届け‼

“カメ止め”監督のオムニバスは全てが伏線のエンタメ映画『イソップの思うツボ』(#63)

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2018年に大ヒットした低予算映画『カメラを止めるな!』。通称『カメ止め』の上田慎一郎 監督によるオリジナル脚本を自らも含め3名の監督が担当。『カメ止め』で助監督を担当していた中泉裕矢 監督(「カメラを止めるな!スピンオフ『ハリウッド大作戦!』」監督)&スチールを担当していた浅沼直也 監督とのトリプル監督。一応、オムニバス形式作品。

“一応”と付けたのは、3本のエピソードが繋がっており、最終話で全ての伏線が回収されるという構成だからです。

第一話は、冴えない女子大生の日常。友達のいない大学生活。タレントの両親を持ち、自分もタレントとして活動するクラスメイトや、そんな主人公の日常を知らない母と関係が描かれます。

主人公の女子大生役を演じるのは、近年、ドラマやCM、MVで見かける機会の増えた石川瑠華さん。第2回未完成映画予告大賞でグランプリを獲得した『猿楽町で会いましょう』では、ヒロインを体当たりで熱演。独特のセンスが光る和製ホラーを世に放つ藤井秀剛 監督の『闇國』にも出演。
本作でも、何重にも伏線を巡らされた役どころを飄々と演じているのが印象的。

現役女子大生タレントとして活躍しつつ、キャンパスの中心的な存在のもう一人のヒロインを井桁弘恵さんが演じています。11代目ゼクシィガールや「ZIP!」アシスタントのタレント、モデル業から女優としても数々の作品に出演。嫌味なんだか、天然なんだかな幅のあるキャラを愛嬌で演じています。

第二話では、金を貰い、他人をボコッて脅す娘と父の親子が登場。ヤクザからの依頼で誘拐を持ち掛けられます。

チーマー親子の娘を演じるのは、女優以外にもモデルとして活躍する紅甘さん。見た目のインパクトやチン蹴りなど、ヤンキーねーちゃん。だけど、実は夢を持っているという役どころ。

そして、第三話では、それらのエピソードが集約され、全ての事実が明らかに!!

あまり話すとネタバレになるという『カメ止め』よろしくな伏線まみれの本作。クライマックスは、少々、やり過ぎというか、急なハンドル捌きに冷めてしまいましたが、軽いポップなノリで観れます。

実写版「エコエコアザラク」世代としては、佐伯日菜子さんの出演にキュンキュンしながらも、母親役というポジションに時間を感じてしまいました。


星3つ
★★★☆☆

名刑事VS超能力者『刑事コロンボ 汚れた超能力』(#62)

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旧シリーズから10年近くの時を経て、初老を迎えたコロンボによる新シリーズ『新・刑事コロンボ』の第一話。再スタートから意表を突く“超能力”がモチーフ。

超能力を軍事利用する為の政府の施設。そこで超能力を証明しようとする男。しかし、彼はイカサマをしており、上層部を騙し騙し。そんな中の、権威のあるマジシャンを呼んで、その超能力をテストするデモンストレーションが行われます。デモンストレーションは見事に成功。所が男とマジシャンは昔ながらの知り合いだったのです。その夜、マジシャンの元を訪れた男は、マジシャンを殺害。ギロチンのトリック台の操作を誤ったよう、事故死に見せ掛けて首チョンパ
そこへ、コロンボ警部が呼び出される訳です。

様々なマジックやトリックにいちいち驚いて見せるコロンボのチャーミングさ。超能力研究施設では、待合室を抜け出し、見学者たちの一行に紛れるコロンボ

捜査中に知り合ったマジシャンに、ギロチン台のトリックを聞き出そうとするシーンがあります。そのギロチンを使って、コロンボを横にし、トリックを見せるんです。人が死んだギロチン台を使うのがメチャクチャ不謹慎!! コロンボのビビリようも含め、思わず笑ってしまいました!!

今回、ゲスト犯人役のアンソニー・アンドリュース。不敵にトリックを披露。吹替え版は、名声優の野沢那智。イケシャーシャーと超能力のように振る舞います。そこに、野沢那智の人を引き込むようなセリフ回し。

本話から、刑事コロンボのフィックスであった小池朝雄から石田太郎へ声優チェンジ。小池風味を残しつつ、ヒョウキンさをフューチャー。コロンボ役のピーター・フォークが老けた事により、くたびれた初老のベテラン刑事にフォームアップ。それらがマッチ。旧シリーズと違ったスピンオフ的な面白さを感じました。

クライマックスでは、想像さえつかなかったデモンストレーションのタネ明かし対決に、思わず膝を叩く驚き!!


星3つ
★★★☆☆

「スター・ウォーズ」シリーズの脚本家が監督した西部劇『シルバラード』(#61)

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1985年という、もう西部劇もあまり作られなくなった頃の西部劇。これが、まぁ、懐かしいくらいオーソドックスな西部劇映画でした。

西部でアウトローとしてしか生きていけない男たち。偶然の出会いによって知り合います。同じ価値観の4人は、共に人助けをし、また別の街へと別れていきます。
ある者は、酒場の用心棒となり、ある者は黒人であるが故、不当な扱いを受け、ある者は家族の為に闘うのです。
そんな4人は、ラスボスと闘う為、再度、共闘。再会を果たすのです。

行き場を無くした無法者、家族や恋人の為の復讐、早撃ちの名手、未亡人、昔のならず者が保安官になっている……などなど西部劇あるある満載。4人のキャラの群像劇にする事で、そのエッセンスを散りばめています。

監督は、トーレンス・カスダン。『スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』、『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還(復讐)』や『レイダース/失われたアーク』といったジョージ・ルーカス作品の脚本を書いた人です。本作も含め、何本かの作品では監督もしています。1992年の『わが街』ではベルリン映画祭で金獅子賞も受賞しています。余程、西部劇に思い入れがあると見えて、1994年にも『ワイアット・アープ』という西部劇を作っています。また、「スター・ウォーズ」シリーズにも西部劇の影響があるのは有名な話です。
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開になった際、西部劇風の物語に映画ファンたちが熱狂してました。実は、『ハン・ソロ』でも脚本に参加しているのです。
考えてみれば、カスダンさんが脚本を書き、ヒットした『ボディ・ガード』も現代版の西部劇という風に受け取れなくもないですね。

今回は、ザ・シネマにてフジテレビ(ゴールデン洋画劇場)の吹替え版にて観賞。くたびれた風合いのケヴィン・クライン菅生隆之さんが脱力かっこ良く演じています。スコット・グレンをクールに演じる大塚明夫さん。ダニー・グローヴァーをフィックスの麦人さんが安定提供。津嘉山正種さんのイメージがあるケビン・コスナーですが、今作の頃はまだ若く、西部劇の定番でもあるヤンチャな若い奴ポジションなんで、家中宏さんがナウに演じています。

映画自体は、唐突な銃撃戦から始まる冒頭も意表を着いてきます。4人の男たちのエピーソードを同時進行で見せる群像劇風。確かに、西部劇には珍しい構成なんですが、ちょっとかったるい。テンポが悪い印象。
西部劇好きにはたまらない一本だとは思います。


星3つ
★★★☆☆

まだまだオタクの生態解剖『続・おたくのビデオ』第2話「1985 続・おたくのビデオ」(#60)

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もはや、冒頭からガレージキットの販売を決意する主人公。王道!!
オモチャ会社を作り、トントン拍子に業績を伸ばして行きます。その中で、新たな企画や商品化、大手企業との対立が描かれていきます。

と同時に前話同様、オタクたちのインタビューが挿入されていきます。ガレージキット制作をしているオタクのインタビューなんか、もはや職人さんのよう。外国人オタクのインタビューもモキュメンタリーといえ、興味深いんです。セル画オタクのインタビューでの窃盗エピソードなんか思わずゾッとしてしまいます。

後半のアニメ製作会社を作っていくクダリは、ガイナックスのパロディなんでしょうね。当時を回想する資料の要素も。

そして、本作のクライマックス、主人公は前話のラストで宣言した通り“おたキング”に。壮大なラストへと繋がっていくのです。


星2つ
★★☆☆☆

リアルなオタクの生態を描いたアニメ『おたくのビデオ』第1話「1982 おたくのビデオ」(#59)

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エヴァンゲリオン』のガイナックスが『ふしぎの海のナディア』の後、オタクの生態について作ったアニメとモキュメンタリーで構成された1991年のOVA

オタクと距離をとっているつもりで、隠れオタク的な青年が主人公。そんな主人公が様々なオタクと出会っていくストーリー。なんですが、その登場するオタクたちが、あらゆる趣味嗜好のオタクたち。しかも、ご丁寧に主人公へ説明してくれる設定で語り倒してくれるので……、まぁ、なんというか……、勉強になります。
作画の見方、特撮の魅力、セル画の描き方、ミリタリーオタクの精神などなど。実際の作品を例に出しながら教えてくれます。というか、背景の美術や飾り付けも実際に存在するものや、実際の映画ポスターが飾ってあって、探す楽しさもあります。今、作ろうと思うと色々、怒られそうですが。

さらに衝撃的なのは、途中で実写パートが挿入される構成。モキュメンタリーとして、本物のオタクのインタビューが挿し込まれるのです。現在の仕事やオタク分野の魅力、大塚明夫さんのナレーションによるデータ分析まで。

そして、オタクに感化され、オタク化が進んでいく主人公。彼女にドン引きされます。悲しきオタクたち。
そして、就活を止め、「オタクの中のオタク」=“おたキング”になる事を決意するのでした。

懐かしき80年代への哀愁を感じました。


星2つ
★★☆☆☆

ジョン・トラボルタがテロリスト役を好演『ソード・フィッシュ』(#58)

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公開当時は久々のジョン・トラボルタ出演に、スタイリッシュな映像で話題に上がった本作。今では、語る人も少ない忘れられた作品でもあります。

天才ハッカーながら、仮出所中の主人公。離婚した奥さんとたまに会える娘。真っ当に生きようとするも貧乏生活。
そこへ現れた謎のテロリスト。ヤバい計画を打診され、金の為、娘の為と引き受ける事に。
同時進行で描かれるFBI捜査官たち。そこから誰を信じて良いのか解らないサスペンス。派手なカーアクション。そんな、ザ・エンターテイメントという作風。

冒頭、テロリスト役のジョン・トラボルタとFBI捜査官役のドン・チードルの会話シーンからスタート。優雅なコーヒータイムだったのが、実は人質を取っての立て籠もり中と発覚。このオープニングだけで、グッと引き込まれます。

被写体をグルッと囲む600台のカメラを同時に撮影する事で、360度回転しているようなバレットタイム撮影。それを爆破シーンで使用。圧巻の映像表現にグッときたものでした。
同じ手法が『マトリックス』でも使用されており、とても話題になりました。本作の公開当時も『マトリックス』風の緑色の文字の羅列、ハッカーの活躍など、やたら類似点を上げて各雑誌に掲載されていました。
その後、バレットタイム撮影ブームみたいなのが一瞬あり、映画『ドリヴン』やPV、ゲームのオープニング映像などでやたら使われてました。

また、ジョン・トラボルタの映画『狼たちの午後』の主人公は正しいかor正しくないか論争や人間の思い込みに関する長台詞もクエンティン・タランティーノ映画と比較されてた記憶があります。

本作の話に戻ると、追い詰められた主人公をヘナチョコに演じるビュー・ジャックマン。FBI捜査官役のドン・チードル
ハル・ベリーアカデミー賞を受賞間もない公開だったのも話題になって、豪華キャスト共演という感じでした。

何もかも見透かしたようで、何を考えているのか解らないジョン・トラボルタ。信用していいのか解らないヒロインのハル・ベリー。なかなか全貌の見えてこない計画の概要。
あまりにも複雑なストーリー展開に、途中で興味を失ってしまいました。

今、観るとジャックマンとベリーの『X-MEN』コンビに『アイアンマン』のドン・チードルと夢の共演感がありますね。

星1つ
★☆☆☆☆

動物愛護団体がキレた、犬の呪いの陰鬱な映画『犬神の悪霊』(#57)

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犬神の悪霊』ポスター

日本の経済発展に向けた開発と昔からの村の言い伝えがミックス。独特の雰囲気を持った怪奇ホラー映画。犬への虐待描写が満載なので、ワンちゃん好きはご遠慮ください。動物愛護団体からの猛クレームのお墨付き。
今回はチャンネルNECOで観賞。

ウラン探索の為、山奥の村を訪ねた調査団グループ男たち3人。その際、ジープで小さな祠を破壊。犬まで轢き殺してしまいます。
半年後、村の娘と結婚式を挙げる調査団の一人の男。その結婚式でも調査団の仲間が発狂。もう一人もビルから飛び降り自殺。
さらに翌年、結婚した妻も様子がおかしくなっていきます。

冒頭から、オッパイおしり。ノーテンキな調査団グループ。祠を壊した辺りから、テイスト変化。人間たちを襲い出す犬たち。友人からの手紙を串刺しにする奥さん。一見、コメディのようなシチュエーションも、役者陣の度を超えた芝居により不気味さムンムン。

エクソシスト』では開始50分くらい掛けて登場した病院での検査シーン。本作では、30分くらいでサクッと済ませます。病院では役に立たないと判明してからは、村人たちの呪術作戦シーンが続きます。意味は解らないけど、大勢で石を奥さんの体に近づけたりする描写が不気味。それはウランを想像させるからか?

さらにストーリーが進むと、村人たちは被差別モードへ。村人たちが主人公一家の家へ石を投げまくります。

演出も『サスペリア』かしら?と思うような水色の照明。夜中、少女が主人公の部屋を訪ねてくるシーンは、少女の背中に照明を取り付けているのか? 光も少女と共に動いてるから怖い画に仕上がっています。この照明技術を探って観るだけでも、かなり楽しめます!!

ウラン発掘の事業は順調。そんな中、奥さんも死んでしまい、途方に暮れる主人公。奥さんの友人だった村の娘には、“犬神憑き”のレッテルが貼られます。村人たちは“犬神の呪い”と悪霊退散の儀式を行い、一家を村八分

状況はさらに悪化。井戸水への毒物混入事件が発生。死人まで出てしまいます。それはウラン採掘で捨てた汚染物質が地下水に混入してしまったと知る主人公。所が、とき既に遅し。村人ちは「毒を井戸水に入れた奴がいる」と大騒ぎ。さらなる悲劇へ発展。どんどん陰鬱な雰囲気に。

やたらテンポの良いストーリー展開。逆に早過ぎて「なんで?」という疑問も。それらを踏まえても演出のパンチ力は抜群!!
だって、監督は伊藤俊也。「女囚さそり」シリーズでやり過ぎ演出をテンコ盛り。ストーリー説明より画のインパクト。訳が解らんままに映画を語り切ってしまう凄腕監督なんです。
そんな伊藤俊也監督&東映が『エクソシスト』や『オーメン』、『犬神家の一族』のオカルトホラーのヒットに便乗して作ったのが本作。

一族への呪い、ヒステリックになっていく村人たち、隠された座敷牢、ワンちゃん虐待描写……嫌ぁ〜な画やモチーフが次々と登場。観てるコチラの気が触れそうになってきます。
一時は幻の作品でしたが、今ではDVDも発売されていて簡単に観れます。


星4つ
★★★★☆

犬神の悪霊
1977年・東映・107分・カラー
監督:伊藤俊也 出演:大和田伸也 泉じゅん
www.necoweb.com

エノケンと柳家金語楼のハチャメチャコメディ『初笑い底抜け旅日記』(#56)

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『初笑い底抜け旅日記』ポスター

日本の喜劇人の代表エノケンこと榎本健一のコメディ映画。

冒頭から旅人役のエノケンが陽気歌って登場。旅先の村人との年貢の取立ての話を歌のみで紹介するミュージカル仕立て。
それでいて、エノケンが誘拐され、外を自由に出歩けない殿様へ旅先の話をさせられるクダリがあります。驚くべき事に、このクダリ、本編には全く関わってこないシーンなんです!! ただ面白いから入れただけ!!
作りは雑貨だけど、パワーで見せる昭和の日本映画。あっぱれです!!

さらに、エノケン古川ロッパと並ぶ喜劇人=柳家金語楼水戸黄門役(!!)で出演。助さん格さんと旅先で女スリに財布を盗まれ、同じ宿に泊まっていたエノケン水戸黄門と間違えられるドタバタっぷり。そんな中、状況を把握できないトボけた笑いを振り撒く柳家金語楼

本作の公開は、1955年の1月3日。タイトル通りの「初笑い」。正月から、こんなメチャクチャなコメディを観れたら、そりゃあ楽しくなるだろうなぁ。

本作公開の2年前にエノケンは事故で右足の指を切断しており、よく見ると足を引きずっているのが解ります。全編通して歌いまくってはいますが、エノケンお得意のアドリブや素早い動きはほとんど感じられず。
本作の2年後には、病気が再発し、右足を切断。長男も亡くし、自殺未遂を起こしています。

監督は、その他のエノケン映画や森繁久彌の「社長」シリーズを撮った青柳信雄 監督。脚本には、黒澤明監督の師匠である山本嘉次郎の名前が。山本監督と青柳監督と榎本健一は1歳ずつ違いの同世代。当時50代の3人を回想するのも感慨深いです。


星3つ
★★★☆☆

【関連動画】

エノケンの孫悟空 前篇  昭和15年
監督:青柳信雄
脚本:高木恒穂 山本嘉次郎
出演:榎本健一 柳家金語楼 榎本雅夫 柳沢真一 トニー谷 小堀明男
https://www.eigeki.com/series?id=27728&category_id=4&ym=202101

【未DVD化】アイドル映画の皮をかぶったトンデモ映画『ザ・オーディション』(#55)

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『ザ・オーディション』ポスター

往年のアイドルグループ=セイントフォーによるサクセスストーリー映画『ザ・オーディション』。なんですが、これが芸能界のウラ側を暴露したようなヘビーな映画なんです。

本作は、セイントフォーがデビューした1984年11月公開の作品。同年同月にシングルとアルバムが連続で発売しているので、デビュー合わせの公開って事ですかね。

元ロックグループで一世を風靡したものの、今はマネージャーとして働く主人公。なかなかのポンコツでスタジオのセットぶっ壊すチン騒動からスタート。
でも主人公は、業界に反撥しながらも、いつか自分のアイドルをデビューさせる夢を持っています。初めて観た時はピンときてなかったのですが、再観賞して、これは結構、切ない事に気づきました。元々は売れっ子ロッカーがマネージャーという渋々、裏方に回っている訳ですからね。
しかも、周りから「ハンパ者」と言われ、自分でも「何も成し遂げられてない」と自答する主人公。そんな心の内が語られます。そんな小市民の主人公が芸能界という圧倒的にデカい敵へ向かっていく訳です。
ストーリーは、主人公が社長と揉めた事からアイドルグループのメンバー集めを開始。4人のメンバーをスカウト。ダンス練習。筋トレ。歌唱レッスン。修行の日々がスタート。

本作の面白いのは、冒頭はドタバタ喜劇風。メンバー集めから修行シーンまでは、アイドルグループが形になっていくサクセスストーリー。そして、レッスンの合間で夢を語り合うメンバーたちの姿はまさに青春映画。所が、レコード発売を揉み消され、オーディションの日々へと話が移ると、どんどんディープになっていきます。裏で大手事務所による大人の力を駆使した妨害。暗躍。陰謀へと発展。
彼女たちの個々のドラマや主人公の恋愛エピソードも追加。自腹でレコーディングなどの活動をしてきた上、オーディションへの賄賂まで要求されます。それでも裏切る審査員たち。芸能界が権力者たちによって作られているのが、よく解ります。

そして、主人公はとんでもない傷を追う事になります。クライマックスを迎える頃には、もはやただのアイドル映画の枠を超えた壮絶な展開が鎮座しているのです。

一度はVHSで発売されたとのの、DVD化やBlu-ray化されていない本作。昔のVHS版で観賞していたのですが、今回はCS日本映画専門チャンネルにて放送されていたので録画。本作の新城卓監督の初期作品はことごとく観るのが難しいのが残念。パル企画で製作された『オキナワの少年』なんかは傑作だと思うのですが、未だソフト化されず。


星4つ
★★★★☆

1985 セイントフォー ザ オーディション ビデオ発売 日本ビデオ映像株式会社 CM JAPAN


出演
セイントフォー岩間沙織浜田範子、鈴木幸恵、板谷祐三子)/世良公則志穂美悦子
監督
新城卓
原作
脚本
中岡京平/川村俊明
公開・放送年
1984
放送時間
127分
www.nihon-eiga.com

ハリウッドスケールでゴジラとキングギドラがガチンコ対決『ゴジラ キング・オブ・モンスター』(#54)

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ゴジラ キング・オブ・モンスター』ポスター

世界観を共有するモンスターバースシリーズの第三弾。ちなみに、第一作目は『ゴジラ』。第二作目は『キングコング 髑髏島の巨神』。第三作目の本作で、新たなフェーズへ突入していきます。

前作で世界の前に姿を現したゴジラ。それと同時に世界中で確認された怪獣たちを調査する秘密機関=モナークモナークの管理下で孵化するモスラ。テロリストたちにより強制復活させられるキングギドラ
それらを察知して世界中で姿を現すラドンなどの怪獣たち。その中でキングギドラと直接対決するゴジラ。そんな大スケールの怪獣対決を見守るしかない人類。

今回のゴジラは人類の味方という訳でもなく、地球の秩序を保つ存在として描かれます。故に太古の時代に地球へやって来た、宇宙生物キングギドラを倒す為、姿を現すのです。

真夜中の暗闇の中、ゴジラキングギドラの巨大な怪獣の対決。人間目線の下からアングルで展開。
それに対し、人類は核兵器を使用。それでも倒せなかったキングギドラ。それにより大ダメージを受け、海へ姿を消したゴジラ

人類はゴジラと共闘関係を結ぶ事を決意。命と引き換えに核エネルギーをゴジラに与えるミッション発生。そんなミッションを行うのは、前作からモナークの研究者として登場している芹沢教授。演じるのは渡辺謙。ちなみに、“芹沢猪四郎”という役名は、1954年の第一作目『ゴジラ』の平田昭彦の演じた“芹沢大助”教授と本多猪四郎監督が由来。
本作では父親が広島の被爆者という設定で、父の形見の懐中時計を持ち歩いています。そんな芹沢教授が核によって目覚めたゴジラに核エネルギーを与えるという展開にグッときてしまいます。

また、海底にある古代の人類が作ったと思われるゴジラの神殿も素晴らしいです。地底空洞説という、H・ラブクラフトクトゥルフ神話風の設定にテンション上がります!!

基本的には楽しんだんですけど、人間ドラマパートがちょっとかったるい印象。


星3つ
★★★☆☆

『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』予告編 (2019年)
監督
マイケル・ドハティ
脚本
マイケル・ドハティザック・シールズ
出演者
カイル・チャンドラーヴェラ・ファーミガミリー・ボビー・ブラウンサリー・ホーキンス渡辺謙チャン・ツィイーブラッドリー・ウィットフォードチャールズ・ダンストーマス・ミドルディッチオシェア・ジャクソン・Jr

アカデミー賞を獲ったサスペンス監督の処女作はブラック・ユーモア映画『ほえる犬は噛まない』(#53)

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ほえる犬は噛まない』ポスター

殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督デビュー作。サスペンス監督のイメージがあるものの、処女作はコメディ。

大学教授の職に就きたいものの全く上手くいかない青年。団地に帰れば、妊娠中の奥さんに苛められ、悲壮感満載の毎日。そんな中、小型犬のうるさい鳴き声。そもそも団地で犬を飼うのは禁止。頭にきて犬を誘拐。団地の地下に捨てられたタンスへ監禁。逃亡。所が、また別の部屋でも小型犬を飼うオバちゃん発見。さらに腹を立て誘拐。

一方、団地の管理事務所で働く冴えない女の子。屋上でサボっていたら、犬を屋上から放り出そうとする青年を発見!! ダッシュで捕まえに向かう!!

方や就活へのストレスを溜め込む青年。犬に振り回されるダサ男。方や張りのない生活に鬱屈している女。犬の誘拐犯を捕まえて有名になりたい冴えない日々。そんな2人のボンクラエピソードが同情進行。

ユーモラスだけど悲しい。切なさが面白い。そんなポン・ジュノ監督のエッセンスが、荒削りな物語の中に鎮座。「ルールを守らない」事に対する怒りと、それが日常化している現代への思い。それらをブラック・ユーモア満載の映画に仕上げています。

男がヨイショ飲み会のカラオケで、アニメ『フランダースの犬』の主題歌を歌うくらいのボンクラっぷり。下らないギャグかと思いきやエンディングはJAZZバージョン。実は皮肉なモチーフだった事が発覚!! 思わず舌を巻きました!!

ハリウッド映画『クラウド アトラス』や『ジュピター』、日本映画『リンダ リンダ リンダ』、『空気人形』のペ・ドゥナの、まだデビューまもない姿が初々しい。


星3つ
★★★☆☆

『ほえる犬は噛まない』予告編 ビデックスJPで配信中!


2000年製作
플란다스의 개/BARKING DOGS NEVER BITE
監督
ポン・ジュノ
脚本
ポン・ジュノソン・テウンソン・ジホ
出演者
ペ・ドゥナイ・ソンジェコ・スヒキム・ホジョンキム・ジングピョン・ヒボンキム・レハ

逮捕までの24時間を描いた実録ドラマ『恐怖の二十四時間 連続殺人鬼西口彰の最期』(#52)

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『恐怖の二十四時間 連続殺人鬼西口彰の最期』VHSジャケット

5人を殺害、日本中を逃亡していた実在の殺人鬼=西口彰を描いた本作。西口彰事件と言えば、佐々木隆三さんの書いたルポを原作とし、今村昌平 監督が作った映画『復讐するは我にあり』が有名です。映画版で西口彰を演じたのは、緒形拳さん。その後、原作の映像化は続き、根津甚八 版や柳葉敏郎 版も作られました。

しかし今回、ご紹介するのは、「復讐するは我にあり」を原作とせず、西口彰事件を描いたドラマ版です。ビートたけし(『金(キム)の戦争 ライフル魔殺人事件』の金嬉老事件)や片岡鶴太郎(『昭和の説教強盗 命はとらぬ金を出せ!』の“説教強盗”妻木松吉)などが犯罪者役を演じたフジテレビの実録犯罪史シリーズ。その中で製作されたのが本作。本作の西口彰は役所広司が演じています。

復讐するは我にあり」ではラスト部分、西口彰が弁護士の家へやって来た24時間のみを描きます。これが、「復讐するは我にあり」の短縮版にあらず!!

むしろ、連続殺人は冒頭のハイライトで終了。ヤバい感をバンバン放ちながら弁護士一家こ家に現れるのです。東京から来た弁護士に成りすまし一家の家に居候。
最初に、手配書を見ていた一番末の娘が西口の存在に気づくのです。所が家族の誰も信じず。
西口の行動に目を配る末娘。何を考えているのか解らない西口。次々と抜群のリアリティでウソの連続砲火。口車に乗せて、どんどん状況が変化していく展開はスリリング。

後半では、一家の不良息子が帰宅。義理の父に反抗、母親へは八つ当たり。家中暴れ回る姿に、まさかの西口が大説教!! 大熱演をブチかますのです!!
これがまさに、「やってはいけない事があるんだ!! お前はどっちに進むんだ?!」と、もう後戻りできない西口彰本人と重なるセリフ。思わずグッときてしまいました。

本作の脚本を担当したのは、大量の脚本だけでなく、小説や舞台演出、監督経験もある中島丈博。メガホンを取ったのは、NHKのドラマを多く演出した深町幸男 監督。

西口が居座る一家の主を演じる河原崎長一郎役所広司のセリフのヤリトリは緊張感がパないです。
一家の奥さんを演じる丘みつ子も怯えつつも、子供たちを気遣い、西口に悟られないようにする演技も絶品。

星4つ
★★★★☆

実録犯罪史シリーズ 恐怖の二十四時間 連続殺人鬼 西口彰の最期
1991年・フジテレビ、総合プロデュース・120分・カラー・スタンダード
監督:深町幸男 出演:役所広司 河原崎長一郎 丘みつ子
www.necoweb.com

今では難しい豪華声優陣が勢揃い『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環 ~ラインの黄金~』(#51)

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ハーロック・サーガ ニーベルングの指環

銀河鉄道999」や「キャプテン・ハーロック」、「クイーン・エメラルダス」、「宇宙戦艦ヤマト」など、宇宙SFマンガを大量に描いてきた松本零士先生。驚くべき事に、そんな松本先生の各マンガ作品は世界観を共有してるんです。つまり、「キャプテン・ハーロック」に「クイーン・エメラルダス」のエメラルダスが出てきたり。「宇宙戦艦ヤマト」に「キャプテン・ハーロック」のハーロックが出てきたり。トチローというキャラは「銀河鉄道999」や「キャプテン・ハーロック」、「クイーン・エメラルダス」など、キャラが各作品を行き来したりするんです。
今だと「アベンジャーズ」シリーズなどのマーベル・スタジオ映画みたいなものですね。

そんなクロスオーバーしてた各作品のキャラたちが集合させ、ワーグナーの楽劇を下敷きに描いたマンガ「ニーベルングの指環」。今回、ご紹介するのは、そのマンガを原作とし1999年に製作されたOVA作品『ハーロック・サーガ ニーベルングの指環』(全6話)です。

そんな世界観なもんで、松本零士マンガに親しみのある方以外は全く楽しめないと思います。逆に、松本零士ファンは大興奮のお話です。

行方不明になったミーメを探すハーロックとエメラルダスとトチロー。そこでミーメが属するニーベルング族とワルハラ族の対決を知ります。その裏には、“全宇宙を支配する”と言われるラインの黄金を手にする謎の男が暗躍。それを阻止しようとするハーロックたちですが……。

もうこの「あらすじ」たけで、松本零士マンガを読んだ事ない方は「?」でしょう。しかも、原作の第一部のみのアニメ化なので、ラストは尻切れトンボ感。

もう舞台が全宇宙というスケール感で、ワルハラ族というのも北欧神話の神であり、もう人間からすると“神の世界”という世界観なんです。その中をハーロック、トチロー、エメラルダス、メーテル、ミーメなど人気キャラたちが右往左往するんです。これは松本零士ファンにはたまらんのです!!

さらにテンション上がるのは、豪華キャラに相応しい豪華声優陣なんです。ハーロックとトチローを一人で演じるのは、山寺宏一さん。もはや、観てて何の違和感もない役柄の使い分けで演じる芸達者っぷりを披露。これ、本当に凄いです!!
往年のアニメ版では、ハーロック井上真樹夫さん、トチローを富山敬さんでしたが、そのお二人のイメージを全く崩してないのが素晴らしいです。
その後に発売されたゲーム「コスモウォーリアー零」でも続投しています。
エメラルダスは昔のアニメ版では田島令子さんでしたが、本作では勝生真沙子へバトンタッチ。優しさを纏いつつ、冷静沈着な印象でエメラルダスを演じています。
テンション上がると言えば、メーテルメーテルと言えば「この人しか考えられない」池田昌子さんが!! 他の人のメーテルを想像する事も出来ません!!
また、敵役やワルハラ族など他の役も豪華。を石田太郎さん、安原義人さん、関俊彦さん、上田みゆきさん、子安武人さん、三木眞一郎さん等、とにかく凄いメンツ!!
特に嬉しかったのは、ヤッタラン副長を演じる千葉繁さん。いーかげんな関西弁でシリアスな本作でのコミカルシーンを盛り上げています。

声優陣の演技合戦やキャラのヤリトリを観てる(聴いてる)だけでも楽しい作品になっています。

星2つ
★★☆☆☆

関連動画

HARLOCK SAGA EPISODE 1 english dub
製作年: 1999年
メーカー: バンダイナムコアーツ
松本零士(原作、総設定),竹内啓雄(監督),本橋秀之(キャラクターデザイン),山寺宏一ハーロック、大山トチロー),勝生真沙子(エメラルダス),池田昌子メーテル),関俊彦(台場正),千葉繁(ヤッタラン副長)

時空を超えたロマンス映画『ある日どこかで』(#50)

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ある日どこかで

今回、『ある日どこかで』がBSテレ東にて新録吹き替え版で放送されると知り、喜び勇んで録画観賞。

本作は、劇作家の男が、老舗ホテルで1910年代に活躍した女優の写真に一目惚れ。過去へとタイムスリップし、その女優への思いを語るロマンティック・ラブ・ストーリー
この「過去へ」というクダリ(と設定)が、ハチャメチャではあるのですが、それをロマンスと映像美で黙らせる所が魅力的。

また、まだ学生時代の主人公の元に謎の老婆が時計を渡す冒頭。この老婆のお陰で「あれは誰だったんだ?」という些細なミステリー要素も追加。
あまり細かく考えず(または突っ込まず)、過去へ。ここら辺の展開を飲み込めるかで、観た方の評価が分かれると思います。

カルチャーショックでユーモラスな時代を面白可笑しく描写。やっと出会えた、まだ若い女優。積極的にアタックするも、彼女に付きまとうマネージャーの影。物事はなかなか上手く進みません。

本作を語る際に上げられる、もう一点の要素が映像美。とりわけ、現在のシーンと過去のシーンは違うメーカーのフィルムで使い分ける手の混みよう。過去のシーンの映像は淡い画作りになっており、アンティークな風合いです。それがよりロマンティックを盛り上げます。

さて、今回の新録吹き替え版についてです。主人公を演じるクリストファー・リーヴをフィックス声優の ささきいさお さん。「スーパーマン」シリーズのリーヴも ささきさんが担当。往年のファンからは、しっくりしまくりの安定キャスティング。そうでなくとも、力強く、すーっと通る声は愚直な主人公とマッチ。好感度も高く、主人公への感情移入を助けます。さらに、昔と変わりない声にはビックリしました。

また、女優のマネージャーをクリストファー・プラマーが演じています。今回はベテランの羽佐間道夫さんが担当。女優を守る役ところと羽佐間さんの重厚な声で鉄壁ガード増々。

ランボー」シリーズでシルベスター・スタローンを演じる ささきさんと「ランボー」シリーズでスタローンを演じる羽佐間さん。二人のヤリトリは、Wスタローン、夢の共演という感じで、映画ファン的にはウキウキしてしまいます。

女優役の甲斐田裕子さんの芯の強さや、ホテルの従業員の茶風林さんのお茶目さなど、本作の魅力をアップロードさせてくれてます。

作品的には、ラストの展開や伏線回収が唐突な印象。ストーリーよりも作風の魅力重視と考えれば、まぁまぁの納得。


星3つ
★★★☆☆

【関連動画】

ある日どこかで Somewhere in Time テーマ曲と名場面


1980年製作
SOMEWHERE IN TIME
製作国:アメリカ上映時間:103分
監督
ジュノー・シュウォーク
脚本
リチャード・マシスン
出演者
クリストファー・リーヴジェーン・シーモアテレサ・ライトスーザン・フレンチクリストファー・プラマービル・エルウィンジョージ・ヴォスコヴェックジョン・アルヴィンエドラ・ゲイルオードリー・ベネット

アンディ・ガルシアが一人二役で敵対する双子の兄弟を演じる『悪魔たち、天使たち』(#49)

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『悪魔たち、天使たち』

アンディ・ガルシア一人二役で双子を演じるヒューマン・ドラマ『悪魔たち、天使たち』。

土地開発を巡って対立していく双子の兄弟を描いた本作。多くの人が働く農場を受け継いだ弟。しかし、それを日本人に売り払い金を手に入れたい兄。優しい弟と自己中な兄。そんな対象的な兄弟をアンディ・ガルシア一人二役
兄は逃亡。行方不明という設定、カット割り、後ろ姿などの代役により、巧みに二役を構成。

冒頭からナレーションをガンガンに入れて、とにかく状況が理解しにくいです。
さらに、主人公2人が入れ替わるドタバタ作戦など、面白い展開があるものの、登場人物が多く、その割に整理整頓されてないので、見にくかったです。

メガホンをとったのは、アンドリュー・デイヴィス監督。他の作品に、スティーヴン・セガールの初主演映画『刑事ニコ/法の死角』やハリソン・フォードの逃走劇『逃亡者』、ヒッチコックの現代版リメイク『ダイヤルM』、アーノルド・シュワルツェネッガーのアクション映画『コラテラル・ダメージ』などなど。解りやすいエンタメ作品……ノーテンキ映画を作ってきたお方。本作は同様の系統ですね。

アンディ・ガルシア江原正士アラン・アーキン青野武ジョー・パントリアーノ三ツ矢雄二富田耕生大塚明夫など、豪華メンツ。ちなみに、兄と取引をしようとするボンボンの日本人役を“とんねるず”の石橋貴明が出演。吹き替え版も本人が担当。


星1つ
★☆☆☆☆

【関連動画】

Steal Big, Steal Little Trailer


監督: アンドリュー・デイヴィス 、 出演者: アンディ・ガルシア 、 製作: アンドリュー・デイヴィス 、 製作: フレッド・カルーソ 、 脚本: アンドリュー・デイヴィス 、 撮影: フランク・タイディ 、 音楽: ウィリアム・オルヴィス 、 出演者: アラン・アーキン 、 出演者: レイチェル・ティコティン 、 出演者: 石橋貴明 、 出演者: ジョー・パントリアー